食品安全情報blog過去記事

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食物と飼料の安全性リスク評価における専門家知見導出に関するガイダンス

Guidance on Expert Knowledge Elicitation in Food and Feed Safety Risk Assessment
EFSA Journal 2014;12(6):3734 [278 pp.]. 19 June 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3734.htm
定量的リスク評価はリスク管理者の意志決定を容易にする。EUでは食品と飼料のリスク評価はEFSAの責任である。定量的リスクモデルには系統的にレビューされた科学的根拠が必要であるが、実際には実証的根拠はしばしば限定的で、そのような場合には専門家の判断が必要になる。心理学研究によると、リスクモデルに必要な量についての、補助のない専門家の判断は、特に不確実性が大きいとしばしば偏り、価値が限定されることが示されている。従ってできるだけバイアスがないように専門家の知見を導出する方法が開発されている。2012年にEFSAの任務に適した専門家知見導出ガイダンスを開発するためのワーキンググループが設定された。その成果であるガイダンスは「専門家知見導出」を、最初にリスク評価の問題点を定義することから始まり、導出の準備(つまり専門家や使う方法を選ぶ)、そして導出、文書としてまとめることに至るプロセスとして提示した。これらの各段階を管理する責任者を同定している。次に三つの詳細プロトコールとその欠点や長所を吟味している。そして専門家知見導出の大きな課題を克服するための基本原則を加え、最後にいくつかの助言を行っている。