食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 大気汚染と心臓発作と狭心症についての専門家の反応

SMC
expert reaction to air pollution, heart attacks and angina
January 21, 2014
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-air-pollution-heart-attacks-and-angina/
BMJに、大気中粒子状物質への長期暴露と心臓発作と狭心症の関連についての研究が発表された。
Birmingham大学環境呼吸器医学Jon Ayres教授
待望のESCAPEプロジェクトの知見はしっかりしたもので、重要なのは現在のEUの環境基準より低いところで影響がみられるということである。大気汚染のさらなる削減がヨーロッパの心臓の健康を改善するだろうことに疑いはない
Edinburgh大学心臓専門臨床講師Jeremy Langrish博士
この画期的論文は大規模米国コホートで示された長期粒子状物質暴露と心筋梗塞の関連をヨーロッパでも確認した。PM2.5への長期暴露が5 µg/m3増える毎に急性心筋梗塞が13%増加することを示唆している。絶対リスクはそれほど大きくなく(毎年0.45%あるいは11.5年で5.1%)死亡数は増加していないことには注意が必要である。汚染レベルの少ないところで影響が見られることが重要で、大気汚染を減らすことには重要な公衆衛生上の意味がある。
Southampton大学職業環境医学David Coggon教授
この研究は大気汚染が心疾患の原因となるという根拠を加えるものであるが、リスクの差が過去の汚染が酷かった時期の暴露による可能性もあり現在の暴露量が重要なリスクであるということを決定的にするものではない
英国心臓財団Jeremy Pearson教授
大気汚染の最も大きな健康影響は心血管系疾患である。この研究は汚染を減らすための対策が健康にメリットがあることを強く支持する。

  • ミツバチのコロニー崩壊に新しい容疑者

New Suspect in Bee Colony Collapse
By Jef Akst | January 21, 2014
http://www.the-scientist.com/?articles.view/articleNo/38944/title/New-Suspect-in-Bee-Colony-Collapse/
mBioに発表された論文でUSDAの研究者らが、植物病原体であるタバコ輪点ウイルス(TRSV)がミツバチに感染していることを報告した。ミツバチが植物の病気を伝搬することはこれまでも知られていたが、ミツバチ自身とミツバチに寄生するダニにも感染するという報告は初めて
Systemic Spread and Propagation of a Plant-Pathogenic Virus in European Honeybees, Apis mellifera
Ji Lian Lia et al.,
http://mbio.asm.org/content/5/1/e00898-13

  • 炭水化物は「あなたの脳を破壊する」か?

Healthy Evidence
Are carbs "destroying your brain"?
https://healthunlocked.com/healthyevidence/posts/130454883/are-carbs-destroying-your-brain
David Perlmutterの‘Grain Brain: The Surprising Truth About Wheat, Carbs and Sugar – Your Brain’s Silent Killer’についての話題。2013年9月発売
Timesがこの医師の書いた本を宣伝。認知症の原因は炭水化物の摂りすぎと健康によい脂肪の摂らなさすぎという主張。ベストセラーになっている。PerlmutterはDr. Ozの医療アドバイザーでハーバード始め各大学で講義も行っている。論文も書いていて学会賞の受賞歴もある。アマゾンのカスタマーレビュー920件。全粒穀物も含めて炭水化物は悪いと言っているようだ。
業界は反論している
(最近こういうのが流行らしい。)

  • 親になる予定の人は自宅出産のリスクを考えるべき

Parents-to-be warned to consider risks of home births
Thursday, January 23, 2014
http://www.irishexaminer.com/world/parents-to-be-warned-to-consider-risks-of-home-births-256185.html
Journal of Medical Ethicsにオックスフォード大学の哲学科Julian Savulescu教授とメルボルン大学産婦人科Lachlan de Crespigny准教授が自宅での出産は問題がおこると病院への移送が遅れ一生障害が残ることがある。研究では死亡リスクが増加することは示されているが酸素不足による認知機能の問題は学校に行くようになって初めてわかることもある。