食品安全情報blog過去記事

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小売りでの魚の貯蔵:EFSAの温度についての助言

Fish storage at retail: EFSA advises on temperature
1 July 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/150701.htm
保管の時間と包装の二酸化炭素含量が、主要温度依存性ハザードであるヒスタミン生成に対する温度の作用に影響する二つの主要因子である。科学者はEUの食品安全のための各種保存温度基準に合致するこれら二つの要因の組み合わせを同定した。これらがEFSAの小売店での包装済み水産物の温度に適用される報告書の結論の一部である。
ヒスタミンは加工・調理前に適切に冷蔵されないと一部の魚に生じる物質である。EUでは魚中濃度が規制されている。まぐろ、サーディン、サバ、アンチョビなどでヒスタミンが生じる。
EUではヒスタミン中毒は水産物による病気としては最もよくみられる。2013年には42件231人のアウトブレイクが報告されている。しかし実際の事例は報告数より多分多い。
ヒスタミンを高濃度含む水産物は見た目や臭いに変化はないが病気をおこす。症状は口や喉のチクチクする感じや焼ける感じ、発疹、頭痛、下痢などで通常食べてから1時間以内に始まる。調理や冷凍、缶詰加工では一度できたヒスタミンは破壊されない。最良の予防法はコールドチェーンを維持し魚を冷蔵し続けることで生成を止めることである。
評価を行うにあたり、EFSAの科学者はヒスタミン生成に好適な条件を想定した細菌増殖予測モデルを用いた。
EFSAはヒスタミンの生成が主要ハザードであると同定したが意見ではListeria monocytogenes, Clostridium botulinum,および Yersinia enterocolitica.も評価している。
Scientific and technical assistance on the evaluation of the temperature to be applied to pre-packed fishery products at retail level
EFSA Journal 2015;13(7):4162 [48 pp.].  01 July 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4162.htm
(微生物管理なのだがヒスタミンは化学物質と分類されるので。コールドチェーン大事。お買い物したらすぐ帰って冷蔵庫へ。)