食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース等

  • 2014年10大論文取り下げ

TheScientist
The Top 10 Retractions of 2014
By Adam Marcus and Ivan Oransky | December 23, 2014
http://www.the-scientist.com/?articles.view/articleNo/41777/title/The-Top-10-Retractions-of-2014/
今年の特徴は1度に60論文、ピアレビュー詐欺による120論文など数が多いこと。
順不同で10件
1.忘れられないHaruko Obokata らによるNatureのSTAP論文。このスキャンダルで共著者の1人Yoshiki Sasai自殺
2. Iowa 州立大学の Dong-Pyou HanによるHIVワクチンが効いたようにみせかけた論文。犯罪として告発され50万ドルの支払いを命ぜられている
3. 台湾の研究者Peter Chenによる虚偽の名前を複数作って「ピアレビューと引用を繰り返す」によりJournal of Vibration and Controlの60論文取り下げ
4.Facebookユーザーの心理学についてのPNAS論文の倫理的問題による取り下げ
5. SCIgenで自動生成したインチキ論文120以上が発表されて問題に
6. African Journal of Food Sciencesに発表されたキャッサバについての論文が企業からのクレームで取り下げ
PUBLISHER’S RETRACTION
http://www.academicjournals.org/article/article1399363971_Yusuf%20et%20al.pdf
取り下げられた論文はキャッサバの加工品であるGariを食べている人は食べていない人に比べて視力が劣るというもの。これがgariに含まれる天然のシアン化物によると考察されていた。これがgari製造業者から会社の利益を損ねるものだとクレームが付いたとして取り下げ。ただしこの雑誌も怪しいオープンアクセス雑誌リストに載っている。著者はナイジェリアの人。
7. 取り下げられたGilles-Eric SéraliniらによるGMOとラットの論文が再び発表される
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140626#p13
8. 社会心理学者Jens Försterの一連の疑惑で11月に初めて論文取り下げ。まだ続く。
9.幹細胞研究関係の論文取り下げ複数
10. Khalid Zamanの論文がニセのピアレビューで受理されていたことが発覚してElsevier が16論文取り下げ

  • King郡でリステリア汚染アイスクリームに関連するリステリア症2例

ワシントン保健省
Two listeriosis cases in King County linked to recalled ice cream products contaminated with Listeria
Updated 12/24/2014
http://www.doh.wa.gov/Newsroom
微生物関連ニュースなんだけど
snoqualmie
http://www.snoqualmieicecream.com/uploads/pdf/2014-press-kit2.pdf
リステリア汚染でリコールされているアイスクリームの会社のHP
遺伝子組換えでないサトウキビ由来の砂糖を使いグルテンやホルモンや保存料や合成香料を使わないのがいいと信じている。地元あるいは小規模家族経営の農場の製品を使う。伝統的手作りがいい。牛乳の高温殺菌に反対し、牛乳にある酵素を保存するために低温で殺菌する
所有するミニ農場で鶏を放し飼いにしてそこの卵を使う。ラベンダーもそこで育てているのを使う。
(アイスクリームのような生で食べるものの殺菌を疎かにするとか微量の香料は使わないのに食用ではないラベンダーは平気で使うとか、わりとどうしようもない。でもこういうのがメディアにもてはやされて流行している。)

  • 5年間の50万人以上のがんの背景にライフスタイル

Cancer Research UK
Lifestyle behind more than half a million cancers in five years
26 December 2014
http://www.cancerresearchuk.org/about-us/cancer-news/press-release/2014-12-26-lifestyle-behind-more-than-half-a-million-cancers-in-five-years
金曜日に発表したCancer Research UKの数値によると、もし人々がより健康なライフスタイルだったら、過去5年間で60万例近くのがんが避けられただろう
全体として、10例中4例以上のがんがライフスタイル変更により予防できる。最大の圧倒的な予防可能ながんの原因は相変わらず喫煙である。過去5年間で314000例がタバコによる。従って禁煙が最良である。
さらに145000例は健康的でバランスの取れた食事により、88000例は健康体重維持で予防できた。飲酒量を減らすことと日光から皮膚を守る、運動することも役にたち、10000人以上ががんになるのを予防できただろう。
Statistics on preventable cancers
http://www.cancerresearchuk.org/cancer-info/cancerstats/causes/preventable/

(英国と日本では異なるが(特に感染症)タバコが圧倒的なのは変わらない。食品添加物残留農薬は関係ない)

  • 遺伝子組換え栗が(議論の)炎で焼けている

Genetically Modified Chestnuts Roasting On An Open Fire
By Sarah Fecht
http://www.popsci.com/transgenic-chestnuts-roasting-open-fire
ニューヨークのCollege of Environmental Science and Forestry のWilliam Powellらがアメリカの栗の木を復活させるために遺伝子組換え技術を応用している。かつて栗はメイン州からジョージア州にかけて東部の森の255を占めて野生生物やヒトに食料を供給していた。1900年代初期にアジアから侵入した真菌が栗の木を殺しいまだに蔓延している。チームは病気耐性小麦遺伝子を使ってトランスジェニック栗を作って実験室で育てている。この環境を守るために遺伝子組換えを使うプロジェクトは複雑な反応を巻き起こしている。

  • Jennifer Sygo:牧草で育てた牛由来だろうと、グルテンフリーやオーガニックだろうと、こっていりた食べ物はカロリーが多い

Jennifer Sygo: No matter if it’s grass-fed, gluten-free or organic, rich foods pack a lot of calories
Jennifer Sygo | December 23, 2014
http://news.nationalpost.com/2014/12/23/jennifer-sygo-no-matter-if-its-grass-fed-gluten-free-or-organic-rich-foods-pack-a-lot-of-calories/
食べ過ぎがちな時期に、カロリーのことを考えて。カロリーは全てではないが重要なことに変わりはない。どんなに「ヘルシー」とみなされるものでもカロリーを気にしなくて良いわけではない。

  • NZが輸入豆腐に有毒色素警告

NZ warning on toxic dye in imported tofu
December 24, 2014,
https://au.news.yahoo.com/world/a/25853030/nz-warning-on-toxic-dye-in-imported-tofu/
ジメチルイエローが使われた台湾産の乾燥豆腐製品5種類について、ニュージーランドでも警告

  • ルームバンドの小さな子どもへの「吸入の危険性」

Loom bands 'inhalation danger' to young children
25 December 2014
By Emma Wilkinson  Health reporter, BBC News
http://www.bbc.com/news/health-30582551
Journal of Laryngology and Otologyに報告されたスコットランドのMonklands病院からの一週間のうちに一つの病院で4例の急患事。保護者は小さい子どもの耳や鼻の異物、飲み込むことによる窒息に注意すること。
レインボールームは2011年に開発されて以降世界中で大流行している