食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 体重増加予防のための助言とプライマリーケアにおける成人の過体重と肥満管理のための行動及び薬物介入の利用

Recommendations for prevention of weight gain and use of behavioural and pharmacologic interventions to manage overweight and obesity in adults in primary care
Canadian Task Force on Preventive Health Care*
CMAJ January 26, 2015
http://www.cmaj.ca/content/early/2015/01/26/cmaj.140887
カナダ医師会ガイドライン
キーポイント
体重増加予防
BMIは測定が簡単で安価なため指標に使える
・正常体重の成人に体重が増えないように介入するのはほとんど効果が無く持続しない
・それでもメタボリスクファクターがあるなどの一部の人には利益があるかもしれない
・体重が増えつつあって生活を変えようとしている成人には予防介入を紹介すべき
肥満や過体重の治療
・行動あるいは薬物療法による介入は減量やウエスト周囲を少々減らすには効果がある
・減量研究参加者のほとんどは介入が終わると体重が増えるがそれでも対照群よりは少ない
2型糖尿病リスクがある場合、減量介入は発症を遅らせる
・薬物より行動療法の方がリスク/ベネフィットの分がよい

  • お腹のチェック

Gut Check
Posted by Mark Crislip on January 23, 2015
http://www.sciencebasedmedicine.org/gut-check/
私(Mark Crislip)は2009年にプロバイオティクスについて書いた。当時の結論は、
「プロバイオティクスは抗生物質による下痢の予防に有用である。IBSのような他の腸内細菌の撹乱を伴う病気の予防に役にたつかもしれない。プロバイオティクスはあなたの消化管の正常な一部ではない外来細菌であり、普通の人にとって腸の健康を増進することはない。もしあなたが普通の食事をしている普通の人なら、お金を無駄にしない方がよい。プロバイオティクスの作用は費用が高くなることだけである」
医学は進歩し2009年以降ヒトのマイクロバイオームの理解は進んだ。見直す良い機会だろう。
正常な腸内細菌叢について理解すればするほどプロバイオティクスは間違った答えであるという疑いが強くなる。消化管には1000種類以上の細菌がいて500万以上の遺伝子がある。その多くは培養できない。しばしば「善玉」菌と呼ばれるものの、プロバイオティクスの構成微生物は正常な腸内細菌には含まれないか少ししかいない。プロバイオティクスによる介入試験の結果は一致しない。印象的なのは糞便移植は非常に効果が高いということだ。さらに印象的なのはヒトの便を凍らせた錠剤でも、あるいは便由来細菌から作った合成便でも効果があるということだ。
だから文献を読むと、我々はプロバイオティクスの石器時代の終わりの始まりを見ているような気になる。正常なマイクロバイオームの理解が進めばもっと洗練されて複雑なプロバイオティクスが手にはいるようになるだろうと思う。
(以下まだ長いけど略。)

  • Food Babeへの公開レター

An open letter to the Food Babe
22 January Written by Science Meets Food
http://sciencemeetsfood.org/open-letter-to-food-babe/
食品関連科学を学ぶ学生グループから、Ms. Hariへの質問状
食品については誰もがオープンな議論に参加すべきであるがあなたの描く科学の過剰な単純化や科学者への無知と攻撃には異議がある。
(内容略。本人がコメント欄に登場。それよりもとスタッフと称する人がHariは嘘だと知っていてお金のためにインチキ情報をふりまいていると暴露している。嘘で金儲けができることを知ってしまったので夫は職を辞してビジネスとして彼女を売っている、と。そしてコメントを書いたらすぐHariの弁護士から連絡が来たと)

  • 健康推進活動家はジャンクフードのテレビ宣伝規則を厳しくすることを求める

Health campaigners call for stricter rules on ‘junk food’ TV adverts
The Guardian, Monday 26 January 2015
http://www.theguardian.com/society/2015/jan/26/health-campaigners-call-stricter-rules-junk-food-tv-adverts
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150126#p6の件
英国心臓財団(BHF)はジャンクフードの宣伝は9時前は全て禁止を主張
ただしASAは既に厳しい広告規制はあると反論
2007年にOfcomが脂肪砂糖塩の多い食品の宣伝規則を厳しくしたとき、子どもたちの宣伝を見る量は37%減ったが大きい子にはほとんど効果はなかった
(週に一回子どもにお菓子やハンバーガー買ってって言われるからって広告禁止を要求するの?そのせいで子どもが太ったの?日本の親って良くやってると思わない?)

  • 子どもの時のネグレクトは脳を蝕む

Scienceニュース
Childhood neglect erodes the brain
By Eliot Marshall 26 January 2015
http://news.sciencemag.org/brain-behavior/2015/01/childhood-neglect-erodes-brain
子どもネグレクトの多分最も有名な研究で、研究者たちは今十代になるルーマニアの寒々とした孤児院の乳児たちを追跡している。新しい解析では多様な問題があるこの子どもたちには比較対象の家庭の子どもたちと比べて脳の白質が少ないことが示された。この仕事は人生の初期の感覚刺激の乏しさが脳の解剖学に影響しそれがこれまで報告されてきた長期にわたる負の影響を説明するのに役立つ。しかし良いニュースもある。2才の時に孤児院から里親の家庭に引き取られた子どもたちは少なくとも脳の構造は戻っている。
ブカレスト早期介入プロジェクト。

Enzo Forcellati, et al. v. Hyland’s, Inc., et al.
http://www.casewatch.org/civil/hylands/forcellati/sjm_ruling_2015.pdf
2012年にHyland 社、Standard Homeopathic Co., および Standard Homeopathic Laboratories Inc社相手に訴訟がおこされて2014年4月に裁判所が全国での集団訴訟として認めた。これに対してHyland社が略式判決を求める申し立てをしていたがそれを却下。裁判は進む。
原告代表のEnzo Forcellatiらが主張しているのは(a) ホメオパシー疑似科学である (b) 製品のラベルは虚偽で誤解を招くものである (c) 会社は標準的医薬品への根拠のない恐怖や不信を広めている
((c)が認められるといいなぁ。根拠のない恐怖や不信を広めることは悪いことだ。もっともカリフォルニアは州政府がそれをやってたりするんだが。)

Some Notes on the Groton Wellness Center
Stephen Barrett, M.D.
January 23, 2015.
http://www.quackwatch.org/04ConsumerEducation/Nonrecorg/groton/overview.html
「ホリスティック歯科」と称する多数の非標準医療を行っている施設。
(ホリスティック歯科って日本語でもヒットする。ただの詐欺だからひっかからないように)