食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

コンシューマーラボ
Product Review: Ashwagandha Supplements
Initial Posting: 12/20/14
https://www.consumerlab.com/reviews/ashwagandha_supplements/ashwagandha/
コンシューマーラボのレビューに合格したのはたった25%だけ
多くのサプリメントには表示されている量のアシュワガンダは含まれない。1製品は1mg以下。

ScienceInsider
Officials scramble to respond to Bangladesh oil spill
By Allie Wilkinson 19 December 2014
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2014/12/officials-scramble-respond-bangladesh-oil-spill
世界的に重要なマングローブの生態系を保有絶滅危惧種である川に住むイルカのいるSundarbansを脅かしている重大な油流出事故に対応するため米国と国連は影響とクリーンアップの可能性を評価するために専門家を派遣している。12月9日に火炉用油を運んでいたタンカーが他の船と衝突し、約35万Lの油がChadpai野生生物保護区で流出した。バングラデシュ政府は全く対応準備はなかった。タンカーが引き上げられたとき残っていた重油はわずか200Lであった。

Science in the spotlight as New York state bans fracking
By Puneet Kollipara 19 December 2014
http://news.sciencemag.org/environment/2014/12/science-spotlight-new-york-state-bans-fracking
科学的知見や知見の欠如が、民主党Andrew Cuomoニューヨーク州知事による、フラッキングによる天然ガスの抽出の基本的禁止という議論の多い決定で大きな役割を果たした。
12月17日のこの決定は州の保健省による健康への影響への懸念を示した研究のレビュー報告書を重くみたものである。州の健康コミッショナー代理Howard Zucker医師は掘削や輸送や排水などの多くの側面でシェールガスの生産がヒトの健康に有害影響を及ぼしうるという多数の論文を提示した。さらに一部のリスクについてはデータがないので予防的であることが最善だとし、フラッキングの禁止を示唆した。
この決定に反応は分かれた。科学が政治に勝ったと賞賛する団体もあるが業界は疑わしい研究を根拠にしていると批判している。

  • 気候変動のおかげでエビの味が悪くなる

Less tasty shrimp, thanks to climate change
By Puneet Kollipara 19 December 2014
http://news.sciencemag.org/climate/2014/12/less-tasty-shrimp-thanks-climate-change
Journal of Shellfish Researchに発表された研究によると酸性度の高い水のエビは味が悪く死亡しやすい

  • 売り出し中:高名な科学雑誌の中の「ここにあなたの名前」

Nature
For sale: “Your name here” in a prestigious science journal
Charles Seife 19 December 2014
http://www.nature.com/news/for-sale-your-name-here-in-a-prestigious-science-journal-1.16635
Scientific American.の記事
Diagnostic Pathologyの編集者Klaus Kayserは科学における不正について厳格に監視してきたつもりだった−例えば顕微鏡画像にはスライドの提出を求めるなど。しかし2014年5月号の14論文中6論文に疑わしい文章の反復があるとScientific Americanから知らされた時、問題があることに気がついていないようだった。「誰も教えてくれなかった。感謝する」と彼は言った。
疑わしい論文は見つけるのは簡単ではない。一つ一つの論文は問題がないように見える。しかしScientific Americanの解析によると産業規模でピアレビューシステムを操作している兆候が見える。例えばDiagnostic Pathologyの2014年5月号に発表されたGuangxi Medical Universityの論文は胃がんに関連するXPCという遺伝的変異についての論文で、以下のような完璧に普通の論文の完璧に当たり前の結論だった。
“However, it is necessary to conduct large sample studies using standardized unbiased genotyping methods, homogeneous gastric cancer patients and well-matched controls. Moreover, gene–gene and gene–environment interactions should also be considered in the analysis. Such studies taking these factors into account may eventually lead to our better, comprehensive understanding of the association between the XPC polymorphisms and gastric cancer risk.”
しかしこれを数年前にEuropean Journal of Human Geneticsに発表されたCDH1という前立腺がんに関連する遺伝子についてのメタ解析と比べるとほぼ同一である。
“However, it is necessary to conduct large trials using standardized unbiased methods, homogeneous PCA patients and well-matched controls, with the assessors blinded to the data. Moreover, gene–gene and gene–environment interactions should also be considered in the analysis. Such studies taking these factors into account may eventually lead to our better, comprehensive understanding of the association between the CDH1−160 C/A polymorphism and PCA risk.”
これは単なる盗用ではない。一見何の関連もないような研究チームの論文に同じ盗用が見られる。PLoS ONEの論文ではXRCC1遺伝子、International Journal of Cancerの論文ではXPA遺伝子、などなど。
これらの「文章の空白を埋める」研究論文が多数見つかっており、一つを除いて全て中国の科学者の執筆である。
(以下長い。中国におけるペーパーミル(論文製造工場)の問題を指摘。規模が大きいことと比較的インパクトの高い雑誌でも餌食になっていることが問題。中国論文信用しない、になりそう−今までもあんまり信用していないけれど)

  • テレビの医学トークショー−彼らが何を薦めその根拠は:前向き観察研究

BMJ
Televised medical talk shows—what they recommend and the evidence to support their recommendations: a prospective observational study
Christina Korownyk et al.,
BMJ 2014;349:g7346
http://www.bmj.com/content/bmj/349/bmj.g7346.full.pdf
毎日放送されているテレビ番組Dr Oz Show と The Doctorsの2013年初めからの40番組を無作為に抽出しその中で薦められていることを評価した。各番組について80ずつの助言の根拠があるかどうかを評価した。合計160の助言のうち、1例の症例報告以上の根拠があったのは54%で、Dr Oz Showについては根拠があったもの46%、根拠が矛盾しているもの15%、ないもの39%だった。The Doctorsについてはそれぞれ63%、14%、24%だった。信用できるあるいは幾分信用できる根拠のある助言はDr Oz Showが33%でThe Doctorsは53%だった。平均するとDr Oz Showでは一回あたり12の助言をし、The Doctorsは11である。最も多いのはDr Oz Showでは食事助言(39%)、The Doctorsは医師に相談するように(18%)。利益相反の開示は0.4%。
結論として医学トークショーでの助言には適切な情報がしばしば欠けている。半分には何の根拠もないか逆の根拠があり利益相反は開示されない。人々はトークショーの助言は疑うべきである。
BMJクリスマス特集の一環ではあるが一般の人にとってはとても役にたつ情報。オープンアクセスなので是非。日本だと最近は何かあるかな)

  • FDA警告文書(FDAのサイトにはまだ出ていない)

Mr. Michael O. Johnson Chairman and Chief Executive Officer Herbalife Ltd.
December 17, 2014
http://www.casewatch.org/fdawarning/prod/2014/herbalife.shtml
ハーバライフYouTube動画の宣伝で、FDAの役割について間違って伝えている。特に問題があるのはVasilios H. Frankos, Ph.Dの「私がFDAでダイエタリーサプリメントのディレクターをしていた時、私は栄養サプリメントの安全性と有効性を確保するための監視をしていた」という発現部分である。DSHEA法のもとではダイエタリーサプリメントの製造業者はFDAの認可は必要なく、有効性についても安全性についてもFDAによるレビューは受けていない。ハーバライフのビデオで言われているFDAの役割は医薬品についてのものでありダイエタリーサプリメントについてのものではない。Frankos博士の発言は消費者を誤解させるもので動画の削除を求める。

FDAのサイトにこの人の動画がある
FDA Basic Video: Vasilios H. Frankos Discusses Dietary Supplements (Video)
http://www.fda.gov/AboutFDA/Transparency/Basics/ucm195691.htm
でもこの人、もとCFSANのDivision of Dietary Supplement Programsの長でCGMPに関わった人。でも今は(2010年から)ハーバライフの副社長?Senior Vice President of Global Product Science, Safety and Compliance at Herbalife Ltd.)