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ビオチンの食事摂取基準についての科学的意見

Scientific Opinion on Dietary Reference Values for biotin
EFSA Journal 2014;12(2):3580 [24 pp.]. 24 February 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3580.htm
欧州委員会からの要請を受けて、食品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)はビオチンの食事摂取基準を導出した。ビオチンは脂肪酸の合成・分枝鎖アミノ酸の異化・糖新生で重要な役割を果たすいくつかのカルボシキラーゼの補因子である水溶性のビタミンである。食事からのビオチン不足はまれである。ビオチン摂取や状態のバイオマーカーのデータはビオチンの必要量決定に使用するには不十分である。ビオチン摂取と健康影響についての入手可能なデータは極めて限定的で、ビオチンのDRVs導出に使用できない。平均必要量と集団基準摂取量を導出するために入手できる証拠が不十分なので、適正摂取量(AI)が提案された。EUでは欠乏の兆候は全くなく現在の摂取量が適切だと考えられるので、いろいろな食事で観察されているビオチン摂取に基づいてAIを設定した。成人のAIは40 µg/日に設定した。成人のAIは妊婦にも適用される。授乳中の女性には、母乳からのビオチン損失を補うために成人のAIに1日5 µgのビオチン追加を提案した。6か月以上の乳児には、エネルギー代謝におけるオチンの役割を考慮して相対成長率を使用し、各年齢集団の体重を参照して0-6か月の母乳だけで育てられた乳児のビオチン摂取から外挿し、6 µg/日のAIを提案した。EUで観察された摂取量に基づき、1–3 及び4–10歳の子供のAIsはそれぞれ20 と25 µg/日に、青年には35 µg/日を設定した。