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専門家向けファクトシート 減量用ダイエタリーサプリメント

Dietary Supplements for Weight Loss
Reviewed: October 28, 2014
http://ods.od.nih.gov/factsheets/WeightLoss-HealthProfessional/
このファクトシートは減量用ダイエタリーサプリメントについて、いくつかのよく使われている成分の安全性と有効性に関する研究の要約を含む、情報を提供する。
米国成人の2/3以上、子どもや青少年の約1/3が肥満または過体重で、過体重のヒトの45%、肥満のヒトの67%が減量しようとしている。
健康の専門家は、健康的な食生活パターンに従って摂取カロリーを減らし運動することを含むライフスタイルの変更が長期減量達成のための基本であることに合意している。しかし食生活やライフスタイルの変更が困難であるために、もっと簡単に減量しようと期待して多くの人々が減量用と宣伝されているダイエタリーサプリメントを使っている。
米国では減量用サプリメントの使用は非常にありふれたことで、成人の約15%は人生のうちのどこかで減量用サプリメントを使用したことがあり、男性(9.7%)より女性(20.6%)が多い。アメリカ人は年に約20億ドルを錠剤型(錠剤、カプセル、ソフトゲルなど)の減量用ダイエタリーサプリメントに費やし、ダイエタリーサプリメントを使用する理由のトップ20のうちの一つが減量である。
痩身用と宣伝されているダイエタリーサプリメントにはカプセル、錠剤、液体、粉末、バーなどいろいろな形のいろいろな製品がある。製造業者はこれらの製品について、栄養の吸収・食欲・体脂肪を減らす、代謝・熱産生を上げるなど様々な宣伝をする。平均的製品は成分が10種類ほどだがなかには96種類の成分を含むものもある。よく使われるのは植物(ハーブやその他植物成分)、食物繊維、ミネラルである。
米国会計検査院はその報告書で「減量用サプリメントの効果についてはほとんどわかっていないが一部のサプリメントが身体への悪影響に関連することは報告されている」と結論している。多くの減量用サプリメントは高価で、一部の成分はある種の医薬品と相互作用する。従ってダイエタリーサプリメントを使う前に、各成分について何がわかっていて何がわかっていないのかを検討することが重要である。
減量用サプリメントを使いたいと考えている人はその製品のリスクとベネフィットの可能性について医療従事者に相談すべきである。特に高血圧や糖尿病、心疾患などの持病がある人にとっては重要である。しかし全国調査によると減量用サプリメントを使用している米国成人の1/3以下しかそのことについて医療専門家に相談していない。
減量用ダイエタリーサプリメントの規制
FDAは減量用ダイエタリーサプリメントを1994ダイエタリーサプリメント健康教育法により規制している。他のダイエタリーサプリメント同様、減量用ダイエタリーサプリメントは医薬品とは異なり市販前の評価や認可は必要がない。安全性と表示について責任があるのは製造業者である。FDAはあるサプリメントが安全でないことを発見した場合には自主回収を求めることがある。また根拠のない宣伝についてはFDAとFTCが規制する場合もある。FDAはダイエタリーサプリメントに医薬品成分が含まれることを認めていないし製造業者はダイエタリーサプリメントに疾患の診断・治療。予防効果を宣伝してはならない。
減量用サプリメントに良く含まれる成分
減量用ダイエタリーサプリメントには多様な成分が含まれるがそれらの成分についての科学的情報の量は相当異なる。ある場合には宣伝されている効果はヒト臨床試験ではなく動物実験や実験室での結果から推測したもので、ある場合には根拠とされる研究の質が低い。ほとんどの場合特定成分の安全性と有効性に関する研究は足りない。
複数成分からなるサプリメントの場合解釈は困難でさらにサプリメントに使われる有効成分の量は製品により大きく異なる。さらに製品の組成は論文で説明されているとは限らない。
表1によく使われている成分の安全性と有効性に関する知見を簡単にまとめた。
以下個別説明
ビターオレンジ、カフェイン、カルシウム、キトサン、クロム、フォルスコリン、共役リノール酸、エフェドラ、ガルシニア、グルコマンナン、グリーンコーヒー豆抽出物、緑茶および緑茶抽出物、グアガム、フーディア、ピルビン酸、ラズベリーケトン、白インゲン豆、ヨヒンベ
(略)
安全性について
全てのダイエタリーサプリメント同様、減量用ダイエタリーサプリメントには副作用や医薬品との相互作用がある可能性がある。サプリメントの成分についてよくわかっていないだけでなく組み合わせによる影響も調べられてはいない。またFDAとFTCは減量用サプリメントの詐欺的宣伝文句と別の薬物や有害物質が混入されている可能性について注意するよう警告している。
FDAのサイト参照)
減量のための賢明な方法
このファクトシートが示すように、ダイエタリーサプリメントを使用することで減量できることを支持する根拠は決定的ではなく説得力がない。しかも費用は相当かかる。減量のための最良の方法は医療専門家の助言に従って健康的な食生活を取り入れた方法である。BMIが高く他の健康リスクがある一部のヒトにはFDAが認可した処方薬や手術などの治療法が医師により提供されるだろう。国立研究機関の体重コントロール情報ネットワークは体重管理に関するいくつかの役にたつ出版物を提供している。
Weight-control Information Network
http://win.niddk.nih.gov/index.htm