食品安全情報blog過去記事

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その他グリホサート関連

  • EFSAのグリホサートの安全性に関する結論についての専門家の反応

SMC
expert reaction to EFSA’s conclusions on glyphosate safety
November 12, 2015
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-efsas-conclusions-on-glyphosate-safety/
EFSAがグリホサートの安全性についての再評価を発表した。グリホサートはヒトでがんを誘発することはありそうにないと結論している。
CEHTRA France & UKの遺伝毒性学者で医師のPeter Jenkinson博士
IARCとは異なるEFSAの結論は、それぞれの場合に用いられた評価方法の重要性を強調する。EFSAはグリホサートを含む製剤ではなくグリホサート自体を評価した。製剤に含まれる他の成分が一部の場合では結果に交絡影響を与える可能性がある。さらにEFSAはIARCが評価しなかった研究やデータも評価対象にした。これも結果の違いに寄与した可能性がある。
しかし重要なことはEFSAが根拠の重み付けアプローチをとったことで、一方IARCはたった一つでもポジティブな結果があれば、たとえネガティブな結果のほうが多くても、それはネガティブな結果より優先するという見解である。実際IARCは一部の研究の結果を、著者がプロトコールで決めた統計解析方法ではない方法で解析している。これは正当な方法ではない。このようなやりかたをすれば、著者がネガティブだと判断した研究をポジティブにすることができる。
IARCとEFSAの意見は矛盾しているように見えるが、実際にはそれらは直接比較できないものである。用いたデータも結論を出した方法も違う。
どちらの結論あるいは意見が「正しい」かはあなたの見解による。私にとってはEFSAの方法論のほうがより化学的で現実的でバランスが取れている
サウサンプトン大学職業環境医学教授David Coggon教授
IARCの2015年3月の結論と今回のEFSAの結論を比べるときには、EFSAとIARCは異なる枠組みで動いていることに注意する必要がある。
IARCの仕事はがんハザード同定で、ある化合物が少なくともある特定の条件でヒトにがんをおこすかどうかを決める。EFSAはある農薬が認可された条件通りに使用された場合には、ヒト健康や環境に許容できないリスクとはならないことを十分確信できるかどうかを主に検討する。
科学的不確実性に直面したときに適用される予防のレベルは価値判断により、科学の問題ではない(科学者は不確実性のレベルを評価しようとしそれをリスク管理者に伝えはするが)。私はEFSAが検討したことは、現在農薬の規制に適用されている予防的措置のレベルを考えると、グリホサートによる発がんリスクの不確実性は規制上の制限が必要なほどかどうか、だと思う。

  • よく使われている除草剤はがんを誘発しない、EU機関がいう

ScienceInsider
Popular herbicide doesn’t cause cancer, European Union agency says
By Gretchen Vogel 12 November 2015
http://news.sciencemag.org/environment/2015/11/popular-herbicide-doesn-t-cause-cancer-european-union-agency-says
EFSAによるとグリホサートはがんリスクを増やしそうにない−少なくともその純粋なものは。
この評価はグリホサートの発がん性に関する一連の矛盾した結論の最新のものである。
グリーンピースと反農薬団体のコメント紹介

  • EU監視機関は議論の多い除草剤の認可更新を認める

EU watchdog approves new licence for controversial weedkiller
Arthur Neslen in Brussels Thursday 12 November 2015
http://www.theguardian.com/environment/2015/nov/12/eu-watchdog-approves-new-license-for-controversial-weedkiller
EFSAの決定にグリーンピースなどが反発
(そういえばグリーンピースラウンドアップを販売禁止にするよう活動していたんだが加工肉に対しては販売禁止運動しないのかな)