食品安全情報blog過去記事

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その他

  • コメ:世界の主要穀物

Rice: A Global Staple
by Berkeley Wellness | January 11, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/rice-global-staple
コメは粒の形で食べられる食品の中では最もポピュラーなもので、米国では通常副菜として提供される。しかし世界の他の地域ではコメはほとんど食事の基本部分を占める。実際世界人口の半分はコメを主食とする。一部の言語では「食事をする」という動詞が「コメを食べる」ことを意味する(ごはんにする、ってやつ)。コメは南極大陸以外の全ての大陸で栽培されている。
アメリカでは17世紀に最初に植民地で栽培され今はArkansas、Louisiana、Mississippi、Missouri、Texas、Californiaが主な産地である。コメは暖かい気候と十分な淡水で育つ。米国や一部の地域で栽培されているコメは水稲と呼ばれ栽培期間の多くの時期を水を満たした田んぼで育てられる。他に陸稲がある。
コメの栄養
玄米は脂肪が少なくナトリウムは含まず炭水化物やビタミン、ミネラル、繊維が多い。タンパク質は少ないがリジンが比較的多いため質はよい。精米して白米になると多くの栄養素が失われるが米国ではほとんどの白米にチアミンナイアシン葉酸、鉄、繊維、セレンが強化されている。栄養成分についての詳細は国立栄養データベースを参照
ヒ素について心配すべきか?
ほとんどのコメには無機ヒ素が微量含まれる。EPAによると我々の食事由来無機ヒ素曝露の17%がコメで、果物や果物ジュースが18%、野菜が24%である。コメのヒ素はあなたがたくさんコメを食べない限り懸念にはならないだろう。しかしながらコメのヒ素はパスタのように調理することで−たっぷりの水で茹でで水を捨てる−25-45%減らすことができる。またヒ素の少ないカリフォルニアや輸入ジャスミンまたはバスマティ米を選ぶことができる。

コメの種類
Types of Rice
by Berkeley Wellness | January 11, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/types-rice
長粒米
・中粒米
・短粒米
マーケットで販売されている米の種類
・玄米
・白米−強化米、パーボイルド(変換米)、インスタント白米
特別な米
・Arborio米 リゾット用
・香り米
・バスマティ米
ブータン赤米
・Black Forbidden rice(禁断の黒米?)
・黒ジャポニカ
・Bomba米
・Della米
・もち米(白い)
・ヒマラヤ赤米
ジャスミン
・Kalijira米(ベビーバスマティ)
・Sollana米
・もち米(透明、うるち米のことらしい)
・タイ紫米
商品名
・クリスマスライス、ジャスマティ、カスマティ、テクスマティ、Wehani、ワイルドペカン(ポップコーンライス)
その他米製品
・米のクリーム(細かく挽いた米の粉)
・Pinipig
・米パフ
米粉
ライスミルク
(そういえば日本の米屋って扱っている米の種類自体はあまり多くないよね。すごい面白いのに)

  • 飽和脂肪を減らす正しい方法

Wellness Tip
The Right Way to Cut Saturated Fat
by Berkeley Wellness | January 11, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/right-way-cut-saturated-fat
飽和脂肪を減らした人は心臓発作リスクが下がった−ただし不飽和脂肪に代えるかあるいは炭水化物を全粒穀物にした場合にだけ。Journal of the American College of Cardiologyに発表された大規模観察研究で確認された。主に動物製品由来の飽和脂肪の多い食品をナッツや植物油などの多価不飽和脂肪に代えた場合に死蔵発作リスクの減少が最も大きく、次がオリーブ油などの単価不飽和脂肪に、そしてその次が全粒穀物に代えた場合だった。一方飽和脂肪の多い食品を精製デンプンや添加された糖などの質の低い炭水化物(低脂肪ダイエットでよくつかわれるもの)に代えることはリスクを減らさなかった。

  • 未殺菌リンゴジュースは安全?

Ask the Experts
Is Unpasteurized Apple Juice Safe?
by Berkeley Wellness | January 11, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/unpasteurized-apple-juice-safe
Q:未殺菌リンゴジュースやサイダーは飲んでも安全?ところでジュースとサイダーの違いは?
A:アップルサイダーが「ハード」(発酵してアルコールを含む)でないなら、アップルサイダーとアップルジュースに公式な違いはない。ジュースは通常濾過されていて透明で、サイダーはリンゴの固形物が入っていて色が濃いことがあるが現実的にはどちらで表示しても良い。今日販売されているほとんどの市販のジュースは殺菌されている(あるいは他の方法で細菌を殺す処理をしている)が、健康食品店や農場で売られている一部の「ナチュラル」ボトル入りジュースは殺菌されていない。汚染された殺菌されていないジュースでしばしば疾患アウトブレイクがおこっている。オーガニックであっても汚染は同じである。
未殺菌ジュースは警告表示されているはずだが確証がないときには尋ねること。一部の人は殺菌で風味が変わると主張するが栄養価にはほとんど影響がない。
ジュースやサイダーは殺菌されたもののみを購入すること、特にそれを子どもや高齢者や免疫系が弱っている人が飲むときには。

  • 科学者が我々の身体にはヒトの細胞より細菌の方が多いという神話を否定

Natureニュース
Scientists bust myth that our bodies have more bacteria than human cells
Alison Abbott 08 January 2016
http://www.nature.com/news/scientists-bust-myth-that-our-bodies-have-more-bacteria-than-human-cells-1.19136
微生物叢に関する数十年にわたる想定が再検討された
我々の身体にいる細菌やその他の微生物は我々自身の細胞より1-10倍も多い、としばしば言われる。それは神話であり忘れるべきである、とカナダとイスラエルの研究者がいう、彼らの計算では人体に住む微生物とヒトの細胞は1対1程度である可能性の方が高い。
体重70kgで20-30才、身長170cmの「標準人」は、平均30兆個のヒト細胞と39兆個の細菌を含む。これは近似値なのでヒトにより細菌の数は1/2だったり2倍だったりするだろう、しかし10:1ではない。
10:1の神話は1972年に微生物学者Thomas Luckeyが推定してから続いている。彼の仕事は素晴らしいものだったが数十年後も引用され続けるとは思いもしなかったであろう。2014年に米国NIHの分子生物学者Judah Rosnerが10:1という主張に疑いを表明し、イスラエルのWeizmann科学研究所のRon Milo と Ron Senderとカナダトロント子ども病院のShai Fuchsが広範な文献をレビューして推定し直すことにした。ヒトの細胞で最も多いのは赤血球である。
Luckeyの仕事で特に過剰に推定されたのは腸内細菌で、Luckeyは腸内には10^14の細菌がいると推定した。1gの糞便に10^11の細菌がいてそれが1Lとした。しかしほとんどの細菌は結腸にしかおらず、容量は0.4Lでさらに糞便中の菌数はLuckeyの考えたものより少ない。そのような計算の結果、平均するとヒト細胞対微生物は1.3:1であった。
よりよい推定が引用できるのは良いことだ、とハイデルベルクの欧州分子生物学ラボのバイオインフォマティシャンPeer Borkはいう。「ただ生物学的意味があるとは思わない」
(細菌は人体の「中」にはいないとか赤血球や血小板は細胞ではないと言っているひとがいるけど・・)

  • インドの科学者が学会での発表を非難する

ScienceInsider
Indian scientists denounce presentations at annual congress
By Shruti Ravindran 8 January 2016
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2016/01/indian-scientists-denounce-presentations-annual-congress
第二回インド科学会議Indian Science Congressは高名な科学者たちからの非難と軽蔑を買う。今年インドのMysuruで開催された会議にはたくさんの正当な科学者が集まった。しかし一部の人が常軌を逸した話をした。例えば1月5日は12500人ほどの参加者が法螺貝を吹くことが健康に良いという話を聞かされた。植物学の修士をもつ公務員のRajeev Sharmaが耳をつんざく2分の法螺貝の音で話を始めた。ヒンドゥー教にとって重要な法螺貝が精神疾患を治療できると主張した。毎日法螺貝を吹くと直腸や前立腺や横隔膜の運動になり、血流が良くなった結果「白髪が黒くなる」と主張したことで聴衆は息をのんだ。次の日の演題はヒンドゥー教シヴァ神がいかに「世界で最も偉大な環境主義者」であるかを示すことだった。根拠はシヴァ神がネズミやクジャクや神話上の雄牛に乗って頭髪からきれいな水をガンジス川に提供するから、である。発表者はボパールのMadhya Pradesh私立大学規制委員会の議長で植物学者のAkhilesh Pandeyで、Hindustan Times紙によると階段で躓いて足を痛めたため発表できなかった。彼は自分の仕事について「今日我々が科学として話している全てのこと」は全て古代のインドの文書にみつかると主張する。
このような発表がインドの上級研究者をお手上げにさせた。英国ケンブリッジ大学生物学者ノーベル賞受賞者のVenkatraman RamakrishnanはThe Times of Indiaに対してこの会議は「私は生涯このような学会には参加したことはなく、サーカスである」と述べている。Hyderabadの細胞及び分子生物学センター創設者の生物学者P. M. Bhargavaはこのイベントは年を経る毎に劣化し今や「全くのお金の無駄」であると述べた。
今年の学会長であるNarendra Modi総理大臣は、2014年にガネーシャの象神の頭部が古代に美容外科が存在したことの根拠であり、美容外科はインドで始まったと主張して物議を醸した。そして昨年の会議では引退したパイロットが「ジャンボ飛行機」はインドで7000年前に行われていた惑星間旅行のために作られた「古代のインドのレーダーシステム」を装着していると主張した。
(この首相が作ったのが「アーユルベーダ・ヨガ・ナチュロパシー・ウナニ・シッダ・ホメオパシー(AYUSH)省」であることに注意。)