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EFSAは科学評価のための「不確実性ツールボックス」を提案する

EFSA proposes “uncertainty toolbox” for its scientific assessments
18 June 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/150618c.htm
EFSAは科学評価における不確実性についてのガイダンス案に意見を募集する。
科学的不確実性を同定し記述すること、そしてその評価の結論への影響を説明することはEFSAの透明性の高い科学的助言を提供する責任の重要な一部である。
科学者は科学的評価における不確実性をもたらす広範な要因に対応しようと常に努力している。それらには、データの質や代表性に関する限界、国や分類で標準化されていないデータを比較することの困難さ、他のものではなくある予想モデル技術を選ぶこと、平均成人体重のようなデフォルト値を使うこと、などが含まれる。科学者がそれらをどう説明し、EFSAのような公共機関がそれをどうリスク管理者や関係者、広範な一般の人々に伝えるかは評価のリスクとベネフィットについての認識とそれに伴う政策決定や個人の選択を変える可能性がある。
EFSAの科学委員会は、全ての科学的評価の科学的不確実性を解析するための、定性的及び定量的な方法論のツールボックスを提供するガイダンス文書を開発した。各評価の状況に応じて十分柔軟であることを目指した。例えば数時間以内に助言が必要な緊急時から、長期にわたる全ての科学的根拠の包括的レビューまで、あるいは良くわかっている問題からエビデンスのない科学の最前線まで。
これらのツールを使うことでEFSAは政策決定者に対して、各評価に影響する科学的不確実性について、より明確な像を与え、可能であればその結論への影響を定量化することを目指した。
この意見募集で集められた意見とさらなる改訂を経て、EFSAの各科学委員会はこのガイダンスを予備的に試験する。その結果をもとにさらにガイダンス文書を精細化して最終的なものとする。それまでEFSAは科学的不確実性を異なる聴衆に伝えるための最良の方法を探る。一旦承認されれば、このガイダンスはEFSAの全ての科学的評価に適用される。
意見の提出は2015年9月10日まで。
Public consultation on Draft Guidance document on Uncertainty in Scientific Assessment
http://www.efsa.europa.eu/en/consultations/call/150618.htm
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