食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 温暖化する世界にはより多くのオリーブ

ScienceShot: More Olives in a Warming World
24 March 2014
http://news.sciencemag.org/climate/2014/03/scienceshot-more-olives-warming-world
新しい研究によると、オリーブ農家は世界が暖かくなることで収量が増えるだろう

  • 科学者が飽和脂肪についての議論の多い論文の間違いをなおす

ScienceInsider
Scientists Fix Errors in Controversial Paper About Saturated Fats
24 March 2014
http://news.sciencemag.org/health/2014/03/scientists-fix-errors-controversial-paper-about-saturated-fats
3月17日に魚油や植物油が肉やバターの油より健康的かどうかについて疑問を提示する論文が発表されると、世界中のニュースになった。この研究がこれまでの多くの食事ガイドラインの基礎を否定するように見えたから。しかしその後Annals of Internal Medicineのウェブサイトに修正版が投稿され、主著者は結論は変わらないとしているものの多数の科学者が批判し、一部は取り下げも求めている。Harvard School of Public Healthの栄養学部Walter Willettは「これは大きなダメージになった」と言っている。
この研究では72の個別研究のメタ解析を行って飽和脂肪の摂取量が最も高い人と最も少ない人の間に心疾患などのリスクに明確な差がなかった。著者らは「現在の根拠は、多価不飽和脂肪酸を多く、飽和脂肪酸を少なくするようにというガイドラインを明確に支持するものではない」と結論した。しかし論文が発表される前から他の科学者は間違いを指摘しはじめた。たとえばオメガ3脂肪についてのある研究を負の効果があるととりあげているが実際にはその研究は正の効果を示している。またオメガ6に関する重要な2つの論文が含まれていない。また飽和脂肪を減らした分何を食べたかについても検討していないという批判がある。飽和脂肪を炭水化物に代えてもメリットはないが多価不飽和脂肪に変えればメリットがある。著者の一人であるEmanuele Di Angelantonioは、この論文の主な問題はメディアに間違って解釈されたことである、という。「我々はガイドラインが間違っているなどとは言っていないし、飽和脂肪をいくら食べても良いとも言っていない。我々が言っているのはガイドラインを支持する強い根拠はなく、もっとしっかりした試験が必要だ、ということである」。

  • 喫煙者の味蕾は壊れているかもしれない

Smokers’ bitter taste buds may be on the fritz
New York / Heidelberg, 24 March 2014
http://www.springer.com/about+springer/media/springer+select?SGWID=0-11001-6-1458642-0
Chemosensory Perception.に発表された新しい研究によると、喫煙者やかつて喫煙していたヒトはカフェインの苦味を知覚できない可能性がある。喫煙やタバコに含まれる有害物質が味覚障害を引き起こすことは既に知られているが禁煙で完全に回復するのか、回復にどのくらいかかるのかについてはよくわかっていない。著者らはParisian病院のスタッフ451人の基本4味の試験を行い、喫煙者、非喫煙者、過去喫煙者に分類した。喫煙は塩味、甘味、酸味に影響しないが苦味に影響した。低濃度の苦味を正確に同定できなかったのは非喫煙者は13.4%、喫煙者は19.8%、過去喫煙者は26.5%。

  • テレビゲームと子どもの攻撃性−専門家の反応

SMC
Video games and aggression in children – experts respond
March 25th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/03/25/video-games-and-aggression-in-children-experts-respond/
JAMA Pediatricsに発表された、シンガポールの3000人の子どもたちを3年フォローした研究で、暴力的ゲームを頻繁にプレイした子どもはプレイしない子どもより攻撃的な考え方をして現実の生活で暴力を振るうことが認められると考えやすいことが報告された。
UK SMCが専門家のコメントを集めた
Cambridge大学リスクの理解に関するWinton Professor 、David Spiegelhalter教授
この研究は関連を示したもので因果関係を示すことはできない。もともと暴力的な子どもが暴力的ゲームを好む可能性が考慮されていないようだ
Oxford 大学Oxford Internet Institute実験心理学者Andrew Przybylski博士
この研究はいくつかの欠陥がある。関連の程度がわからない。
University College London 統計学Patrick Wolfe教授
この研究は生徒の自己申告によるもので90%以上の子どもはゲームをしていてゲームの暴力性の程度についての情報がない。暴力行動について評価したのではなく暴力的行動についてどう考えるかの質問票への回答をもとにしていることに注意が必要。この研究からゲームが暴力的行動に影響すると結論することはできない

Natureニュース
Electronic cigarettes ‘don’t aid quitting’, study says
Daniel Cressey
24 March 2014
http://www.nature.com/news/electronic-cigarettes-don-t-aid-quitting-study-says-1.14918
しかし一部の研究者は時期尚早と主張
JAMA Internal Medicineに発表された研究で、電子タバコを使ったヒトと使わないヒトの禁煙成功率に差がなかった。この発表で電子タバコを巡る議論が再燃。
(タバコは吸い始めないのが吉)