食品安全情報blog過去記事

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その他

Scienceニュース
Can e-cigarettes actually help smokers quit?
By David Shultz 16 December 2014
http://news.sciencemag.org/brain-behavior/2014/12/can-e-cigarettes-actually-help-smokers-quit
コクランレビューが電子タバコの禁煙補助の有用性にお墨付きを与えた。ただしレビュー対象の試験が少ないため信頼性は低い。
もちろん最も良いのはタバコも電子タバコも吸わないことである
Electronic cigarettes for smoking cessation and reduction
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD010216.pub2/abstract;jsessionid=6BFEACEEA963D481D5608E8C92714BF2.f01t03
(WHO等が薦めないとしているのはタバコを吸わないヒトへの販売という問題があるから。)

  • 「低アレルゲン性」表示は役にたつか単なる誇大広告か?

Is the label 'hypoallergenic' helpful or just marketing hype?
17-Dec-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-12/acs-itl121714.php
多くの消費者が「低アレルゲン性」「皮膚科の専門医が試験した」といった表示のあるシャンプーや石けんを安全だと思って探す。しかしACSのニュースマガジンChemical & Engineering Newsの記事によるとそれは疑問があり変えるべきだ。187の子ども向けパーソナルケア製品を調べたところ「低アレルゲン性」を宣伝するものであっても少なくとも1つは皮膚のアレルゲンであることがわかっている成分を含んでいた。一部の企業はホルムアルデヒドを放出する成分などを排除しているが、それが安全性を保証することにはならない。一部の会社が内分泌撹乱作用があるとされるパラベンの代わりに使ったものはアレルギー反応を誘発する物質であった。一部の研究者はFDAに規制を求めているが、それまで消費者はトライアンドエラーで購入するしかない。

  • Rx薬物、「バスソルト」、偽造大麻、洗濯洗剤ポッドが数百万人が中毒センターに電話する原因

Rx drugs, 'bath salts,' fake pot and laundry pods lead millions to call poison centers
17-Dec-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-12/acoe-rd121714.php
2012年の全国中毒コントロールセンターデータを解析した、Annals of Emergency Medicineに月曜日にオンライン発表された論文によると、米国における死亡事故の主要原因は処方薬で、「バスソルト」、合成大麻、洗濯洗剤ポッドが新たな公衆衛生上の脅威である。2012年の全国の中毒センターへの記録は220万件。11.6%が5才以下の子ども、14%が6-12才、51.2%がティーンエージャー。死亡例の83%は医薬品で最も多いのはオピオイド鎮痛薬。医薬品以外での死亡は一酸化炭素中毒が多い。
2012年に新しく増えたのは洗濯用の洗剤ポッドである。「バスソルト」、「植物食品」、合成大麻などのデザイナードラッグは継続して問題であり続けている。
Poisoning in the United States: 2012 Emergency Medicine Report of the National Poison Data System
http://www.annemergmed.com/article/S0196-0644(14)01477-2/fulltext
後半にエネルギードリンクと福島第一原子力発電所事故が取り上げられている。
CDC等の機関は放射性ヨウ素対策として販売されているヨウ素剤の使用についてリスクコミュニケーションメッセージを伝えた。放射線関連で中毒センターに寄せられた情報のうち60例が暴露推定に関するものでそのうち25例がヨウ化カリウム放射能暴露は22例(16例疑い6例は暴露無し)、その他ヨウ素製品が13例だった。放射能暴露があった可能性があると分類されたものはない。KIやヨウ素剤による有害症状が小数(n=9)報告された。これらのデータはKIやその他製品についての公衆衛生上の情報ギャップがあることを示す。
(遠くアメリカでも放射線そのものによる被害はないが放射線が怖いという情報による実害はあった模様)

  • 2014年の公衆衛生トップ10ニュース

Top 10 Public Health Stories of 2014
by Ben Cosgrove | December 16, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/health-care-policy/article/top-10-public-health-stories-2014
順不同
1.電子タバコに関する議論沸騰
2.結局飽和脂肪はいいのかそうでないのか
3.医療用大麻本格化
4. Dr. Mehmet Ozの議会での聴聞
5.はしかやおたふく風邪や百日咳のようなワクチンで予防できる古い病気の新たな流行
6.米国のエボラ
7.食品供給網における抗生物質について新たな警告
8.11月に米国で初めてバークレーで砂糖入り飲料に課税
9.オバマケア完全施行
10.栄養成分表示改訂

  • 安全性警告:粉末純カフェインを避けること

Wellness Tip Safety Alert: Avoid Powdered Pure Caffeine
by Berkeley Wellness | December 15, 2014
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/safety-alert-avoid-powdered-pure-caffeine
インターネットでバルクで販売されている粉末純カフェインを避けること。FDAは十代の死亡後2014年7月に警告を発表している。
ティースプーン1杯でコーヒー25カップ分ものカフェインが含まれる。推奨摂取量はティースプーン1/16や1/64と表示してあるがそのような微量を家庭にある道具で正確に測定するのは不可能であり簡単に過剰使用してしまう。

  • 原始人ダイエットの提唱者Pete EvansがFacebookの批判的コメントを削除していることを非難される

Paleo advocate Pete Evans accused of deleting critical posts on Facebook
December 18, 2014  Sarah Berry
http://www.brisbanetimes.com.au/lifestyle/diet-and-fitness/paleo-advocate-pete-evans-accused-of-deleting-critical-posts-on-facebook-20141218-129ks3.html
セレブシェフのPete Evansはオーストラリア版Jamie Oliverと称されたり間違った情報を提供する原理主義者とみなされたりする。彼の主張は加工されていないものを食べるというものである(シェフなのに?)。10月に彼のFacebookの50万人のフォローワーに、ミロチョコレートシリアルやピザを認めているという理由で心臓協会のボイコットに署名することを要求したり国際食品企業がスポンサー提供したという理由でオーストラリア栄養士会を攻撃したりした。そして今回は彼のFacebookに寄せられる、彼の主張に矛盾したり疑問を呈したりするコメントを削除していると批判されている
(いろいろ略。支持者に囲まれて持ち上げられているうちにだんだん過激になっていったようだ。批判は全て敵の陰謀による攻撃と感じてしまうような)
オーストラリア栄養士会の声明
原始人ダイエット主張者による批判への回答
Position Statement: Response to criticism by advocates of the Paleo Diet
http://daa.asn.au/for-the-media/hot-topics-in-nutrition/position-statement-response-to-criticism-by-advocates-of-the-paleo-diet/
(オーストラリア栄養士会が怪しい食事法について批判したり説明したりするのはこれが初めてではなく、日本もやればいいのにとは思う)