食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 前立腺がんスクリーニング試験についての専門家の反応

SMC
expert reaction to prostate cancer screening trial
August 7, 2014
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-prostate-cancer-screening-trial/
Lancetの論文で著者らが、前立腺がんのスクリーニングは前立腺がんによる死亡を約1/5減らすことができるが、利益が有害影響を上回るかどうかには疑問が残るため定期スクリーニング計画は導入すべきでないと示唆した
Prostate Cancer UKの研究部長Iain Frame博士
全国スクリーニング計画で悪性度の高い前立腺がんを同定できるかどうかは関心の高いテーマである。この結果は驚くべきことではなく、危険ながんと害のないものを区別する必要性について再度強調する。信頼できる検査方法無くしてスクリーニング検査を導入することは膨大な過剰診断と過剰治療を生み、スクリーニングによるメリットをはるかに上回る害となる。
比較的安価で正確な診断法があればスクリーニングについて検討し始めることができるので、我々の研究はそれを目指している。それまでは、前立腺がんのリスクの高い人、つまり黒人、50才以上、家族歴のある男性は、PSA検査を受けるかどうかを医師に相談すべきである。

  • 水を汚染する不安薬が魚の死亡率を下げる

Water-polluting anxiety drug reduces fish mortality
7-Aug-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-08/iop-wad080614.php
ヒトによく使われ地表水からしばしば検出される抗不安薬オキサゼパムがユーラシアパーチの死亡率を下げることがEnvironmental Research Lettersに発表された。水棲生物の健康を増進することによって環境中の種のバランスに影響を与える可能性がある。既存の環境毒性試験は主に有害影響に焦点をあてているため、このことは試験系に影響するかもしれない。

  • 自家製検査には規制が必要

Natureエディトリアル
Home-brew tests need regulation
05 August 2014
http://www.nature.com/news/home-brew-tests-need-regulation-1.15669
米国が個々のラボによる医学的診断を規制する提案をしたことは歓迎すべき。
4月18日にCDCがライム病を診断するとする新しい試験法に警告を出した。この試験法は評価も認可もされていない。しかし規制の抜け穴があるためCDCは警告以外には何もできない。問題はライム病だけではない。がんからカンジダに至るまであらゆるものの診断や治療と称する何千もの「自家製」医学検査が監視を逃れている。
FDAは7月31日にこの分野を規制する計画を発表した。それについて企業や研究者から規制は開発を遅らせると反対の声が上がっているが、研究者はFDAから学ぶべきである。診断は精密かつ重要であり慎重に扱う必要がある。