食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 出版:ピアレビュー詐欺

Natureニュース
Publishing: The peer-review scam
Cat Ferguson, Adam Marcus & Ivan Oransky
26 November 2014
http://www.nature.com/news/publishing-the-peer-review-scam-1.16400
数人の著者らが自分の論文をレビューしていたことがわかって出版システムの弱点が顕わになった
韓国の研究者Hyung-In MoonによりThe Journal of Enzyme Inhibition and Medicinal Chemistryに投稿された論文が複数のレビューワーから好意的な評価を得たが編集長のClaudiu Supuranが訝しく思ったのはその返事が24時間以内と早すぎることだった。2012年に問いつめるとMoonはそのほとんどを自分で書いたと認めた。これらの雑誌は著者がレビューワーを推薦できるのでMoonは実際の科学者や実在しない科学者とメールアドレスを作って自分や仲間が受け取れるようにしていた。このことが明るみに出ていくつかの雑誌から28論文が取り下げられた。しかしこのようなことを行っているのはMoonだけではない。ピアレビュー詐欺で過去2年に少なくとも6件110論文が取り下げられている。
(長い。時にもっと深刻ななりすまし犯罪もある)

  • 前立腺がんスクリーニングの問題

NYT
The Problem With Prostate Screening
By RICHARD J. ABLIN NOV. 25, 2014
http://www.nytimes.com/2014/11/26/opinion/the-problem-with-prostate-screening.html?_r=0
アリゾナ大学医学部の病理教授RICHARD J. ABLINによる、PSAスクリーニングの有効性を示したデータを研究者ら(多くがPSA検査企業からお金を受け取っている)が開示を拒否していることへの疑義。

  • アフリカの食糧不足に直面:何故、30年間有機農業に従事して、私が小規模主食作物生産に合成肥料や除草剤を使うことを薦めているのか

Facing food insecurity in Africa: Why, after 30 years of work in organic agriculture, I am promoting the use of synthetic fertilizers and herbicides in small-scale staple crop production
Don Lotter
Agriculture and Human Values October 2014
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10460-014-9547-x
アフリカでは食糧不足と途上の栄養流出が深刻な問題である。半乾燥地帯のタンザニア中央では現在行われている伝統的作物生産システムはもはや適応しない。土地や技術や資源を多く必要とするオーガニック農法だけでは、小規模農家には実現不可能である。農家の94%が栽培しているトウモロコシにはかなりの窒素が必要である。何年も促進活動をしてきたにも関わらず、オーガニック農法は採択率が低い。除草剤を使って耕さない農法のほうが収量を上げ土壌の侵食を防いで雨水を保持できる。グリホサートはアフリカで生産され小規模農家が使用できる。グリホサートのリスクより食糧安全保障と作物生産の持続可能性のメリットのほうが上回る
タンザニアのSt. John’s 大学のDon Lotter博士は強力なGM反対派でオーガニックの支持者なので印象的な文となっている。アフリカの苦難のいくつかは欧州の机上の理想論を押しつけられていることによる。利用できるものは何でも利用すればいい。)

  • ミツバチの死亡とネオニコチノイド:コロニー崩壊疾患の裏話、ハーバードのChensheng Lu’の聖戦

Bee deaths and neonics: Inside story of Colony Collapse Disorder, Harvard’s Chensheng Lu’s crusade
Jon Entine | November 25, 2014 | Genetic Literacy Project
http://www.geneticliteracyproject.org/2014/11/25/bee-deaths-neonics-inside-story-of-colony-collapse-disorder-harvards-chensheng-lus-crusade/
ミツバチが異常にたくさん死んでいるという報告は多くの科学者、農家、養蜂家を心配させ公衆の関心を集めた。ウェブにはこの謎を巡る話が何千もあるが多くの主流専門家は問題は複雑だといい活動家が主張するような簡単な一つの話にはならない。
この記事ではこの現象を検討する:複雑な科学がどうやってイデオロギーに還元され、科学者やジャーナリストがそれを促進し、そして政治や環境に影響したか。特に地球からミツバチが消失するBeemageddonと主張した二つの議論の多い論文の著者、栄養士Chensheng Lu、ミツバチの死亡について間違った記事を書き続けたMother Jonesの記者Tom Philpottについて。
(長い記事。米国と欧州でミツバチのコロニーは減っていないというデータなど。Luは昆虫学者ではなくたまたまハーバードに在席していて突然目立った、自分のことを「活動家科学者」とよぶ人物で有機農業団体の運営委員である。自分の主張を第二の沈黙の春と呼ぶ。強力な圧力団体Organic Trade AssociationはLuをネオニコチノイドの危険性を宣伝しオーガニックのメリットを主張するために雇った。世界のトップ科学者たちの多くはLuの研究の質の低さに困惑している)

  • 生徒たちが「ひどい」学校給食についてミシェル・オバマを非難している

School kids are blaming Michelle Obama for 'gross' school lunches –
By Washington Post Posted Nov. 25, 2014
http://www.vvdailypress.com/article/ZZ/20141125/NEWS/141129900/12982/NEWS
健康的な学校給食を主張してきたミシェル・オバマのおかげで提供されている残念な給食の写真を生徒たちが#ThanksMichelleObamaハッシュタグでツイートしている。どんどん増えている
ゴミ箱に捨てられている写真もある

Amsterdam warns of dangerous drugs after 3 deaths
Nov 28, 2014
http://www.nzherald.co.nz/world/news/article.cfm?c_id=2&objectid=11365692&ref=rss
アムステルダムの保健当局が、先月3人の英国人男性がコカインと信じてヘロインを吸入して死亡したことをうけて、旅行者に販売されている危険な薬物について警告している。
さらに14人が病気になっている。警察が捜査中。
旅行者たちは有名な「コーヒーショップ」に大麻を吸うために集まってくるがコカインやヘロインは違法である。それでも警察に捕まるのを恐れる必要はなく、薬物使用後病気になって救急車や警察を呼ぶのを躊躇う必要はない。

  • がん学会はNDP(新民主党)の子どもへの食品の宣伝禁止計画を賞賛

カナダがん学会
Society applauds NDP plans to stop marketing food to kids
26 November 2014
http://www.cancer.ca/en/about-us/for-media/media-releases/national/2014/stop-marketing-food-to-kids/?region=on
がん学会は野党のリーダーThomas Mulcairが子どもに食品や飲料を宣伝することを禁止する計画を賞賛する。
カナダ人が健康的な選択をしてがんリスクを減らすのに正しい方向である。