食品安全情報blog過去記事

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食品中塩素酸に関連する公衆衛生リスク

Risks for public health related to the presence of chlorate in food
EFSA Journal 2015;13(6):4135[103 pp.]. 24 June 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4135.htm
欧州委員会からの要請によりEFSAのCONTAMパネルが食品中塩素酸に関連する公衆衛生リスクを評価した。食品の加工に塩素を含む水を使ったり加工用装置の殺菌により食品に塩素酸が含まれ得る。塩素酸塩の慢性暴露による最も重要な影響はヒトにおけるヨウ素の取り込み阻害であることが同定されている。過塩素酸塩ヨウ素取り込み阻害によるTDI 0.3 g/kg体重を流用して塩素酸塩の作用の低さを考慮して10倍して塩素酸塩のTDIを3 g/kg体重に設定した。塩素酸塩の急性影響における最も重要な影響はメトヘモグロビンの生成で、臨床試験のNOELからARfD 36g/kg体重を導出した。
青少年と成人の慢性暴露はTDIを超過しない。しかしながら全ての調査での乳幼児と一部の調査での「その他の子ども」の95パーセンタイルではTDIを超過する。特に軽度から中程度のヨウ素欠乏のある小さい子どもでの慢性暴露は懸念となる。
全ての年齢層での平均と95パーセンタイルの急性暴露はARfD以下で懸念とはならない。
現在の食品業界の状況をもとに、全ての食品と飲料に仮想的最大残留基準(MRL)0.7 mg/kgを設定したとしても、急性/慢性暴露や関連するリスクへの影響は最小限に留まる。1日に摂取する全ての食品と飲料の塩素酸塩濃度を)0.7 mg/kgとすると、急性暴露量は最大約5倍に増加し、乳幼児の平均推定とその他の子どもと成人での95パーセンタイルでARfDを超過する。