食品安全情報blog過去記事

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その他

  • EU市民はもっと昆虫を食べるべき、と企業が言う

EU citizens should eat more insects, says industry
Published: 14/04/2015
http://www.euractiv.com/sections/agriculture-food/eu-citizens-should-eat-more-insects-says-industry-313730
ミールワームゴミムシダマシの幼虫)やカイコやイエバエやアメリカミズアブ(このサイトの写真)は将来欧州人の食生活の一部となるべき、と昆虫部門が言う
昆虫を食品と飼料にする国際プラットフォームThe International Platform of Insects for Food and Feed (IPIFF)が昆虫を動物性タンパク質源として推進している。人口増加と需要増で昆虫は重要な役割を果たす。
食品としての主要課題はアレルギーであるが表示されるだろう。企業が計画しているのは昆虫を袋に入れてスーパーに並べることではなく、フィッシュミールや大豆のように原料として混ぜて使うことである。IPIFFは昆虫と昆虫由来食品の新規食品としてのEU規則に合致するかどうか検討中である。
(昆虫のアレルギーって自覚していないことが結構ありそう)

  • ナチュラル」需要が欧州の食用色素の成長を駆動する

Demand for ‘natural’ drives Europe’s food coloring growth
By Joyeeta Basu, 13-Apr-2015
http://www.foodnavigator.com/Trends/Organics/Europe-s-food-colouring-market-to-grow-to-423.26m
Future Market Insightsの新しい報告によると西ヨーロッパでの企業と消費者の天然色素需要増が近い将来の市場拡大を駆動し続けるだろう
2014年には天然色素の市場は3億600万米ドルだったが2020年までには4億4570万ドルに成長するだろう。市場の拡大を牽引するのは技術の進歩、法律、消費者の嗜好である。課題は原料価格の不安定さ、色素のpHや温度や光に対する不安定さである。
また最近は天然由来であってもカルミンが昆虫由来だからと嫌われる傾向があり代用品を模索している。
(天然だと色は薄く不安定なことが多いので量もたくさんつかわないといけない上にpH調整剤などが追加で必要になったりして結構ハイテクかつ高価格。「ナチュラルな化粧」が高難度なのと同じように。食品に色は必要ないなんてことは全くなくて、重要なファクター。使えるものが少なくなった結果カロテンのような小数のものに集中して摂取量が多すぎる、なんてことにもなっている。)

FDA Warns Weight Loss, Workout Supplement Sellers Listing BMPEA; Amphetamine Relative Not Natural
David Kroll  4/23/2015
http://www.forbes.com/sites/davidkroll/2015/04/23/fda-warns-weight-loss-workout-supplement-sellers-listing-bmpea-amphetamine-relative-not-natural/
FDAが今日の午後5つの企業にBMPEAを含む減量やエネルギー増強、ワークアウトサプリメントの販売をやめるよう警告した。この物質は食事成分の定義にあわない。
BMPEAは1930年代に最初につくられたアンフェタミンの類似化合物で驚くほど調べられていない。BMPEAに興奮作用や依存性があるかどうかはわからないものの、実験動物とヒトの試験1つで心拍数や血圧を上げるので、医師らは安全ではない可能性があると懸念していた。
BMPEA は世界アンチドーピング機構が選手の使用を禁止しているが、今月初めにPieter Cohen医師らが調べた21サプリメント中11から見つかったことを発表して国際的に注目を集めた。ハーバード大学医学部の准教授でCambridge Health Allianceの内科医であるPieter Cohenは当然のことながら、FDAが2年前にそれを報告していながら消費者をリスクに曝していることに立腹している。
サプリメントメーカーはBMPEAがAcacia rigidulaの天然成分だから合法だと主張する。しかしFDAの化学者はいくつかの植物検体を調べたが検出できなかった。
このためFDAは不正商標表示であるmisbrandedとしている。不正商標表示は軽微な違反のように聞こえるかもしれないが、これはFDAが健康リスクとなるダイエタリーサプリメントについて権限を行使できる数少ない方法の一つである。
FDAが警告を出した5企業のうちHi-Tech Pharmaceuticalsが明日CEOからコメントを出すと答えた以外は意見を求めたことに答えはない。
FDAの警告文書は直ちに販売をやめ、15日以内に対応についてFDAに報告することを求めている。
警告文書を受け取った5社のうち1社のみがPieter Cohenらの今月初めの論文に名前が挙がっている。CohenはAcacia rigidulaがBMPEAを示唆するコードだったのでAcacia rigidulaを含むサプリメントを調べた。一方FDAはBMPEAがラベルに書いてある製品を対象にしている。ここに少し断絶があり、Cohenは少なくとも他に10のAcacia rigidulaを含むと表示されていてBMPEAを含むサプリメントがあることを示している。このことを指摘するとFDAの広報Jennifer Doorenは「Acacia rigidulaを含む製品についての追加対応についてはコメントできない」という。
Cohenは今日のFDAの対応は足りないと感じている。
正しい方向へのわずかな前進ではあるが他に多くのサプリメントにBMPEAが含まれることをFDAも我々も知っている。

  • ヒト胚のゲノム編集−専門家の反応

SMC
Genome editing of human embryos – expert reaction
April 24th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/04/24/genome-editing-of-human-embryos-expert-reaction/
中国の研究者が最新技術を用いてヒト胚のゲノムを改変したという。
UK SMCが以下のコメントを集めた
Crick Institute のRobin Lovell Badge教授、科学について
Crick Institute のRobin Lovell Badge教授、法的問題について
King’s College London生命科学医学部幹細胞科学リーダーDusko Ilic博士
East Anglia大学Norwich医学部医療倫理専門家Anna Smajdor博士
Progress Educational Trust長Sarah Norcross
欧州バイオインフォマティクス研究所准教授Ewan Birney博士

広範な意見を紹介
英国は胚の操作については世界一先進的なので議論も活発。

  • BPAの新生児へのリスクはこれまで信じられていたより小さいかもしれない

BPA risk to newborns may be smaller than previously believed
23-Apr-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-04/jhub-brt042115.php
The Journal of Pediatricsに4月23日発表されたJohns Hopkins Bloomberg 公衆衛生大学院の研究者らの研究。2012年12月から2013年8月までの間に44人の満期でうまれた赤ちゃんの尿を生後3-6日の間に一度、7-27日の間にもう一度集めて、遊離のBPAとグルクロン酸抱合BPAを測定した。その結果尿から遊離のBPAは検出されなかったがグルクロン酸抱合BPAは70%以上から検出された。このことは乳児がBPAを不活性な形に代謝できることを示す。さらに乳児が母乳を与えられているかほ乳瓶でミルクを与えられているか、混合かでBPAに差はなく、食事以外の暴露源がある可能性を示唆する。

  • 松永さんが頑張っている

「安全性が確認できない」トクホ “却下”の製品が、機能性表示食品に
2015年4月22日
http://www.foocom.net/column/editor/12585/
蹴脂粒問題〜この場合、安全性と機能性は表裏一体
2015年4月23日
http://www.foocom.net/column/editor/12593/
(どうやら消費者庁は消費者を守るつもりはないらしい。それともこの制度の欠陥をわざわざ明確にしようとしたのかな?)