食品安全情報blog過去記事

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ポリエチレンを含むプラスチック樹脂微粒子:皮膚洗浄や歯科ケア製品の使用による健康リスクは起こりそうもない

Polyethylene-containing microplastic particles: health risk resulting from the use of skin cleansing and dental care products is unlikely
3 January 2014
http://www.bfr.bund.de/cm/349/polyethylene-containing-microplastic-particles.pdf
ピーリング・シャワージェル・歯磨き粉のような化粧品のなかには、肌や歯に特に優しい洗浄効果があると宣伝されているものがある。このような製品は通常0.1~1 ミリメートル(mm)サイズのポリエチレン(PE)のプラスチック微粒子を含んでいることがある。
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) は化粧品からのPEプラスチック微粒子の皮膚吸収や意図しない経口摂取が健康リスクを引き起こすかどうかという問題を調査した。
ピーリングとシャワージェルに使われるプラスチック微粒子は1マイクロメートル(0.001ミリメートルに等しい)よりも大きい。この粒子のサイズから考えると、その製品の使用で健康なダメージを受けていない肌からの吸収は起こらない。
歯磨き粉のプラスチック微粒子は、うっかり飲み込んで経口摂取することがある。その分子のサイズから、粒子が消化管で吸収されることは想定されない。糞便と共に排出される可能性が高い。消化管を通るうちに、毒性学的に意味のある量のエチレンがプラスチック微粒子から放出されるとは考えにくい。
現在の知見に基づき、BfRはPEプラスチック微粒子を含む化粧品の使用は消費者に健康リスクを引き起こさないと結論した。
業者が提供した情報によると、PEに加えてポリウレタン・ナイロン・ポリプロピレン・エチレン酢酸ビニル共重合体が、それほど多くはないが化粧品のプラスチック微粒子として使用されている。BfRはそれらのプラスチック微粒子が使用されている製品に関する化学的性質・純度・サイズ分布・使用濃度の情報を持っていない。
ドイツ語フルバージョン
http://www.bfr.bund.de/cm/343/polyethylenhaltige-mikrokunststoffpartikel-gesundheitsrisiko-durch-die-verwendung-von-hautreinigungs-und-zahnpflegemitteln-ist-unwahrscheinlich.pdf