食品安全情報blog過去記事

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その他

Natureニュース
Tamiflu report comes under fire
Declan Butler
22 April 2014
http://www.nature.com/news/tamiflu-report-comes-under-fire-1.15091
4月10日にコクラン共同計画が発表したタミフルリレンザに有用性はあまりないという報告について、多くのインフルエンザ研究者が反論している。このレビューはBMJとコクランによる5年間の医薬品企業による未発表臨床試験データをレビューに使うキャンペーンで得られた最初の解析のひとつである。RCTは医薬品の有効性を確立するゴールドスタンダードではあるが企業が認可のために使った季節性インフルエンザの予防についての小規模臨床試験データでは重症合併症などは滅多におこらなく、パンデミック時にはあてはまらない。観察試験も重要なデータとなり死亡率を減らしたという報告もあるがコクランはそのポリシーにより観察試験は取り上げない。
(さすがに新型インフルエンザパンデミックへの有効性はRCT無理なのでは。)

  • 日焼けマシンは健康的なのか?

Could Indoor Tanning Be Healthy?
by Berkeley Wellness | April 22, 2014
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/could-indoor-tanning-be-healthy
何百万人ものアメリカ人が一年中日焼けを維持するために、そしてビタミンDを得るために日焼けマシンや日焼けランプを使っている。数十億ドルの日焼けマシン業界が日焼けは健康的だとあなたに思わせたがっている。彼らは米国皮膚科学会やがん学会を批判しロビー活動を活発に行っている。最近はUVランプの宣伝にビタミンDを使っている。
事実として紫外線には発がん性があり日焼けはすべきではない。ビタミンDは必須であるが日焼けランプを使う必要はない。最も良いのは食事から摂ることである。日焼けマシン業界がお金を出して宣伝させているウェブサイトに注意。

  • 一日一個のリンゴとその他の神話

NYTIMES
An Apple a Day, and Other Myths
APRIL 21, 2014 George Johnson
http://www.nytimes.com/2014/04/22/science/an-apple-a-day-and-other-myths.html?ref=science&_r=1
本屋やインターネットをうろつくとがんを予防することは食べるものに注意することであるかのようだ。いくつもの情報源が「スーパーフード」のがん予防パワーを宣伝している。しかしそのような栄養に関するお話と科学の間には断絶がある。過去20年間に食品とがんの関連は次々に砕け散った。今月18500人以上の科学者が集まる巨大なイベントである米国がん学会年次会合が行われ、食事とがんの話題はポスターセッションひとつだけに格下げになり聴衆もまばらだった。今確実に言えることは肥満をコントロールすることが重要であること、アルコールを飲み過ぎないことに明確な利益があることだけで、よほどの栄養不良でない限り特定の食品の影響は小さすぎて簡単にノイズに紛れる。この状況は、世界がん研究財団とアメリがん研究所が電話帳ほどの厚さの野菜や果物ががんを20%以上減らせると結論した報告書を発表した1997年とは全く異なる。この時著者らはブロッコリーやキャベツやスプラウトで大腸がんや甲状腺がんが予防できる、ニンニクやトマトやニンジンなども期待できると主張していた。しかし2007年のフォローアップでは全てが逆転した。一部の作物に僅かなメリットがある可能性はあるものの、著者らは「がん予防効果が明確なものはひとつもない」と結論した。
変化の主な理由は疫学で、初期の研究は後ろ向きだったが後に前向き研究でひっくり返されている。ハンバーガーの発がん性はあったとしても弱い。集団レベルで意味があっても個人のレベルではほぼ問題にならない。最も厳格な試験であっても交絡因子の補正は難しい。がん学会の注目は別の分野に移った。「食生活とがんの関係は想像していたより複雑で難しい」がん学会のレセプションには分厚いローストビーフやチーズやワインも提供されていた。がんについて最大の成果はタバコ対策であった。今や課題は肥満になりつつある。脂肪を食べることではなく、肥満であることが。
(君子豹変。理性メインの研究者はデータ見ると納得するけれど情動で動く一般人はいつまでもしがみつく
こういう古い情報をいつまでも有り難がるんだから
http://www.tbs.co.jp/f-hakken/bknm/20130216/p_5.html

  • オーガニックマミーマフィアの圧政

NYPOST
The tyranny of the organic mommy mafia
April 19, 2014 By Naomi Schaefer Riley
http://nypost.com/2014/04/19/the-tyranny-of-the-organic-mommy-mafia/
最近マジソンの高級住宅街に引っ越した友人が先週私に電話で「子どもにオーガニックでない食品を与えたらママ友から仲間はずれにされる?」と尋ねた。公園や学校で、オーガニックしか食べちゃダメという人たちがいる。子どもにオーガニックでないものは何一つ触らせないという母親がいてつきあいきれないという話も聞く。彼女らは自分の家族をコントロールするのに飽きたらず、他人の(あなたの)生活にも布教活動をする。
保護者へのオーガニック食品しか使ってはならないという圧力はヘリコプターペアレント(常に子どもを監視していないと気が済まない子育て)の副産物で、子どもに関することは全てコントロールしないといけない−食品の栽培法から取り扱いまで。母親は罪悪感を感じている。何かが完璧ではなくても、少なくとも食品はベストなものを与えていると考えることで自分を許せる。オーガニック食品企業はこの態度を歓迎している。しかしオーガニックは必ずしも「より良い」ものではない。最近のAcademics Reviewの報告によれば「消費者は食品の安全性と栄養と健康についての間違った認識により高価なオーガニック食品に何兆ドルも費やしている。オーガニック部門の売り上げを伸ばしているのは農薬やホルモンや抗生物質GMOなどに対する認識されている安全上の懸念である」USDAはオーガニックだろうと慣行栽培だろうと食品の安全性を確保している。
(マミーマフィアということばが「子どものこと以外話さないサッカーママ」と説明されていた。いろんなバージョンがあってオーガニックはその一変異種らしい。「子どものため」と言ってるときの女性は銃より恐ろしい、だって。不安なんだよね、危険だ信じるなという情報に絡め取られて。)