食品安全情報blog過去記事

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マルハナバチの論文

  • マルハナバチは北米とヨーロッパで気候が暖かくなるにつれ消えている

Bumblebees disappearing as climate warms in North America and Europe, study finds
9-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/yu-bda070315.php
Scienceに発表された研究。マルハナバチは気候が温暖化するにつれて南部で失われているが、他の種がさらに北に移動するのと違ってマルハナバチは北進しない。そのため数が減っている。

Scienceニュース
Bumblebees being crushed by climate change
By Cally Carswell 9 July 2015
http://news.sciencemag.org/biology/2015/07/bumblebees-being-crushed-climate-change
気候が変わると動植物は異動して分布パターンを変える。しかしマルハナバチは不穏な例外のようだ。

  • 気候変動はミツバチの集団を破壊する

Natureニュース
Climate change crushes bee populations
Daniel Cressey 09 July 2015
http://www.nature.com/news/climate-change-crushes-bee-populations-1.17950
気温が上昇するにつれてマルハナバチの住処が縮小している
Sussex大学のミツバチ研究者Dave Goulsonは「これまでミツバチの減少には住処の消失、農薬使用、ミツバチの寄生虫の拡大に焦点があてられていたが、この研究は4つめの要因、気候変動が負荷となっていることを示した。」

SMC NZ
Warming puts the squeeze on bumble bees – Expert reaction
July 10th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/07/10/warming-puts-the-squeeze-on-bumble-bees-expert-reaction/
Scienceに発表された新しい包括的研究がマルハナバチに与える気候変動の影響を追跡し、地球温暖化が北米と欧州でこれらのハチの住む地域を急速に狭めていることを発見した。
UK SMCが以下の専門家のコメントを集めた
East Anglia大学環境科学部Aldina Franco博士
蝶と同様マルハナバチも温暖化した場所から消え新しい生息地を探せないでいる。マルハナバチは重要な種で、気候変動と生息地の分断による壊滅的影響を予防するための戦略をたてる必要がある
ロンドン動物学会リサーチフェローNathalie Pettorelli博士
このマクロ生態研究はしっかりしたものだと信じる。そして気候変動の野生生物への影響について新たな疑問の引き金を引く。
Sussex大学国際ミツバチ研究学会科学部長Norman Carreck博士
これまで私は授粉媒介者の減少の要因として気候変動の影響はあまり重視してこなかった。彼らは飛べるので気候が変われば適したところに移住するだろうと。しかしこの論文は現実はもっと複雑であることを明らかにした。マルハナバチは特に温度上昇に弱い。これは重要な論文である。
Sussex大学生物学教授David Goulson教授
この研究はしっかりしたものに見える。結果は全く驚くものではないが最初の明確な根拠である。これまでミツバチの減少は生息地の消失、農薬、寄生虫の3つが注目されていたがこの研究は気候変動を加える。
Guelph大学授粉媒介者保護のRebanks Family 議長Nigel Raine教授
マルハナバチは多くの作物や野生の花にとって重要な授粉媒介者であり、気候変動に適応できていないのは非常に心配である。