食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 喫煙する母親は子どものDNAを変えているかもしれない

Scienceニュース
Smoking mothers may alter the DNA of their children
28 July 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/07/smoking-mothers-may-alter-dna-their-children
新しい研究によると、妊娠中の喫煙は胎児に有害なだけでなく実際に子どものDNAを変異させているかもしれない。喫煙する母親の子どもは小さく肺機能不全があり先天性障害が多い傾向がある。成人になってからも健康や行動上の問題がある。このメカニズムがエピジェネティック変異である可能性がある。EHPに発表。

  • 毒だ毒だと騒ぐ人たちのせいで怖がらないように

dentalwatch
Don’t Let Poisonmongers Scare You
Stephen Barrett, M.D.
http://www.dentalwatch.org/fl/poisonmongers.pdf
水道水のフッ素添加を検討する地域にはいつでも大量の恐怖を煽るプロパガンダが押し寄せる。水道水のフッ素添加を支持する根拠はたくさんあるが彼らにとってはそれはどうでもいい。目的はフッ素添加を止めさせることで、何年もフッ素を添加してきた地域も狙われることがある。フッ素は天然にも存在するが彼らはそれを「毒」と呼ぶ。
約20年にわたる反フッ素活動はJohn Yiamouyiannis, Ph.D. (1943-2000)が主導してきた。専門家は彼をペテン師とみなしていたが一般の人には信頼できるように見えただろう。1985年にオハイオ保健省の専門家が彼の作ったパンフレットを解析した本を出している。このパンフレットにはフッ素の危険性と無効を支持するとされる250の引用文献があったが、オハイオのチームが中身を見ると半分はほとんどフッ素添加と関係のない文献で他の多くは実際にはフッ素添加を支持していたが選択的に一部だけを引用して間違った提示をしていた。Yiamouyiannisはワクチンにも反対しAIDSの原因はHIVではないという本も書いている。それにもかかわらず彼の支持者はYiamouyiannisを「真の誇りと誠実さをもつ人物」としている。

  • 代替とは何か?

Lancet
(書評)
What is the alternative?
Helen Bynum
Volume 384, Issue 9940, 26 July–1 August 2014, Pages 298
私の母は40代で多発性硬化症を発症し、何が起こっているのか知るためにやったことのひとつがホメオパスに相談することだった。彼はたったふたつのことしか助言しなかったことに感謝している−ひとつは基本的に正統派の医療を信頼すること、もう一つは感染症を避けることである。1980年代初期には多発性硬化症患者に通常医療ができることはあまりなかったが、彼の助言はヒポクラテスの「害をあたえることはしない」という主要規則に則ったものだと感じた。
しかしMarketplace of the Marvelous(本のタイトル)のプラクティショナーは必ずしもそうではないようだ。Erika Janik(本の著者)の患者は19世紀の北米で治療法を求めた。新世界は旧世界とは違う病気があり奇妙な治療法が溢れた。ハーネマンホメオパシーや骨相学やメスメリズム(催眠術)が輸入されたが米国では多くの奇妙な独自システムが生み出された。そのような環境でJanikは健康への最大の脅威が医師による治療−大量の出血や強力な薬物−だと示唆する。彼女はホメオパシーやハーブの方が良いと主張し、正統派の医師は患者を大事にしないという。代替医療の従事者は誇りをもっていてその反エリート主義はアメリカ社会のオープンな性質と相性が良い。19世紀の医師の鞄には限られた治療薬しかなく、医療の手の届かない女性を女性が世話することに意味があったのだろう。しかしプラセボより良い治療法がある病気について今の時代には同じことは言えないだろう。