食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ニセ医者が20ヶ月の拘留

Fake doctor receives 20-month sentence
By: Jennifer Jensen
Posted: 9:29 PM, Jun 17, 2014
http://www.10news.com/news/fake-doctor-receives-20-month-sentence-06172014?autoplay=true
ライム病を「治療」していた医師免許をもたないKathleen Helms 57才が再び逮捕された。患者は彼女を「代替医療の最前線」にいるとみなしていた。2012年に逮捕されたときはFBIの陰謀だと主張しその後Sandee Boykoと名前を変えて医療行為を続けていた。
患者の1人はそもそもライム病ではないがドイツから輸入したウシの幹細胞を静脈注射されて症状が悪化していた。しかも高額。ナチュロパスでハーバリストを称している。

  • 雑誌編集者で医療制度の批判者であったArnold Relman博士91才死亡

NYT
Dr. Arnold Relman, 91, Journal Editor and Health System Critic, Dies
By DOUGLAS MARTINJUNE 21, 2014
http://www.nytimes.com/2014/06/22/us/dr-arnold-relman-outspoken-medical-editor-dies-at-91.html?_r=1
1979年から23年間 The New England Journal of Medicineの編集に携わったArnold Relman博士が91回目の誕生日に死亡した。妻によると死因は悪性黒色腫
Dr. RelmanはAmerican Federation for Clinical Research,とAmerican Society of Clinical Investigation と Association of American Physiciansの3つの学会の長を努めた。そのような人は彼のみ。
彼はアメリカの医療制度が病気の治療より金儲けのほうを気にかけていると批判してきた。彼の批判は旧来の医薬品企業に留まらず、金儲け目的に病院や療養施設、試験検査ラボなどの新興医療サービスに対しても向けられた。民間医療サービスは患者が必要なものではなく、儲かるものを売っている。彼は彼の主張した医療制度改革は政治的には不可能であろうと認識していたが、より多くの人を医療保険対象にするオバマケアは歓迎した。
雑誌の編集においては著者に資金関係の情報開示を求めた

  • 海外に住むウイルス学者がYouTubeを使ってエジプトの装置の背景にある「疑似科学」に挑戦

ScienceInsider
Expat virologist takes to YouTube to challenge 'pseudoscience' behind Egyptian devices
By John Bohannon 30 June 2014
http://news.sciencemag.org/health/2014/06/expat-virologist-takes-youtube-challenge-pseudoscience-behind-egyptian-devices
今年初め、エジプト軍の技術当局が、触ることすらなくあらゆるウイルス感染を検出できる片手で持てる装置と、患者の血中ウイルスをきれいにできるという装置を発表した。この二つの装置によるエジプトの患者の広範な治療が今日から始まることになっていたが、土曜日に軍の事務所が6ヶ月延期と言った。この決定は何ヶ月もの議論の結果である。政府によるとこの治療法は自宅でAIDSを消すだけでなくC型肝炎も消せる。エジプトは世界でもC型肝炎罹患率が高い、しかしこの装置があれば治療だけでなく外国人患者がエジプトに集まってくるので富をなすことすらできる。西洋の科学コミュニティはこの装置を馬鹿馬鹿しい疑似科学だと嘲笑しているがエジプトの科学者は沈黙を守っている。エジプト軍はジャーナリストを含む批判者に対して厳しい罰を下す。しかし外国に住むエジプトの科学者が動画を作り、YouTubeで10万回以上再生された。アラビア語での80分にわたるパワーポイントプレゼンテーションであることを考えると非常に多い閲覧数である。作者のIslam Husseinは、エジプトの他の多くのトップ科学者同様、国を離れている。ケンブリッジ大学ででウイルス学の学位をとり、米国MITでトリインフルエンザの研究をしている。以下インタビュー
装置の名称はC-FAST とComplete Cure Device [CCD]。C-FASTはアンテナがついていて500メートルも離れたところから感染患者がわかるという。しかも電源がいらない、動力源は人体の静電エネルギーで、アンテナが感染者の発する電磁波を検出するという。CCDは透析装置のような見た目で患者の血液をポンプでひいて軍の機密である謎の放射線を出す特別なチューブに通すことでウイルスを殺しそれから血液を人体に戻すという。どちらも科学的根拠は示されていない。
(写真
http://mashable.com/2014/02/26/egypts-miracle-hiv-device/
C-FASTというのはかつて米国で隠された兵器を発見する装置として販売されてFBIが詐欺認定したQuadro Trackerと似たようなものらしい。ダウジングの仲間。)

  • GMOについての妥協点

A Middle Ground on GMOs
June 27, 2014
By Jerry Rogers
http://www.realclearpolicy.com/blog/2014/06/27/a_middle_ground_on_gmos_990.html
これまで、食品の遺伝子組換え表示を求める50法案が約30州で提案されている。3州が表示要求を可決した。コネチカットメイン州は他の州が同様の義務を課せば発効する法律を通し、バーモント州は先月署名し2016年7月に発効する。他の多くの州が続き、米国のフードシステム全体をひっくりかえす可能性がある。
なぜこんなに活動が活発なのだろう?これは50の州ごとに違う体制を作ることで「1000回切って殺す」キャンペーンである。活動家の目標は彼らが言うような「消費者の知る権利」や「選択の自由」ではなく、GMOを市場から追い出すことである。活動家が勝利すればアメリカ人の選択肢は減り食糧価格は上昇し州毎の食品ポリスが監視するようになるだろう。彼ら自身がそういっている。Friends of the Earth EuropeのGeert Ritsemaは「もし表示が義務化されれば、誰が売ろうとするだろう?」と言い放った。代替医療推進者のJoseph Mercolaは「GM食品は完全に禁止すべきだ。そのためには表示要求が最も効率が良い」という。ベテラン活動家のRonnie CumminsはEUの表示法とスーパーマーケットチェーンへの圧力キャンペーンがGMOにとって致死的打撃になった、という。
GMOに関する科学については議論の余地はない。過去30年にわたる研究で安全上の問題があるという根拠は見つかっていない。GMOは今やアメリカ人の食事の60-70%に含まれる。
現在Mike Pompeo と G.K. Butterfieldにより食品表示についての連邦基準が提案されている。しかし反GMO活動家はこれに反対している。