食品安全情報blog過去記事

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添加物評価

Extension of use of extracts of rosemary (E 392) in fat-based spreads
EFSA Journal 2015;13(5):4090[22 pp.]. 07 May 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4090.htm
安全性の懸念があるため詳細暴露評価を行うよう勧める。

Scientific Opinion on the re-evaluation of chlorophylls (E 140(i)) as food additives
EFSA Journal 2015;13(5):4089[51 pp.]. 07 May 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4089.htm
クロロフィル(E 140(i))はこれまで、1969年にFAO/WHO食品添加物専門家会議(JECFA)に、また1975年と1983年、そして幼い子供の特定医療用との関連で1996年に、食品に関する科学委員会(SCF)により評価された。どちらの委員会も許容一日摂取量(ADI)数値を設定しなかった。現在抽出物の最大90%までが同定されておらず、クロロフィル(E 140(i))はおそらく通常の食用植物素材やヒト用食品として認められないもの(草、ムラサキウマゴヤシ、イラクサ)から得られているので、規格はクロロフィル(E 140(i))を適切にカバーするために更新されるべきである。クロロフィル(E 140(i))の起源に基づき、パネルは農薬、マイコトキシン、生物活性のある他の成分(たとえば植物エストロゲン類、植物性自然毒、アレルギー源)に関するデータは規格に含まれるべきであり、有害影響(アレルゲン活性、内分泌の影響)の可能性を避けるためにできるだけ低く保つべきと結論した。数少ない生物学的データはクロロフィルが人にあまり吸収されず、クロロフィリン(クロロフィルの脱フィチル形)に代謝されないことを示す。クロロフィルの入手可能な毒性研究は限られており、経済協力開発機構(OECD)のガイドラインや現在規定されている要求に従っていないとパネルはみなしたので、ADIを設定することはできなかった。パネルは入手可能なクロロフィルのデータベースはリスク評価に不十分だと結論した。だが、クロロフィルは天然の食事成分で多くの食品に比較的高濃度で存在している。さらに、食品添加物クロロフィル(E 140(i))の使用による暴露量は、通常の食事からのクロロフィルへの暴露より低い。それゆえ、報告された使用量ではクロルフィル(E 140(i))は食品添加物として現在使用されていることに関して安全上の懸念ではないと結論した。

  • 食品添加物としてのクロロフィリン(E 140(ii))の再評価に関する科学的意見

Scientific Opinion on re-evaluation of chlorophyllins (E 140(ii)) as food additives
EFSA Journal 2015;13(5):4085 [42 pp.]. 07 May 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4085.htm
クロロフィリン(E 140(i))は、食用植物素材やヒト用食品として認められない草、ムラサキウマゴヤシ、イラクサのようなものからの溶媒抽出物して鹸化することで得られる。クロロフィリンは食品添加物E 140(ii)の着色物質の90%を占め、残りの部分は原料由来のオイル、脂質、ワックスと共にカロテノイドなどの他の色素でできている。「クロロフィリン」とされる多くの研究に使用された素材は、いつもではないが、かなり頻繁にクロロフィリンの銅錯体(E 141(ii))である。吸収、分布、代謝、排泄(ADME)とクロロフィリン(E 140(ii))の毒性に関するデータはない。クロロフィル(E 140(i))に関する入手可能なデータを考慮し、クロロフィリンはクロロフィル代謝物ではなく、物理化学的性質の違いから、これら2つの化合物の毒性データのリードアクロスは不可能だとパネルは結論した。市場で使用される食品添加物E 140(ii))を適切に同定するためにE 140(ii)の定義と同一性を注意深くレビューする必要がある。適切なADMEと毒性データがなく、クロロフィリン(E 140(ii))は通常の食事の天然成分でもヒトのクロロフィル代謝物でもないので、食品添加物としてのクロロフィリン(E 140(ii))の安全性を評価することは不可能だと結論した。

Scientific Opinion on the re-evaluation of ascorbic acid (E 300), sodium ascorbate (E 301) and calcium ascorbate (E 302) as food additives
EFSA Journal 2015;13(5):4087 [124 pp.]. 06 May 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4087.htm
食品添加物としてのアスコルビン酸とその塩の使用はFAO/WHO食品添加物専門家会議と食品に関する科学委員会によって評価された。アスコルビン酸は低用量ではナトリウム依存性能動輸送プロセスによりほぼ完全に腸から吸収され、飽和点に達すると吸収されない物質の量が増えて排出される。アスコルビン酸とその塩は急性毒性が低く、動物での短期テストでは多量でもほとんど影響がない。遺伝毒性の懸念はない。アスコルビン酸での長期発がん性試験では多量でも慢性毒性を示すことはなく、発がん性の兆候も示されなかった。出生前発達試験では発達上の有害影響は示されなかった。混合暴露量を推定した。暴露と毒性に関する適切なデータが入手可能で、有害影響は動物研究では報告されなかったため報告された使用法と使用量では食品添加物としてアスコルビン酸(E 300)・アスコルビン酸ナトリウム(E 301)・アスコルビン酸カルシウム(E 302)の使用に安全性の懸念はなく、アスコルビン酸とその塩のADIは必要ないと結論した。