食品安全情報blog過去記事

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その他

The trouble with tritium
Science 12 December 2014: Vol. 346 no. 6215 p. 1278
Dennis Normile*
2011年3月11日の地震津波から4年近く、福島第一原子力発電所の処理は続いている。
トリチウムが問題になっていて、海に廃棄してもヒトへの健康リスクは極めて限られたものである、とカリフォルニア大学の放射線健康専門家James Sewardは言う。しかし政治的リスクはそれとは別の問題である。世界中のほぼ全ての原子力発電所は通常の行為としてトリチウムを環境放出しているが一度に大量を出すことはない。福島から徐々に排出することですら心配する漁師に反対されるだろう、と東京大学のJota Kandaは言う。トリチウムの分離技術は難しく多くの費用と時間がかかる。

  • なぜ女性の身体は厳しいときには男の子を流産するのか

Why women’s bodies abort males during tough times
By Elizabeth Pennisi 11 December 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/12/why-women-s-bodies-abort-males-during-tough-times
多くの研究で、厳しい時代には男のより女の子が多く生まれることが示されてきた。理由はわからないが、男性は心配する必要はない。フィンランドの古い協会の記録から、ストレスの多い時代に生まれた男性はそうでない時代の男性よりより長生きすることが明らかになった。Proceedings of the Royal Society B.に発表

  • 風力発電グループがヘルスカナダの研究を拒否

Anti-turbine group rejects Health Canada study
By Denis Langlois, Sun Times, Owen Sound
Thursday, December 11, 2014
http://www.owensoundsuntimes.com/2014/12/11/anti-turbine-group-rejects-health-canada-study
風車の騒音と健康には関係がないというヘルスカナダの研究は苦しむ人々への侮辱だと反対集団は言う

  • あなたのコーヒーカップの色があなたの味の認識を変える

The colour of your coffee mug can change how you perceive its taste
December 11, 2014 19 reading now
Roberto A. Ferdman
http://www.smh.com.au/lifestyle/diet-and-fitness/the-colour-of-your-coffee-mug-can-change-how-you-perceive-its-taste-20141210-124o61.html
オーストラリアで行われた研究で、白、青、透明ガラスのカップに入れたコーヒーを18人に出して甘さ・香り・苦味・品質・好きか嫌いかを評価してもらった。色により評価が変わることが確認された。

  • ビーゲートパートII:欧州IUCNタスクフォースはネオニコ禁止構想をめぐる汚職スキャンダルに陥る

Bee-gate PART II: European IUCN task force mired in corruption scandal over neonics ban plot
David Zaruk | December 12, 2014 | Genetic Literacy Project
http://www.geneticliteracyproject.org/2014/12/12/bee-gate-part-ii-european-iucn-task-force-mired-in-corruption-scandal-over-neonics-ban-plot/
David Zarukの記事続き
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20141208#p16
前回はIUCNタスクフォースのメモを公表してこの委員会は非科学的動機(ネオニコ禁止の目的ありき)により作られたことを明らかにした。パートIIはこの反ネオニコ科学者について、その資金源や宣伝のしかた、それでもなお利益相反はないと主張できるのか、を記述する。
・ピアレビュー?
引用文献の多くがグループ内または自分の論文。お互いに引用しあっている。IUCNタスクフォースのEnvironmental Science and Pollution Researchに発表された論文は受け付けてからたった6日でピアレビューが終了している。これは異常に早い。
・IUCNタスクフォースの科学者とは誰?
ウェブサイトにメンバーが記載されていない。問い合わせたところ30人がメンバーだと答えが返ってきて彼らについて調べた。中にはこの分野であまり聞かない人の名前も含まれる。“post-normal science”が専門のDr Jeroen van der Sluijs、Dr Dave Goulson、NGOのキャンペーンを担当していた(学位はもっていない)Vanessa Amaral-Rogers、など。
資金源
日本のアクト・ビヨンド・トラストの名前もあがっている。ここはグリーンピースの事務局長だった星川 淳氏が理事長。他オーガニック団体等。

  • カナダの先住民の子どものがんを治療するフロリダの代替健康センターは「詐欺」:もと従業員

Florida alternative health centre that treated Canadian aboriginal children for cancer a ‘scam’: former employees
Tristin Hopper December 11, 2014 |
http://news.nationalpost.com/2014/12/11/florida-alternative-health-centre-that-treated-canadian-aboriginal-children-for-cancer-a-scam-former-employees/
子どものがんの化学療法の代わりにとカナダの先住民の2家族が選んだフロリダの代替健康センターが多数のもと従業員によって詐欺行為で訴えられる。問題のセンターはHippocrates Health Instituteで、最近オンタリオ州の先住民の保護者ががんの子どもを根拠のない代替療法で治療する権利を巡る法的闘争で注目された。McMaster 子ども病院は白血病は適切な治療を受ければ90%程度の治癒が見込めるとして子どもの治療復帰を求めたが裁判所は先住民の世界観を尊重すべきとして病院の要求を却下した。その親がHippocrates Health Instituteに18000ドルも支払って代替療法を受けさせている。
今回病院を訴えているもと従業員は医師免許のない人が薬を処方したり治療を行ったりすることに異議を申し立てたら解雇されたとしている。ウェブサイトでドクターと宣伝している人に医師免許はない。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20141118#p9
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140520#p8
(Hippocrates Health Institute (http://hippocratesinst.org/)でやっているのは青汁とかローフードとかサプリメントとかデトックスとか酵素(嘘のほうの)で、先住民の文化どころか単なるインチキ)