食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 6.4兆カロリーが食品から減らされた

webMD
6.4 Trillion Calories Cut From Food Products
Sept. 17, 2014
http://www.webmd.com/diet/news/20140917/major-us-food-makers-cut-64-trillion-calories-from-products-report
新しい報告によると16の主要食品企業が米国の食品のカロリー削減誓約の目標を上回る削減を達成した。このカロリーカットは1人当たり1日78カロリーの削減に相当する。
American Journal of Preventive Medicineにオンライン発表。

Nydailynews
Battle brews over ingredients in Starbucks' Pumpkin Spice Lattes
Thursday, September 18, 2014
http://www.nydailynews.com/life-style/health/battle-brews-ingredients-starbucks-pumpkin-spice-lattes-article-1.1944315
人気の季節の飲み物が1人のブロガーによって炎上−しかしみんながこの飲料がそんなに悪いと思っているわけではない
Vani HariのFood Babeが火元
8月25日に「スターバックスのパンプキンスパイスラテに何が入っているか想像もできないだろう(ヒント:気分が悪くなる)」という記事を書きウイルスのように拡散して数日のうちにFacebookTwitterで1300万回以上シェアされた。この記事ではパンプキンスパイスラテは人体に属さない有毒化学物質の混合物であると主張する。「カボチャはどこ?」と彼女は書く。そしてカラメル色素や多分遺伝子組換えのミルクやたくさんの砂糖が成分という。
しかしニューヨークの栄養士で"The Small Change Diet"の著者であるKeri GansはHariの主張は言い過ぎであると考える。彼女はいつも人騒がせで彼女の指摘は科学コミュニティにより妥当と評価されたものではない。
Hariはこの2年ずっとスターバックスのあらゆる製品を批判し続けている。スターバックスは成分を公開していないので何度も問い合わせて成分表を手に入れた。その中にカラメル色素IVがあってHariがいうには発がん物質の4-MEIが入っている。DailynewsはFDAに尋ねたところ心配ないと回答した。Gansにとってパンプキンスパイスラテで最も心配すべきなのはカロリーで、グランデ1杯で380カロリー、脂肪13g砂糖49gが含まれることである。
しかしHariは流行を作り出す人で、スターバックスはDailynewsに対してカラメル色素の段階的廃止を検討していると語った。

  • Crestは歯磨きから有害なマイクロビーズを排除する

Crest to remove harmful microbeads from toothpaste
September 18, 2014
http://www.firstcoastnews.com/story/news/health/2014/09/18/crest-microbeads-toothpaste/15850189/
練り歯磨きに入っている小さな青いマイクロビーズはポリエチレン製で一部の歯科医が歯肉に詰まる可能性があるという。また環境影響の可能性についても指摘されている。Crest歯磨きのメーカーは消費者の嗜好にあわせて、マイクロビーズを製品から排除するという。
一方イリノイ州では2018年までに全てのマイクロビーズの販売を禁止する計画であり他の州も続くと考えられる。

  • ジャンクフード禁止はかえって子どもたちにとってジャンクフードを魅力的なものにするか?

Does banning junk food make it more alluring to kids?
Leah McLaren Special to The Globe and Mail
Published Thursday, Sep. 18 2014,
http://www.theglobeandmail.com/life/parenting/does-banning-junk-food-make-it-more-alluring-to-kids/article20669552/
Winston Churchill高校の17才のKeenan Shawが今週学校で禁止されている炭酸飲料を売ったことで停学処分になった。この若き起業家はロッカーに学校では禁止されているペプシを持ち込んで販売し、少しの利益を得てまた次のペプシを買っていた。校長はこの事業を好ましくないと考えて警告し、彼がそれに従わなかったので停学にした。
Shawはまさか停学になるとは思わなかったと言い、母親は決まりを守るのは大事だけれど停学は厳しすぎるのではという。一方で彼女は息子の企業家精神は喜んでいる。
今や学校で入手できる食品は昔より「健康的」になった。いろいろな食品が禁止されている。より健康的な環境にすべきだという理屈は理解できる。ただ何が「悪い」に分類されるのかは必ずしも明確ではない。ジャンクフードが不健康だと理解される文化に向かうべきだとは思うが美化すべきでも悪魔のように扱うべきでもない。

BBC
Slippery banana study wins Ig Nobel
19 September 2014
http://www.bbc.com/news/science-environment-29253796
今年のイグノーベル賞は何故バナナを踏むと滑るのかについての研究
日本、北里大学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/trol/7/3/7_147/_pdf
リンゴとオレンジの皮はバナナほど危険ではないことを示した。
(これも食品の安全性?)

  • 甘味料と糖尿病の関連に疑問が投げかけられる

ラジオニュージーランド
Doubt cast on sweetener diabetes link
Friday 19 September
William Ray, science reporter - william.ray@radionz.co.nz
http://www.radionz.co.nz/news/national/255005/doubt-cast-on-sweetener-diabetes-link
人工甘味料が糖尿病リスクを増やすという研究が世界中で見出しになったがニュージーランドの栄養専門家は警鐘を鳴らす理由はないという
有名な科学雑誌natureに発表された研究が、人工甘味料が腸内細菌を変えることで血糖値を上げると示唆した。研究したのは高用量の人工甘味料を与えられたマウスと7人のボランティアである。マウスと7人中4人が血糖が上がって腸内細菌が変化した。著者らはこれが人工甘味料が腸内細菌を変えて糖尿病リスクを上げる可能性があることを意味すると言う。これは世界中のニュースの見出しになったが、オタゴ大学のヒト栄養教授Jim Mannはこれは誇大宣伝だという。ヒトの試験はあまりにも少人数であり調べた甘味料のサッカリンは今は普通使われていない。「人工甘味料の歴史にはこの手の話がたくさんある。かつてサッカリンが主に使われていた時代に、膀胱がんをおこすと騒がれて消え去ったことを忘れられない。この論文もNatureに発表されてはいるがやがて泡となって消えるだろうと思っているが消えないかもしれない。しかし現時点ではこの論文からは何の結論も出せない」
ニュージーランド糖尿病協会のChris Batyは食事から人工甘味料を減らす前にもっと研究が必要だという。「私はこれで心配する必要はないと思う。私たちはこれまでも飲み物は水が一番だと言ってきた。どうしても心配なら水を飲めばいい。でもたった一つの報告を根拠に不安になる必要はないことは確か。」
オークランド大学の微生物学者Siouxie Wilesは腸内細菌が病気にどのように関与しているのかについてはこれからの研究だという。
海外の研究者らは大規模研究では人工甘味料と糖尿病の関連は見つかっていないと指摘している。
(ラジオニュージーランドは公共放送なのでまともな科学リポーターがいるのか)

  • 親が大卒だと子どもの食生活が良い

Kids eat better if their parents went to college
18-Sep-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-09/uobc-keb091714.php
ブリティッシュコロンビア大学の新しい研究によると大卒の両親の子どもは野菜を多く食べ砂糖を飲む量が少ない。ただし十分ではない。5-8年生の1000人に調査した結果。

Natureニュース
White House takes aim at antibiotic resistance
Sara Reardon
18 September 2014
http://www.nature.com/news/white-house-takes-aim-at-antibiotic-resistance-1.15962
政府は薬の過剰使用を予防する方法を探り感染症の新しい治療法開発を促進する

  • 世界の人口増加は今世紀止まりそうにない

World population unlikely to stop growing this century
Quirin Schiermeier
18 September 2014
http://www.nature.com/news/world-population-unlikely-to-stop-growing-this-century-1.15956
アフリカのベビーブームにより世界人口が2100年までに120億にまで押し上げる

専門家はびっくり:世界人口は増加し続ける
Experts be damned: World population will continue to rise
By Sarah C. P. Williams 18 September 2014
http://news.sciencemag.org/economics/2014/09/experts-be-damned-world-population-will-continue-rise
ワシントン大学の研究者らが近代的統計手法を用いて推定した結果をScienceにオンライン発表。2100年までに世界人口が90億から132億の間になる可能性は95%。

Outsmarting the placebo effect
Kelly Servick
Science 19 September 2014:
Vol. 345 no. 6203 pp. 1446-1447
Millennium Pharmaceuticals で医薬品研究をしていた分子生物学者Kathryn Hallは2005年に手根管症候群鍼灸師のオフィスにいったとき、なんて馬鹿なことをしているのだろうと考えていた。しかし鍼で症状が出なくなって、プラセボ効果を研究するようになった。そして彼女の研究がプラセボ効果の程度とある遺伝子の関連についてで、これがBiometheusという企業のベースになった。この会社のGunther Winkler CEOは臨床試験においてプラセボ効果を予想しコントロールするツールを提供することを希望している。
プラセボ効果は医薬品の開発において非常に厄介なもので、特に痛みや鬱やその他精神的疾患だとニセの治療の効果を上回るのが難しい。Hallの仮説は単純で、プラセボ応答はドパミン放出と関連し、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)のタイプにより反応が異なる。スウェーデンの研究者はCOMTではなくセロトニン生産遺伝子が関連すると報告している

  • コロンビアでコーヒー科学者たちが強く求める:耐性を!

Scienceニュース
In Colombia, coffee scientists urge: Viva la resistencia!
By Aleszu Bajak 18 September 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/09/colombia-coffee-scientists-urge-viva-la-resistencia
先週コロンビアで開催された第25回国際コーヒー科学会で盛んに議論されたのは、コーヒー赤サビ病あるいはroya対策である。この最も壊滅的なコーヒーの病気はラテンアメリカに打撃を与えている。対策の最優先は耐性品種であるが開発には時間とお金がかかる。もう一つは病原菌の理解である。

  • シリアのはしか予防接種キャンペーンで16人の子どもが死亡

Sixteen children in Syria die in measles immunization campaign
By Leslie Roberts 18 September 2014
http://news.sciencemag.org/health/2014/09/sixteen-children-syria-die-measles-immunization-campaign
2才以下の16人がシリア北部の対立派占有地域でのはしか予防接種注射後に死亡した。さらに最大50人が病気になっている。WHOは詳細は不明としながらも現時点でははしかワクチンの代わりに強力な筋弛緩剤が投与された「非常にまずいヒューマンエラー」のようだとしている。この悲劇はシリアでの全ての予防接種の努力を台無しにしてしまう。
WHOとUNICEFは調査チームを送ったが今はまだ二次情報に頼っている。原因が確認されるまで噂が飛び交うだろう。各種の報道機関がテロや政治的対立による計画を主張している。