食品安全情報blog過去記事

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福島第一原子力発電所事故は原子力施設のハザードについての新しい情報を積極的に探して対応することの重要性を強調する、とNASの報告書は言う

Fukushima Daiichi Nuclear Accident Underscores Need to Actively Seek Out and Act on New Information About Nuclear Plant Hazards, Says New NAS Report
July 24, 2014
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=18294
議会に要請されたNASの新しい報告書は、2011年の福島第一原子力発電所事故からの包括的教訓は、核施設の認可を受けている事業者とその規制担当者は施設の安全性に影響する可能性のあるハザードについての新しい情報を積極的に探して対応しなければならないということであると結論した。この報告書を書いた委員会は日本の事故の原因を検討し知見を得て核施設の安全性の向上と米国における現地外での事故緊急対応について助言を行っている。
福島第一原子力発電所の事故は2011年3月11日の東日本大地震津波により始まった。地震により場外からの電源が断たれ津波が施設を浸水し現場の電力を消失させた。反応炉が痛み建物が水素爆発で壊れた。放射性物質が放出され福島県やいくつかの近隣の県を汚染し、広範な避難を促し人々に苦痛と膨大な経済的損失を与え、日本の全ての原子力発電所の停止に至った。
福島第一原子力発電所の職員はこの事故に勇敢にねばり強く対応し、彼らの対応が場外への放射性物質の放出を減らしたであろう。しかしながらマネジメントやデザインやオペレーションに関するいくつかの要因がより良い対応を妨げた。
米国や他国の核施設運営者や規制者は福島事故対応から得た教訓でシステムを向上させる対応をとることができる。
Lessons Learned from the Fukushima Nuclear Accident for Improving Safety of U.S. Nuclear Plants
http://www.nap.edu/catalog.php?record_id=18294
(日本の核の安全文化は事故前に確立・維持できていなかった。Regulatory capture(規制の虜)の状態にあった。事故前に原子力は完全に安全だと主張していたものが事故によりリスクについて話すようになった、等とまとめられている。もともとsafetyが「リスクが管理されていて許容できるレベル以下である」という意味であるにもかかわらず、まるでリスクがないことであるかのように扱われていたことが安全文化の欠如であるということ。これは原子力に限らない。医療でも食でも、安全文化が確立されているとは言い難い。)

  • ScienceInsider

福島報告書は米国の施設運営者に注意を呼びかける
Fukushima report urges U.S. plant operators to take heed
By Dennis Normile 24 July 2014
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2014/07/fukushima-report-urges-u-s-plant-operators-take-heed
NASの報告書は、福島第一原子力発電所の惨劇を招いた安全性についての自己満足の類を避けて、準備し対応しなければならないと述べている。