食品安全情報blog過去記事

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  • 低カロリー甘味料、エネルギー摂取、体重のメタ解析への専門家の反応

SMC
expert reaction to meta-analysis of low-energy sweeteners, energy intake and body weight
November 10, 2015
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-meta-analysis-of-low-energy-sweeteners-energy-intake-and-body-weight/
低カロリー甘味料のエネルギー摂取と体重への影響を調べたレビューがInternational Journal of Obesityに発表された。
ケンブリッジ大学代謝研究部長臨床生化学と医学教授Stephen O’Rahilly教授
特定の食品成分とヒト健康の関連についての疑問に明確な答えを得ることは、しばしば人が食べるものについての正確なデータを得るのが困難であるという技術的課題だけでなく影響力のあるコメンテーターの固い信念により混乱する。この論文は人工甘味料と肥満リスクの関連について発表された論文の全てを可能な限り客観的に偏見無く検討しようとした清々しいものである。著者の結論、カロリーのない甘味料で甘くした飲料を習慣的に飲むことは、砂糖で甘くした飲料に比べると肥満リスクが高くなるのではなく低くなる傾向と関連する、は説得力がある。人工甘味料で甘くした飲料が砂糖入り飲料より肥満の原因になりにくいだけではなく、水と少なくとも同等あるいは優れているようである。重要なことは、甘い味がするのにカロリーがないものは肥満を促進するという良くある考え方は既存のデータを客観的に解析すると支持されないということである。
St George病院NHSトラストの主任栄養士Catherine Collins氏
「低カロリー飲料を選ぶときのポイントは?」というのは減量しようとする人から良く聞かれる質問である。メディアには、一部の研究で甘味料が体重を増やすかもしれないことが示唆されているからといって、砂糖入りのカロリーの高い飲料を低カロリーのものに代えても減量には役にたたないという無知なコメントが溢れている。
なのでこのレビューは歓迎できる。著者は、恐ろしく大量の動物実験があるが、我々の食生活での甘味料の使用方法とはほとんど関係がないと言っている。これらのマウスやラットの実験の多くは甘味料や砂糖だけでなく食事を変えていたり動物にヒトなら数百錠の甘味料に相当するものを毎日与えていたりする。また甘味料の入った飲料の体重への影響を異なる食事法の中で分離するのは困難である。
しかしながら既存のヒト研究から、砂糖入り飲料の代わりに低カロリー甘味料を使ったものを選ぶことは一貫してカロリー摂取量を減らし、子どもでも成人でも体重を減らすのに寄与していること結論した。これは驚くべきことではない。なぜならコーラ500mLは200カロリーなのにダイエットコーラは2カロリー以下なのだから。もちろん低カロリー甘味料を使うことで減量に成功するかどうかは毎日の食事全体による。著者は平均すると砂糖の代わりに低カロリー甘味料を使うことで1日75から514カロリーを減らしていることを示した。
最後に著者は低カロリー甘味料は甘いものを多く食べさせて余計にカロリーをとって体重が増えるという栄養に関する神話を破壊している。実際には逆である。低カロリー甘味料は体重管理に役立つ。ついでに歯も守る。
(ここでuninformed(知識が足りない)言説と言われているものの典型が「カロリーゼロにだまされるな―――本当は怖い人工甘味料の裏側 大西 睦子」。この本にはコカコーラゼロには100mLあたり7mgのナトリウムが含まれているので「塩分の摂りすぎになります」。「これが腎機能や血管系疾患リスクが増大する原因かもしれません」(p101)とか書いてあって、わりと親切に常識のある人はおかしいことに気がつくようにできている。著者の結論ありきのスタンスも明らか。そして公衆衛生上有害。)

  • 欧州委員会はそのトップ科学アドバイザーに7人の研究者を指名

Natureニュース
European Commission names seven researchers as its top science advisers
10 November 2015
http://www.nature.com/news/european-commission-names-seven-researchers-as-its-top-science-advisers-1.18759
7人の中で最も有名なのはCERNを辞職したRolf-Dieter Heuer。他は英国Julia Slingo 、オランダPearl Dykstra 、リスボンElvira Fortunato 、パリCédric Villani 、デンマークHenrik Wegener 、ワルシャワJanusz Bujnicki

  • 何故中年白人アメリカ人がこんなに高死亡率なのかについての5つの説

5 theories about why middle-aged, white Americans are dying at such high rates
Monday, November 9, 2015
http://www.goshennews.com/cnhi_network/theories-about-why-middle-aged-white-americans-are-dying-at/article_a771797a-496e-5df4-8268-7e6c55de18e5.html
PNASに発表された解析に関して。多くが精神的ストレスに関連する。
1.アメリカのオピオイド濫用の流行
2.アルコール中毒
3.自殺
4.アメリカンドリームの終焉?
5.家族のサポートネットワークの崩壊−結婚がアメリカの階級を分ける線になった、

  • 植物油が「有害化合物を放出する」

Vegetable oils 'release toxic chemicals'
Monday, 09 November 2015
http://m.nzherald.co.nz/lifestyle/news/article.cfm?c_id=6&objectid=11542102
英国で報道されたGrootveldの話がニュージーランドヘラルドにも
(この話が気になったら
食品中製造副生成物リストをどうぞ
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/kanshi/index-kanshi.html