食品安全情報blog過去記事

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食品と接触する物質:科学的発展を組み入れる

Food contact materials: building on scientific developments
28 January 2016
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/160128
EFSAの専門家は食品と接触する物質に使用される物質の安全性評価を、特に乳幼児の消費者暴露の推定に、より包括的アプローチを導入することを含めて精細化することを助言した。将来EFSAはこれらの物質の評価に必要なデータについてのガイダンスを更新する意向である。

  • 食品中の化学物質のリスク評価における最近の動向と、それが食品と接触する物質に使用される物質の安全性評価に与える影響の可能性

Recent developments in the risk assessment of chemicals in food and their potential impact on the safety assessment of substances used in food contact materials
EFSA Journal 2016;14(1):4357 [28 pp.]. 28 January 2016
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4357
この意見では食品中の化学物質の安全性評価の最近の動向を説明し、食品と接触する物質(FCM) のEFSAの評価に与えうる影響を調査している。ガイダンス文書ではない。意見案はパブリックコメントを募集し、最終意見では受け取った科学的意見が考慮される。意見はリスク管理者がリスク管理に関わる影響を議論する際の科学的根拠として欧州委員会に提供される。再検討されるのは主に消費者暴露推定である。4つの食品摂取区分が設定できる。それらは現在のSCFデフォルトシナリオ、すなわち17 g/kg bw/日(体重60kgの成人が1kgの食品を食べる)よりおよそ9、5、3、1.2倍高いため、それらを利用すると、特に乳幼児にはより高い保護レベルが提供される。特殊暴露シナリオは摂取量が少ない時に使用される。必要な毒性データ量は推定ヒト暴露量による。SCFの段階的アプローチは更新されている。FCMに使われる物質は、溶出による暴露量が少ない場合でも遺伝毒性試験が常に必要とされる。これに加えてヒトの暴露の3つの閾値レベル、すなわち1.5、30、80 μg/kg bw /日が、追加毒性検査が必要な要因として提案されている。溶出物質の同定と評価については、経験上、最終製品と物質により焦点をあてることが必要である。オリゴマーを含む製品の反応と分解によって生じるものや不純物のような非意図的に添加される物質(NIAS)については、すべての溶出物質に同程度の安全性が保証されるように、原則として認可された物質に使用されるのと同じアプローチを毒性評価に適用すべきである。だが、NIASの遺伝毒性評価においては試験によらない方法の重要性は増している。

Report on the public consultation on the EFSA draft Scientific Opinion on Recent developments in the risk assessment of chemicals in food and their potential impact on the safety as-sessment of substances used in food contact materials
26 January 2016
http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/988e
2015年7月7日から10月7日までの意見募集期間に21団体から205のコメントと4つのデータセットを受け取った。それらの要約と対応についての報告書