食品安全情報blog過去記事

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新しいダイオキシンリスク評価を計画中、とEFSAは述べる

New dioxins risk assessment planned, says EFSA
29 May 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/150529.htm
EFSAの新しい科学的声明は食品と飼料中のダイオキシンの様々な推奨安全濃度をレビューする。EFSAは最近欧州委員会の要請を受けて、食品と飼料中のダイオキシンダイオキシン様PCBの存在に関する動物とヒトの健康のための包括的リスク評価を助言した。これはEFSA初の飼料中のダイオキシンのリスク評価となるだろう。
さまざまな機関がダイオキシンのリスク評価を行い、様々な推奨安全濃度(「健康に基づくガイドライン値」として知られる)を導出している。EFSAは(欧州委員会の)食品に関する科学的委員会、国連食糧農業機関世界保健機関合同食品添加物専門家委員会(JECFA)、米国環境保護庁(EPA)が以前取り組んだアプローチとガイダンス値をレビューした。
ダイオキシンダイオキシン様PCBは燃焼過程や産業排出物の結果、それぞれ環境中に存在する。これらの汚染物質は環境中に存続し食品チェーンに入ることがある。それらは生物に蓄積し、それらから生じる健康ハザードについて公衆の懸念がある。

ダイオキシンダイオキシン様PCBの健康影響に基づく指標値に関する科学的声明
Scientific statement on the health-based guidance values for dioxins and dioxin-like PCBs
EFSA Journal 2015;13(5):4124 [14 pp.]. 29 May 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4124.htm
様々な機関がダイオキシンのリスク評価に取り組み一連の健康影響に基づく指標値を発表してきた。この報告書では、食品に関する科学委員会(SCF)、国連食糧農業機関世界保健機関合同食品添加物専門家委員会(JECFA)、アメリカ合衆国環境保護庁(US EPA)が採用したアプローチと、最終的に導出される数値に様々なアプローチがどのように影響を与えたのかを調べた。SCF と JECFAは、健康影響に基づく指標値(HBGV)を導出するための重要な研究は動物実験だと結論し、一方US EPAは入手可能な場合はヒトのデータを優先した。SCF と JECFAはラットのデータからHBGVを導出するために身体負荷量ワンコンパートメントキネティクスを適用し、他方US EPAは疫学研究から推定された血中濃度の生理学に基づいた薬物動態モデルを適用した。US EPAは無毒性量(NOAEL)がなかったため最低毒性量(LOAEL)にデフォルトの不確実係数10を適用したのに対して、SCF と JECFAはLAOELがNOAEL(他の動物実験で観察された)に近かったため不確実係数3を採用した。その結果US EPAが設定した参照用量は許容一週間摂取量(TWI)/ 暫定的許容一か月間摂取量(PMTI)の3分の1となった。これらの機関が取り組んだ最新の評価に異なるアプローチが使用されたことを考慮して、飼料と食品のダイオキシンダイオキシンポリ塩化ビフェニル(dl-PCBs)に関する包括的リスク評価に着手することが適切であろう。

・飼料中のダイオキシンダイオキシン様PCBの存在に関する動物とヒトの健康リスクに関する科学的意見の委任
http://registerofquestions.efsa.europa.eu/raw-war/mandateLoader?mandate=M-2015-0011