食品安全情報blog過去記事

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その他

  • あなたの仕事を見せて

Sense about science
Show your workings
21 October 2015
http://www.senseaboutscience.org/news.php/461/show-your-workings
政府のエビデンスの使用に関する透明度を測定する新しいツール発表
我々は政府には根拠に基づいた政策を行うよう、あるいはエビデンスとそれを却下した明確な理由を知っていること期待している。しかし各省が私達に教えてくれないのにどうやったら政策の背景にあるエビデンスを計ることができる?
Sense About Scienceではある種の政策の理由付けを明らかにするのが困難であることを経験している。政府の研究所のような機関でも難しい。そこで多くの人たちと協力してエビデンスの透明性を計る枠組みを開発した。2016年はこれを使って各機関を比較しランキングしようとしている。あなたの意見も歓迎する。
Assessing how government uses evidence to make policy
http://www.instituteforgovernment.org.uk/publications/show-your-workings
(ここからPDFがダウンロードできる)

  • 選んで混ぜる

Natureエディトリアル
Pick and mix
21 October 2015
http://www.nature.com/news/pick-and-mix-1.18597
食品規制者は安全性のメニューに新しい形のデータをおく
イタリアのチョコレート、バングラデシュのサモサ、チリのコーンブレッドフラン、トルクメニスタンチャパティ−世界中の伝統食品の香りがミラノ万博2015の会場に魅力的に漂う。みんな美味しそう、でも全て安全だろうか?将来の食品は安全?誰が判断しそしてその根拠は?
欧州ではEFSAが新しい食品が販売できるかどうかを決め、その仕事は世界中の同様の機関同様、ますます難しくなっている。技術の進歩がますます多くの新規食品を作り出している。
同じ技術がインターネットやデータベースなど、安全性評価に関するますます多くの情報を作りだしている:例えばゲノムやプロテオーム解析によるテラバイトの分子情報、あるいはクラウドソーシングにより生み出される定性的データ、など。
EFSAの決定に対する一般の人々の信頼はまだらで、これまではEFSAはこれらの技術の問題や解決についてはあまり積極的には関与してこなかった。しかしミラノでの万博に付随した3日間の会合では、EFSAは現代の課題に新たに関与すると発表した。それなら、EFSAは透明性に欠けるという不当な評判を修正するきっかけにできる。
EFSAは2002年に作られEUで最もよく知られた独立した科学助言機関であるが、そのGM作物の安全性についての独立した科学的助言は多くのEU加盟国によって何度も拒否されてきた。ほとんどの場合新規食品の安全性に関するEFSAの科学的助言は政治的に疑問無く受け容れられている。しかしGMについてのあれこれはこの公的科学の専門性に対する一般の不信を促進してきた。EFSAの委託した科学専門家達は何年にもわたりGM技術やその産物が健康や環境にとってリスクとなるかどうかのデータを解析して助言を行ってきた。何度も反対派が危険性を示す新しいデータがあると主張した。EU単一市場の例外として加盟国は個々に特定作物の栽培を認めるかどうか決めることができ、EFSAが安全だと評価したにもかかわらず19ヶ国がオプトアウトを登録した。
EFSAはリスク評価については良い仕事をしているし透明性も高い。しかし不信を止めるにはもっとやる必要がある。リスク評価は一般向けに伝えるには複雑な科学で新しい情報によりますます複雑になる。EFSAは個々の判断にどのデータを用いたか、その判断の不確実性を決めるのにどの方法を用いたかを透明にしなければならない。さらに異なる種類のデータの重み付けをどう判断したのかについても透明にする方法を見つけなければならない。
EFSAは一つの事例である。今年EFSAは不確実性のコミュニケーションについてパブリックコメントを募集し、方法論のツールボックスを来年系統的に調べる。そのような方法は、例えばコンピューターモデルで作ったり動物実験で得られたデータ、ソーシャルメディアで集めたデータの根拠の重みづけをどうするか、あるいは生物で観察された特定の変化が生物学的に意味があるのかどうかなどの問題に対応するだろう。
その定義上、リスク評価は決して単純な答えを出さない。そして心配な市民は決して科学の専門性を盲目的に信頼することはない。だからこそデータソースとその解析方法についての透明性が重要なのだ。人によっては全く同じデータを異なる解釈をするだろう。市民に必要なのはリスク評価者がどうデータを解釈しているのかについての明確な像である−それによってリスク管理者の最終決定を疑うか受け容れるかを決めることができる。
(日本はGMではない新規食品は評価していないのでちょっと事情が違うけど。つまり日本は食品としてならそれがどんなに有害でも売ることができる。有害だという根拠がないと対応できない。GMや添加物にいくら難癖つけても意味がないのはそこなのに。)

  • イタリアでオーガニック食品の販売が増加

Organic Food Sales on the Rise in Italy
by Dimitrios Dimakakos  October 3rd, 2015
http://blog.euromonitor.com/2015/10/organic-food-italy.html
2010-2015の間にオーガニック食品の販売額は複合年間成長率12.3%増加で西ヨーロッパではトルコに次いで二番目の成長率を示した。しかしその理由は?
製品の種類が増えたこと、菜食主義、付加価値追求
欧州ベジタリアン連合によるとイタリアはEUで最も菜食主義者が多く、人口の10%、600万人以上がベジタリアンである。そしてこのような人たちはオーガニック野菜や果物に多くお金を使う。
包装済み食品で最も増加したオーガニック食品はパスタで、イタリア人がよく食べるものである。他はコメ、ハチミツ、チーズが増えている。
国産志向も強くなっている。経済危機に際して消費者は地元企業を支援しようとした。

  • 寿命:英国の金持ちの男性が初めて平均的女性を上まわった、統計局の数字が明らかに

Life expectancy: Britain's richest men are outliving the average woman for the first time, ONS figures reveal
21 Oct 2015
http://www.telegraph.co.uk/news/health/news/11945833/Britains-richest-men-are-outliving-the-average-woman-for-the-first-time-ONS-figures-reveal.html
過去30年、男女の寿命差が縮まりつつあり、男性は7年伸びて79.1才、女性は4年半伸びて82.4才になった。そして管理職や権限の大きい仕事に就いている豊かな男性の寿命が82.5才と、女性平均をわずかに上回った。
男女差の縮小は男性の労働環境の大きな変化、特に重工業や鉱山労働の減少と、喫煙率の低下などのライフスタイル変化による。一方女性はフルタイムの仕事をしながら家事もしなければならないプレッシャーが重荷になっている。ただし豊かな女性の寿命は85.2才と男性より長い。
統計局によると男女両方で社会経済的状態による寿命の差が拡大している

  • レストランチェーンが子どもメニューとソーダのお代わりで批判される

Theguardian
Restaurant chains criticised over children's menus and soda refills
Rebecca Smithers  Thursday 22 October 2015
http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2015/oct/22/restaurant-chains-childrens-menus-soda-refills
英国大手レストランやパブチェーンの子ども向けメニューにフライドポテトやハンバーガーや炭酸飲料が多いことが子どもに健康的食品を選ぶことを不可能にしている、とSoil Associationが報告する。調査した21レストランの半分以上が食品の産地を表示していなく、チェーン店の多くは店舗で原料から調理していない。さらに一部の店は砂糖入り飲料をお代わり無料にしていると批判している。Soil Associationはオーガニック推進団体で、Wetherspoonsが持続可能なタラ、放し飼いの卵、英国産の保証付き牛肉をメニューに載せていることを良いことだとしている。
(あんまり意味のない批判。国産だったら品質関係なく良いものだと判断する人が多い国では世界に輸出できる企業は育たない。日本のことだけど)