食品安全情報blog過去記事

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その他

  • オンラインディベートで疑問噴出:科学は壊れているか?

Natureニュース
Online debate erupts to ask: is science broken?
20 March 2015  Chris Woolston
http://www.nature.com/news/online-debate-erupts-to-ask-is-science-broken-1.17156
University College Londonで行われたイベントで、統計解析をいじって結果を有意にしたりするような問題のある行為が蔓延していてそれを改善するにはどうすればいいかというテーマで議論が行われ、ソーシャルメディアで拡散している。実験デザインや解析方法を実施前に雑誌に登録する提案は広い支持を集めている
臨床試験の事前登録は既に標準化しているので実施されるだろう。時代とともに改良を重ねていくのは科学にとっては当然だが、古いデータで許認可されたものを見直すのは政治的に難しい。)

  • 炭酸飲料の禁止から自転車専用レーンの設置まで:どの「自然の実験」が真に肥満を減らすか?

From soda bans to bike lanes: Which 'natural experiments' really reduce obesity?
20-Mar-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-03/du-fsb032015.php
学校の自動販売機から炭酸飲料を禁止する、歩道や遊び場を整備する、食糧供給が不便なところにスーパーマーケットを作る、レストランのメニューに栄養を表示する:このような環境変化が肥満解決のために提案されてきた。しかし実際に影響があるのはどれだろうか?この疑問に答えるため、政策による環境変化前後の人々の食事や運動の変化の比較が行われてきた−自然実験である。しかし全ての自然実験が同等ではなく評価には厳密な科学が必要である。Obesity Reviewsに発表されたDrexel大学のAmy Auchincloss博士らのチームによる系統的レビューでは自然実験を吟味した。
食品の栄養的質に影響があったものは、トランス脂肪禁止、砂糖の多い食品や飲料の制限、脂肪の多い食品の制限、などで影響が小さいあるいはあまりなかったのは栄養成分表示やスーパーマーケットの設置など。
しかしこれらの変化は食生活を改善したかどうかは明確ではなくBMIや体重への影響をみた研究はあまりないため、環境や政策が健康体重維持に成功したかどうかについてのエビデンスはない、と結論した。

  • The Lancet Infectious Diseases:専門家は英国の気候が温暖化するに連れて蚊やダニ由来疾患が増加する可能性を警告

The Lancet Infectious Diseases: Experts warn of potential upsurge in mosquito and tick-borne diseases as UK climate gets warmer
22-Mar-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-03/tl-tli031915.php
PHEの緊急対応局の公衆衛生専門家Jolyon Medlock博士と Steve Leach教授が警告。
デング熱騒動を鑑みるに、残留農薬がどうこうというレベルではない殺虫剤を家の中や近くで使って暴露される可能性がある。マラリアを媒介する蚊を退治しなければならない状況になったときにミツバチに悪影響が、という主張が通るだろうか?)