食品安全情報blog過去記事

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グリーンコーヒー豆製造業者は「重大な欠陥のある」減量研究に基づいて製品を宣伝したことでFTCに罰金を支払う

Green Coffee Bean Manufacturer Settles FTC Charges of Pushing its Product Based on Results of “Seriously Flawed” Weight-Loss Study
September 8, 2014
http://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2014/09/green-coffee-bean-manufacturer-settles-ftc-charges-pushing-its
Applied Food Sciences社は350万ドルを支払い、今後の宣伝は根拠がなければならない
テキサスのApplied Food Sciences社(AFS)はグリーンコーヒー豆抽出物について欠陥のある研究に基づく根拠のない宣伝を行って小売業者に販売し、小売業者はそれをそのまま使って消費者に最終製品を宣伝していたことでFTCに罰金を支払う。その研究は絶望的に欠点があり信頼できる結論は下せない。この研究はThe Dr. Oz Showで「体重と脂肪が減る」と宣伝された。
FTCによるとAFSは2011年にインドの研究者にグリーンコーヒー抽出物サプリメントであるグリーンコーヒー抗酸化物質(GCA)が過体重の成人の体重と体脂肪を減らすかどうかについて臨床試験を依頼した。この研究者は被験者の体重やその他の重要な値を何度も書き換え試験の期間を延長し試験中にプラセボを使用したのかGCAを使用したのかを誤記した。この研究はその研究者によっては論文として発表できなかったがAFSはScranton大学のJoe Vinson と Bryan Burnhamを雇って書き直しさせた。そしてこの研究をGCAが減量効果がある根拠として使用した。The Dr. Oz Showで取り上げられたことにはAFSは関与していないがそれを利用してさらに宣伝した。プレスリリースでは被験者は「運動も食事制限もなく」減量したと宣伝したが実際には食事制限と運動を指示されていた。

(この論文
Randomized, double-blind, placebo-controlled, linear dose, crossover study to evaluate the efficacy and safety of a green coffee bean extract in overweight subjects
Diabetes Metab Syndr Obes. 2012; 5: 21–27.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3267522/
これはかなり手が込んでいるが告発したFTCも偉い。
日本でも食品の宣伝のためにいい加減な試験をやる「研究者」やそれを無批判に取り上げるマスコミはよく見られるけれど、問題は消費者庁にはFTCのような能力はないってこと。消費者委員会なんかむしろ消費者を騙すのに荷担してないか?という・・)