食品安全情報blog過去記事

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GMOについての最高裁判所の決定−専門家の反応

SMC
High court decision on GMOs – experts respond
May 23rd, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/05/23/high-court-decision-on-gmos-experts-respond/
遺伝子組換え生物とは何か?ニュージーランドの法体系は新しい技術に直面してこの問いに苦労していることが新しい判決で明らかになった
Crown研究財団が1型ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN-1)と転写活性化因子様エフェクターTALEsによる新しい技術を用いて松の系統を開発する計画がある。どちらも細胞のゲノムに外来の遺伝子を導入することなく生物の遺伝コードを変化させる技術である。2012年にScionがEPAにZFN-1 とTALEsを用いて作った木はGMOかどうかを決めるよう依頼し、EPAはそれはGMOではないと判断した。しかし今回の最高裁の決定はそれを覆した。裁判所の決定はこれらは遺伝子の修飾はないがHazardous Substances and New Organisms Act 1996により規制されるべきだというもので、この法は異なる解釈ができるため「良く書かれていない」と加えた。
SMCは専門家の意見を集めた。
オタゴ大学遺伝学Peter Dearden准教授
この判決はニュージーランドの「遺伝子組換え生物」の法的定義に問題があることを示す
ほとんどの植物の品種は遺伝子変異により開発されてきた。これまで放射線や化学物質を使ってDNAに無作為に傷をつけてきた。これらは遺伝子組換えとは呼ばれない。一方でDNAに何の変更もない新しい方法を裁判所が遺伝子組換えだと判断した。この判断は農業に影響を与える。
AgResearch科学グループリーダーTony Conner博士
生物の遺伝子を変える方法は60-70年普通に使われてきた。洗練され新しい方法が開発され、法ができたときに比べてGMOと非GMOの差ははっきりしなくなった。裁判所の判断はさらに事態を曖昧にした。裁判所の決定はニュージーランドGMO規制体系が破綻していることを示す。
Massey大学分子遺伝学Barry Scott教授
解決方法は規制を変えるしかないだろう