食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 「根拠をたずねよう」教育計画発表

Sense about science
Ask for Evidence lesson plan launched today
3 September 2015
http://www.senseaboutscience.org/news.php/453/ask-for-evidence-lesson-plan-launched-today
13-16才向けの、もし何かを見たり聞いたりしたときにエビデンスを用いて主張を評価する方法を学ぶための計画を提供
'Ask for Evidence' Lesson Plan
https://www.tes.com/teaching-resource/-ask-for-evidence-lesson-plan-11106634

The Evidence Supports Artificial Sweeteners Over Sugar
JULY 27, 2015
Aaron E. Carroll
http://www.nytimes.com/2015/07/28/upshot/the-evidence-supports-artificial-sweeteners-over-sugar.html?source=acsh.org&_r=0
ここ数年私は友人達の人工甘味料と砂糖のどっちが悪いかを巡るバトルを見てきた。全ての甘い飲み物を諦めるのでないかぎり、どちらかは選ぶだろう。噂や神話を根拠にするより、研究を根拠にできる。入手できる根拠は砂糖の摂取量と健康問題は関連がありそうだが人工甘味料では検出できないということである。
人工甘味料について見てみよう。最も古い甘味料のひとつはサッカリンである。1980年以降、議会はサッカリンを含む製品に「この製品の使用はあなたの健康に害があるかもしれない。この製品には実験動物でがんを誘発することがわかったサッカリンが含まれる」と表示することを義務づけた。しかしヒトで確認されたことはなくその後サッカリンの発がん性は否定され2000年には発がん物質リストから削除された。しかしもう意見は固まっていてそのことで誰も安全だとは感じない。サッカリンが米国で批判され始めた頃アスパルテームが導入された。動物でがんはできなかったのでサッカリンより安全だとみなされた。しかし1996年に「脳腫瘍発症率の増加:アスパルテームと関連があるか?」という論文が発表され、ほとんどの人が疑問符を無視した。この論文は1975年から1992年の間に脳腫瘍が増加した、その間アスパルテームの摂取量が増えた、というロジックであった。アスパルテームの認可は1981年で1970年代の腫瘍の増加がアスパルテームのせいだというのは不可能である。別の人は後の厳しく批判されているラットの研究を引用する。しかし多数の研究がアスパルテームの安全性を確認している。フェニルケトン尿症の人が制限する必要があるのは事実だが、ほとんどの人にとって認可されている全ての人工甘味料の普通の使用は安全である。
砂糖はどうだろうか?添加された糖の摂取と肥満や2型糖尿病リスクとの関連は明確である。

  • グルテンフリーGM小麦はセリアック病患者の役に立てる

Gluten-free GM wheat can help celiac patients
28 August 2015
http://www.biofortified.org/2015/08/gluten-free-gm-wheat-can-help-celiac-patients/
小麦は世界で最も良く食べられている作物の一つであるがセリアック病患者は食べられない。小麦以外の穀物を使ったグルテンフリーの食品を食べているがバイオテクノロジーで解決できるかもしれない。現在パンを作るのに使われている小麦は非常に複雑な遺伝子をもち、通常の交配技術ではグルテンを作らない品種を作るのは非常に困難である。そこでスペインの国立研究所のFrancisco Barro博士らのグループはRNA干渉技術を用いて問題のあるグリアジン分子を作らないようにすることにした。彼らの研究は2011年にPNASに発表され、GM小麦の17系統中4は普通の小麦に比べて最大95%グリアジンが少なかった。そして2014年には低グリアジン小麦で作ったパンは普通の小麦で作ったパンと遜色がないことをPLoS Oneに発表した。次のステップはセリアック病患者での臨床試験で、スペインで9月に始まる予定である。
しかし問題は市販である。EUGM作物規制は矛盾が多く「グルテンフリー」GM小麦が市販できる可能性は低い。実際この作物を販売しようとするスペイン企業は一つもない。英国と米国の企業が関心を寄せている。

  • Jamie Oliverの砂糖との「絶対的戦争」キャンペーン

Jamie Oliver back on campaign trail with ‘absolute war’ on sugar
September 3, 2015
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/9197d498-526c-11e5-8642-453585f2cfcd.html#axzz3kjZdmz6o
セレブシェフJamie Oliverが添加された砂糖との戦いを描いたドキュメンタリー映画「シュガーラッシュ」を公開し政府に砂糖への課税を求める署名を集めている。しかしこれに対して、自分のレストランの砂糖含量については透明性を欠くと批判されている。10月のオンラインメニューの変更の才に栄養成分に砂糖を加えると言っている。
英国医師会は先月砂糖入り飲料に20%の課税を要請した。
現時点では政府は企業による自主的取り組みを好んでいる

  • NSWの母親が初めての「反ワクチン」保育施設をひらく予定

NSW mother to open first 'anti-vaccination' childcare centre
Sep 4, 2015
http://www.aww.com.au/latest-news/news-stories/nsw-mother-to-open-first-anti-vaccination-childcare-centre-22082
健康の専門家から批判
予防接種をしていない子どもは保育園に預けられないという政府の方針を「人権侵害」だと主張する2人の子どもの母親Juanita “Wanda” HaldenがFacebookに投稿し、数人から支持を得たとしている。しかし批判のほうが大きい。

Three people rushed to hospital after overdosing on fentanyl
Thursday, September 3, 2015
http://winnipeg.ctvnews.ca/three-people-rushed-to-hospital-after-overdosing-on-fentanyl-1.2546750
1日に3人がフェンタニル過剰使用で入院したため、ウィニペグ警察は違法薬物の危険性について警告。
フェンタニルと知ってて使用して救急車を呼んでいるような人が警察の警告をちゃんと聞くだろうか)

  • 機能性表示食品制度は、自壊した〜蹴脂粒問題に思う

2015年9月3日
http://www.foocom.net/column/editor/13178/
松永さん
(消費者庁長官が食品安全確保のための基本を無視して消費者を守らないと宣言したのか・・それって悪い意味で「画期的」だけど。まあ米国同様健康被害が企業から報告されることは多分なく、隠しようのないほど死体が積み重なって初めて問題になるのだろう。その時には責任者は逃げている可能性が高いが。死体になりたくなければ手を出さないこと。
アメリカでダイエタリーサプリメントで何人死んでもFDAの責任ではない、ということを消費者庁は認識してなさそう。FDAはその名の通り食品と医薬品には責任をもつが「ダイエタリーサプリメント」は食品ではない。監視しない代わりに責任も企業にある。機能性表示食品は食品なので役所の責任は問われるんじゃないかな。)