食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 研究者らが「日焼け止めが精子数減少の原因」と主張する見出しに反応

Sense about science
Researchers respond to headlines claiming "Sunscreen blamed for drop in sperm counts"
18 June 2015
http://www.senseaboutscience.org/resources.php/196/researchers-respond-to-headlines-claiming-quotsunscreen-blamed-for-drop-in-sperm-countsquot
The Times(L)、The Daily Telegraph、The Daily Mailの2015年6月18日の記事が、化粧品や日焼け止めに使用されている合成化合物が精子の質を落としていると主張する。彼らは男の子の胎児に害を与える可能性があるため、男性は日焼け止めを使うことは中止すべきで妊娠女性は化粧と日焼け止めをさけるべきだと助言する。実際には化粧品や日焼け止めの化合物の精子の質の低さの関連には強い根拠はない。
シェフィールド大学男性病学教授Allan Pacey
私は精子の質が低下しているという研究の多くが後ろ向き研究で精子の質の測定方法が劇的に変わっているため確信していない。男性の生殖上の疾患は増加しているが原因については十分な根拠がない。妊娠中の化粧が胎児に有害か将来の精子の質に影響するかどうかもまだ明らかではない。これはさらなる研究が必要である。
エジンバラ大学男性生殖健康グループリーダーRichard Sharpe教授
私の意見では、ある種の化合物への低濃度暴露で精子の数が減っているという根拠はない。可能性は否定しないが。しかしながら紫外線を浴びすぎることによる有害影響には強い科学的根拠がある。男性や妊娠女性に日焼け止めを使うなと勧めることは私なら躊躇うだろう。

  • 短期絶食は健康状態を改善するかもしれない

Scienceニュース
Short-term fasting may improve health
By Mitch Leslie 18 June 2015
http://news.sciencemag.org/biology/2015/06/short-term-fasting-may-improve-health
カロリー制限は各種生物の寿命を延ばしがんや心疾患などの高齢になってからの病気を減らすがヒトでの長期影響は確認されていない。仮にカロリー制限が寿命を延ばすとしても、何年もずっと食べる量を減らすのは難しい。もう少しやりやすい方法として短期絶食がある。南カリフォルニア大学の老年学研究者Valter Longoらは毎月4日間2回の低下ロリー低タンパク質食にした中年マウスは平均3ヶ月長生きすることをCell Metabolismに発表した。絶食マウスは脂肪が少なくがんで死ぬ率が低かった。何日間か水しか飲まないハードコア絶食ではなく、1日725-1090カロリーの食事を5日間、その後は普通の食事に戻るという実験を19人で行った(対照群19人)。この絶食類似計画を三ラウンド(3ヶ月)行ったところ参加者の身体状態が改善したように見える。

  • 更新:純粋な「エクスタシー」は規制されるべきか?−専門家の反応

SMC NZ
UPDATED: Should pure ‘ecstasy’ be regulated? – Expert reaction
June 18th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/06/18/should-mdma-be-legal-expert-reaction/
ウェリントンの救急医Paul Quigleyが純粋なMDMAを合法的に販売することを検討するよう公式に呼びかけた
MDMAはエクスタシー錠剤の有効成分であるが、今やエクスタシーとして販売されている錠剤にはしばしばその他の向精神薬が含まれている。Quigley医師の意見は最初ニュージーランド薬物財団の雑紙に報告されていたが今週メディアで大きく報道され、Dominion Postでは一面を飾った。エクスタシーとして販売されている錠剤に含まれる各種新規薬物のリスクを考えると、MDMAは向精神薬法のもとで認可することを検討すべきだとQuigley医師はいう
ラジオニュージーランドでの彼の見解の録音を聞くことができる
SMCは以下の専門家のコメントを集めた
ビクトリア大学ウェリントン校犯罪研究所Julian Buchanan准教授
どんな薬物も安全ではない。David Nutt教授の研究によればMDMAはアルコールと煙草より害が少ない。犯罪に分類することは使用には限られた影響しかないがより危険な薬物を使うようにするので、MDMAに限らず全ての薬物を規制することまで考えたい。
医療人類学者で独立した研究者のGeoff Noller博士
Quigley医師の意見は検討に値する。全ての薬物同様MDMAには有害影響がある。ニュージーランドの根拠は使用者が比較的多いにもかかわらず多くの薬物使用者に負の影響はそれほど無いことを示している。しかしながら重要な懸念は消費者がエクスタシー錠剤の真の内容物を知る術がないことである。適切なガイドラインと規制の下で合法化することを希望する人もいるだろう。
Massey大学SHORE & Whariki研究センター上級研究者Chris Wilkins博士
理論的にはMDMAのリスクが低いという根拠があるなら向精神薬法による認可は可能である。理論的にはそうだが現在標準的な試験法での毒性や臨床試験データはない。またMDMAが安全であってもある種の行動と組み合わせて使われると致死的になる。
MDMA規制に関するメディアの騒動
Media buzz over MDMA regulation
June 19th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/06/19/media-buzz-over-mdma-regulation/
関連報道へのリンク