食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 研究:2つの米国主要帯水層は天然ウランに汚染されている

Study: 2 major US aquifers contaminated by natural uranium
17-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/uon-stm081715.php
天然ウランが農業関連汚染により動員されている
Environmental Science and Technology Lettersに発表されたウランと硝酸の調査結果。
地図あり。ウランはMCL 30 microg/L、硝酸は10 mg/Lで図示
(これはEPAの値で日本の水道水質管理目標は0.002mg/L以下(暫定)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html
ラドンが問題になるんだから当然ウランはある。ウランは化学毒性のほうが問題。最近管理目標下げたのだがこれってかなり厳しい数字。外国産ミネラルウォーターとか有り難がってる人いるけど水道水ならアウトのもの結構ある。)

  • 生命医学研究の投資の見返りは低下している

Return on investment slipping in biomedical research
17-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/jhub-roi081315.php
米国で過去50年に生命医学研究により多くのお金が使われるようになるにつれて、寿命の伸びや新薬などの投資の見返りは減りつつある。PNAS。
1965年以降科学者の数は9倍以上、NIHの予算は4倍に増えたがFDAに認可された新薬は2倍ちょっとしか増えていない。一方寿命の伸びは年に約2ヶ月と一定のままである。
一つの要因として研究の規制強化で科学以外の部分での負担が増えたこと、簡単な治療法のない病気が課題になっていること、さらに科学者が有名雑誌に論文を出すことだけを目標にした結果論文取り下げや再現性のない無価値な論文が大流行していること、価値のない研究が誇大宣伝されていることなどを挙げている。
(米国だけではない。珍しい病気の「新しい」治療法に熱狂するより食品安全みたいな地味な分野の研究者増やすほうが広く公衆衛生上のメリットがあるのにそうはなってないよね)

  • 毎日コーヒーを飲むことが結腸がん患者の生存率を改善するかもしれない

Drinking coffee daily may improve survival in colon cancer patients
17-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/dci-dcd081615.php
Journal of Clinical Oncologyに発表された研究によると、ステージIII結腸がんで手術と化学療法を行った患者で、1日に4杯以上のカフェイン入りコーヒーを飲む患者は、コーヒーを飲まない患者に比べてがんの再発が42%少なくがんやほかの原因での死亡が33%少なかった。約1000人の患者のデータ。期待できる結果ではあるが他の研究で確認されるまで患者にコーヒーを飲むことを薦めはしない、と著者は言う
(率しか書いてなくて実数の記載のないプレスリリース)

  • 総脂肪摂取量の体重への影響

コクランレビュー
Effects of total fat intake on body weight
7 August 2015
http://onlinelibrary.wiley.com/enhanced/doi/10.1002/14651858.CD011834/
食品中の脂肪を減らすことによる体重への影響は明確ではない
(脂肪を減らすと少し減るという報告はある)