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食品中のアレルギー源:最新の科学的助言

Allergens in food: scientific advice updated
26 November 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/141126.htm?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=20141126&utm_content=hl
EFSAは食品アレルゲンに関する科学的助言を更新した。EFSAの科学的意見は、EU法により、ラベルに表示しなければならない食品に存在する全てのアレルギー源となる製品と物質を詳細に調べている。グルテンを含有する穀物、牛乳、卵、ナッツ、ピーナッツ、大豆、魚、甲殻類、軟体動物、セロリ、ハウチワマメ、ゴマ、カラシ、亜硫酸塩が含まれる。
意見は欧州の食物アレルギー有病率に関する全ての発表されたデータのレビューに基づいている。アレルゲンのEUリストに掲載されている各食品や物質についての以下の情報が与えられている:
・任意抽出集団のアレルギー有病率
・食物アレルゲンと認められたタンパク質
・交差反応性
・食品や成分のアレルギー誘発性に与える加工の影響
・より一般的な免疫学的アプローチや質量分析とDNA法を含む、アレルゲンとアレルギー誘発性食品の検出方法
・感受性の高い人に悪影響を起こすことが観測された用量
EFSAの食品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)は、地域によっては入手可能な研究が不足しており、有病率のデータを集めるために異なる方法論を用いるので食物アレルギーの有病率を決めるのは難しいと指摘した。しかし、診断の基準としてフードチャレンジを用いると、欧州全体の食物アレルギーの有病率は成人と子供双方の約1%と推定されている。
子供のアレルギー反応の約75%はタマゴ・ピーナッツ・牛乳・魚・ナッツが原因である。成人のアレルギー反応の約50%はラテックスフルーツとバラ科の果物(リンゴ、ナシ、サクランボ、ラズベリー、イチゴ、アーモンドを含む)、セリ科の野菜(セロリ、ニンジン、香りのよいハーブを含む)、各種ナッツとピーナッツによる。
NDAパネルは、規制機関・消費者団体・産業界から、ある種のアレルギー食品の閾値を決定することが望ましいとされ、多くの注目を集めていることに気づいている。科学的意見はアレルゲン表示上のリスク管理決定の助けとなる入手可能なリスク評価アプローチをまとめている。それは:無毒性量(NOAEL)アプローチと不確実係数を用いた伝統的なリスク評価;ベンチマーク用量(BMD)及び暴露マージン(MoE);確率論的モデルである。たとえば表示免除や許容できるリスクの程度はリスク管理の決断であり、それゆえEFSAの権限外であるとパネルは強調している。パネルは、食物アレルギー患者での食品摂取パターンに関するデータを集めるように食品摂取量調査を適応させ、一般の食物アレルギーではない集団にこれらとどのように関連するかを調査するよう助言した。
EFSAの科学的意見は免疫介在性の食物アレルギーとセリアック病と食品中の亜硫酸塩への有害反応に関連している。よく食物不耐性として知られている食品への非免疫媒介有害反応は取り扱わない。これは2004年に発表された先の意見を更新したものである。

  • 表示のためのアレルギー食品と食品成分の評価に関する科学的意見

Scientific Opinion on the evaluation of allergenic foods and food ingredients for labelling purposes
EFSA Journal 2014;12(11):3894 [286 pp.]. 26 November 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3894.htm