食品安全情報blog過去記事

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管理者・作業者・居住者・近傍者のための農薬暴露評価に関するガイダンスのFAQ

FAQ on Guidance on the assessment of pesticide exposure for operators, workers, residents and bystanders
23 October 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/faqs/faqpesticideexposure.htm
ガイダンス文書は何をするのか?
EFSAは管理者・作業者・居住者・近傍者のための農薬暴露によるリスクを評価するための最初の統一した方法論を開発した。ガイダンスはこれらの重要な集団グループの農薬への食事以外からの暴露を計算するための一般的なアプローチを制定する。EFSAは1回マウスをクリックするだけで暴露評価を計算する利用しやすいソフトウエアツールを開発した。

EFSAはなぜ現在のガイダンスを開発したのか?
このガイダンスは管理者・作業者・居住者・近傍者のための農薬暴露を評価するために2007年から2010年までのEFSAのかつての作業に基づいている。2014年10月に発表された文書は2010年にこの問題に関する最初の科学的意見の発表の後で欧州委員会と加盟国に生じた問題を取り扱っている。

このガイダンスはどのように使用されるのか?
このガイダンスは作業や化学物質が使用される地域への物理的な近さ(居住・職場・登校の場所)による暴露するリスクを計算することでEUリスク管理者や企業申請者の役に立つだろう。このガイダンスは、主に吸入や皮膚からの吸収だが、手から口への移動を経由した摂取にも由来する食事以外の農薬暴露を評価する。

どの集団グループがガイダンスに含まれるのか?
ガイダンスは主に4グループを含む:
・管理者―農薬の利用に関連した活動をする農業の専門家、すなわち機械に農薬の材料を入れて混ぜ、管理、清掃、空にして設備の修繕などをする。
・作業者―作業の一部として事前に農薬を扱う領域に入る人、農薬処理された穀物を取り扱う人。
・居住者―暴露を減らすために特別服を着るような保護手段をとることなく農薬が使用される地域の近くに住む人、働く人、学校に通う人。この暴露は長期間に及ぶ恐れがある。
・近傍者―保護手段を取らずに農薬を扱う領域の中、あるいは近くにいる人。暴露は短期間である可能性が高い。

リスク評価者、農薬会社、研究者はどうやってこの方法を使用できるのか?
EFSAは新方法論に即した暴露評価を行う使いやすい計算器を開発した。このツールはパソコンのマウスを一回クリックすることで簡単な暴露評価を行う、複数情報源から集めた正確なデータを利用する。農薬の名前、剤型(液体や顆粒など)、扱う穀物と散布方法など重要情報を入力することで、計算機はそれぞれ4つの集団グループの特定状況に基づく食事以外の暴露のリアルタイムの概算を提供する。それから農薬への許容暴露のガイダンスレベルと暴露評価を比較する。そして暴露がこの値より上か下かを示す。

その方法論の大まかな原則は何か?このガイダンス文書は農薬が適正農業規範に即して使用されるときに生じる現実的な高い暴露状況を考慮した4段階のリスク評価アプローチの概要を述べている。

1. 4つの集団グループのどれが暴露される可能性があるか、それが長期あるいは短期の健康リスク−つまり急性または慢性かを特定する。
2. 高い安全係数を組み込んだ標準初期、あるいは第一段階の暴露評価を行う。これは暴露したグループ(管理者、作業者など)と2つ以上の活動(たとえば混ぜて噴霧すること)からの暴露の合計が必要かどうかを調査する。農薬のタイプ、使用された噴霧設備、保護服を使用するかどうかという要因も含む。EFSAはこのアプローチはほとんどの暴露シナリオをカバーすると考えている。
3. 標準化された第一段階の方法が全く入手できない、あるいは特定の方法がより現実的である場合特別な(事例毎の)暴露評価方法を使用する。
4.  特別な(事例毎の)より高度な段階の暴露評価は、標準化した最初の段階のアプローチに含まれる暴露シナリオにも使用可能である。これはより信頼できる暴露評価ができる証拠がある時にのみ行われるべきである。

EFSAはガイダンス文書の中でさらなる対応を薦めているか?
EFSAはこのガイダンスが、特に居住者の暴露評価には、データ不足のため多くの不確かさを含むことを強調している。文書は又どこにデータギャップが存在するかも指摘している。EFSAは加盟国の科学者、研究団体、産業界にこの方法論をさらに強化するために必要なデータを作り提供することを求めている。