食品安全情報blog過去記事

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その他

Herbal Supplements: Buyer Beware
by Berkeley Wellness | February 04, 2016
http://www.berkeleywellness.com/supplements/herbal-supplements/article/herbal-supplements-buyer-beware
あなたがハーブサプリメントを摂るとき、多かれ少なかれ賭である。2013年のカナダの研究では44のハーブ製品を調べて多くがより安価な別のものを含むことを報告している。他の植物だったりコメや小麦だったり。
何年にも渡る研究で多くのダイエタリーサプリメントは表示が不正確であることがわかっているが、特にハーブはそのもともとの複雑さから特有の問題がある。結果としてハーブサプリメントは「汚染や代用品が多い」。
2015年にニューヨークの司法長官はDNA検査で79%のハーブ製品に表示されているものがほとんどあるいは全く入っていないことを発見したと発表した。そのため主要販売業者に製品の販売を止めるよう文書を送った。そしてFDAに監視強化を訴えた。他の何人かの司法長官もこれに加わった。企業側は植物製品にはそのようなDNA検査は不適切だと主張している。
こうした検査結果が公表されるまで、問題の広がりを知ることは不可能である。それまで購入には注意。

  • マンサク:どの主張がほんとう?

Witch Hazel: Which Claims Are True?
by Berkeley Wellness | February 04, 2016
http://www.berkeleywellness.com/self-care/home-remedies/article/witch-hazel-which-claims-are-true
マンサク(Hamamelis virginiana)はアメリカ先住民の伝統薬や家庭薬として各種皮膚病や軽い火傷などに使用されてきた。多くの化粧品成分にも使われている。
葉や樹皮や小枝の抽出物にはタンニンやフラボノイド、エッセンシャルオイルなどを含む一連の植物由来化学物質が含まれ、実験室での研究ではいろいろな作用が報告されている。しかし多くのハーブがそうであるように、ヒトでの試験はほとんどない。
代替補完療法の研究を評価しているナチュラルメディシン包括データベースでは小さな傷や軽い皮膚のかゆみなどには「効果がある可能性がある」としているが、湿疹のような痒くて炎症のある皮膚には効果がないという根拠がある(ヒドロコルチゾンクリームのほうが良い)。マンサクが皮膚を日光から守るとかカプセル剤として摂ることにメリットがあるという主張は信じないように。
基本−皮膚に局所使用で気持ちが良ければ使うことはできる

  • 肉は実際どのくらい悪い?

How Bad Is Meat, Really?
by John Swartzberg, M.D. | February 04, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/how-bad-meat-really
2015年10月に肉とがんが関連するという見出しを見たとき、私はその後の騒動を思って身構えた。そのニュースはIARCが加工肉と赤肉が直腸結腸がんリスクを上げると結論したというものだったが、我々はこの関連はもうずっと前から知っている。過去20年にわたって多くの観察研究が関連を報告していて2007年には世界がん研究資金がこれらの肉が直腸結腸がんリスクを上げることについての「しっかりした」根拠があると結論している。そしてWHOは2002年から加工肉はほどほどに、と助言している。
発がん物質を比較する
最も過激な反応を引き起こしたのはIARCが加工肉をタバコと同じグループ1に分類したという事実である。IARCはこの分類は根拠の確からしさについてのものでリスクの程度についてではないと明確に言っている。赤肉や加工肉のリスクは個人にとっては「小さい」が公衆衛生にとっては重要である。
では18%のリスクの増加とは?IARCは加工肉2オンス弱あるいは赤肉3.5オンスを毎日一生涯食べ続けると直腸結腸がんリスクが18%上がると推定した。しかしこれは相対リスクであり誤解を招く可能性がある。米国人の生涯直腸結腸がんリスクは約5%であり、これが18%あがると約6%になる。つまり肉を食べることで100人に1人が余分にがんになる。一方喫煙は生涯肺がんリスクを2000%上げ、100人中1人を100人中20人にする。どちらもグループ1だがリスクが同程度ではない。
IARCは実際肉を食べることによるがん死亡は年に世界中で34000人としタバコは200万人と推定している。
また肉ががんの原因になることが明確に確立されたわけではないことも付け加えなければならないだろう。食品ががんの原因になったり予防したりすることを証明するのは難しい。特にIARCの分類の主な根拠となった観察研究では関連しか見つけることはできない。
しかし赤肉はほどほどにして加工肉を減らす他の理由がたくさんある。心血管系疾患やその他の病気、地球環境への影響など。そして直腸結腸がんについてはがん検診を受けること。

コンシューマーラボ
Product Review: Lysine Supplements Review
Initial Posting: 2/6/16
https://www.consumerlab.com/reviews/Lysine_Review_Comparisons/Lysine/
口内炎ヘルペスにと宣伝されているがその根拠は?
ある製品は表示の83.2%、費用は同じ量を得るのに4セントから33セントまで
ネコ用も含む

  • 硫酸銅で着色した緑色のオリーブがイタリア警察に押収された

Green olives painted with copper sulphate seized by Italian police
Wednesday 3 February 2016
http://www.theguardian.com/world/2016/feb/03/green-olives-painted-copper-sulphate-seized-italian-police
イタリア警察は色を鮮やかにするために硫酸銅処理したグリーンオリーブ85000トン(注)を押収し、何千トンもの外国産のオリーブオイルが「イタリア産」として流通している。
19人がオリーブを「ペイントした」ことで告発に直面している。
前年に収穫して色褪せたものを硫酸銅でコートすることで「リサイクル」していた。硫酸銅は食用色素ではないので通常食品管理当局は検査はしない。
イタリアは長いことオリーブ詐欺対策に苦労してきた
イタリアのオリーブ産業は2014-15年は天候不順と病気に苦しんでいる


SEQUESTRATE 85 TONNELLATE DI OLIVE COLORATE CON SOLFATO DI RAME
http://www.corpoforestale.it/flex/cm/pages/ServeBLOB.php/L/IT/IDPagina/11883
公式発表は85トン?

  • 「マンマミーア作戦」がイタリアのオリーブオイル部門の数百万ポンド詐欺を暴く

'Operation Mamma Mia' uncovers multi-million pound fraud in Italy's olive oil sector
Nick Squires, Rome
3:34PM GMT 03 Feb 2016
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/italy/12138394/Operation-Mamma-Mia-uncovers-multi-million-pound-fraud-in-Italys-olive-oil-sector.html
ラベル偽装の話
(オリーブ油とハチミツはにせ物が多いことで有名。日本ではそれにワカメや最近流行のえごま油とかもはいるのかな)

  • 過去30年間の飲酒に関する助言で最大の動揺の後、アルコールガイドラインは「常識に反する」と酒業界が警告

Alcohol guidelines 'fail the common sense test' drinks industry warns after biggest shake-up of drinking advice for 30 years
7 February 2016
http://www.thisismoney.co.uk/money/news/article-3435230/Drinks-industry-reacts-dismay-Government-s-proposed-new-guidelines-drinking-describing-scare-mongering-confusing.html
酒業界は政府の提案した新しい飲酒ガイドラインに狼狽し、それを「恐怖を煽り」「混乱させるものだ」と主張。
(肉より明確に有害だけど。そもそも安全性(許容できるリスク)レベルは時代とともに変わることを認識してないらしい。)

  • Tesco とSainsburyが女性の生殖能力への害と胎児への危険性への恐怖から染髪料を排除

Tesco and Sainsbury's remove hair dye over fears it can harm women's fertility and endanger unborn babies
7 Feb 2016
http://www.dailyrecord.co.uk/lifestyle/health-fitness/tesco-sainsburys-remove-hair-dye-7327320#jX8fyeZd6zRbg75u.97
禁止されている成分が含まれることを確認したため
一連のBigen(ビゲン)染髪料に欧州全域で過ホウ酸ナトリウムが含まれるため警告が発表された。過ホウ酸ナトリウムは吸入により生殖能力や胎児に障害を与える可能性がある。
英国でリコールを行っているChartered Trading Standards Instituteの広報によると過ホウ酸ナトリウムは化粧品安全規制により禁止されている物質である。

RAPEXで通知されている
http://ec.europa.eu/consumers/consumers_safety/safety_products/rapex/alerts/main/index.cfm?event=main.notification&search_term=A12/0099/16&exclude_search_term=0&search_year=2016
(以前もhoyuのビゲン白髪染めパラフェニレンジアミンで警告されてた)

  • Chipotleは信頼回復のために大量閉店以上のことが必要

Guardian
Chipotle needs more than a mass shutdown to regain trust
Sunday 7 February 2016
http://www.theguardian.com/sustainable-business/2016/feb/07/chipotle-salmonella-outbreak-us-food-safety-mcdonalds-starbucks-usda
月曜日にChipotleは全社食品安全会議のために全店舗を閉める。これは最近の健康危機に対応したステップであるが、初めの一歩に過ぎない。1993年に最初に開店してから、Chipotleは高品質、フレッシュな材料を店舗で調理、それから倫理的配慮を声高に主張してきた。ファストフード業界ではこれは革新的だった。Chipotleは健康的な土で育った野菜、自由に戸外を動き回れる豚の肉、といった宣伝をし、消費者はそれにお金を払い今や1900店舗以上になった。しかし大腸菌汚染の不意打ちを食らい対応はずさんで実際に健康被害を出した。これまで500人ほどの人が病気になり危機はまだ続いている。
Chipotleはファストフード業界のリーダーとしての地位にしがみつくか、あるいはより主流モデルに見直すかの選択がある。
ブランド再生のためには単なる広告以上の対応が必要である。

  • 何故我々は全ての蚊を殺せないのか?

CNN
Why can't we just kill all mosquitoes?
By Carina Storrs, Special to CNN
http://edition.cnn.com/2016/02/05/health/zika-virus-kill-all-mosquitoes/index.html
蚊は世界で最も恐ろしい動物で、地球上の他のどの動物より多くの人を殺してきた。今週CDCのTom Frieden長官がCNNのSanjay Gupta博士と話した。
蚊を絶滅させることができると考えている科学者はいない。どんなに排除の努力をしても残る。1950年代や60年代にラテンアメリカで黄熱やデング熱を媒介する蚊を殺虫剤を散布したりたまり水を排除したりして数を減らしても、その努力を止めてしまえばまたアジアやアフリカから運ばれてきて増える。
今でも蚊に対する最強の武器はDDTだが耐性や環境への懸念がある。細菌製剤や遺伝子組換え技術による対策も可能であるがお金がかかる。蚊とともに生きる方法もある。それら全てを組み合わせる必要があるだろう。