食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 数千のヤギやウサギが主要バイオテクラボから消える

Natureニュース
Thousands of goats and rabbits vanish from major biotech lab
Sara Reardon 19 February 2016
http://www.nature.com/news/thousands-of-goats-and-rabbits-vanish-from-major-biotech-lab-1.19411
世界最大の抗体供給企業の一つSanta Cruz Biotechnologyが米国政府による動物の福祉調査を受ける
2015年7月にはSanta Cruzは2471頭のウサギと3202頭のヤギを所有していた。USDAの査察報告書によると今はいない。USDAの査察で動物の福祉に関する3つの問題が指摘されSanta Cruzは係争中であったが1月のUSDAの査察では動物がいないため動物の福祉法違反もなかった。動物がどうなったのかは不明。USDAのSanta Cruzへの動物の福祉に関する指摘は2007年からである。抗体の供給元は他にもあり研究への影響は無いとの予想。Santa Cruzは組み換え抗体に移行するのではとの予想あり。
(時代が変わったのだということだろう。研究の方からも組成のわからないポリクロよりGMのほうが望ましいのだろう)

  • バスソルトは生体サンプルからの検出は難しい、SHSUの研究が発見

Bath salts difficult to detect in biological samples, SHSU study finds
19-Feb-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-02/shsu-bsd021816.php
アンフェタミン類似の作用をもつ合成カチノン類は麻薬取締局が2011年に一部を禁止しているものの法医学実験室では検出が難しい。GC/MSでは途中で分解しLC/MS/MSやLC-q-TOFが必要になるが必ずしも全ての検査機関で対応できない。分析に関する報告がJournal of Analytical Toxicologyに発表された。

  • プロテインシェイクや減量錠剤やパウダーがどうやって殺すか

How protein shakes, weightloss pills and powders can kill
February 21, 2016
http://www.news.com.au/lifestyle/health/diet/how-protein-shakes-weightloss-pills-and-powders-can-kill/news-story/938a8c9b67dccb363390776a0c09d799
減量や筋肉増強や必須栄養素を得るのに役立つ魔法の製品として宣伝されているが、実際には市販のサプリメントはあなたの健康に重大な悪影響を与える、時に殺すことすらある。
今週、西オーストラリアの27才のMatthew Whitbyはプレワークアウトプロテインシェイクと減量用錠剤を飲んで肝障害になってその危険性を警告した。
Whitby氏は緊急肝臓移植をする必要があり、彼の選択肢はB型肝炎のある肝臓のみだった。そのため毎日命のために薬を飲む必要があるが、news.com.auに対して「私はここにいられることに感謝する」と語った。では実際そのサプリメントには何が入っていたのか?
ヨヒンビン、ガルシニア、緑茶抽出物、アカシア、プロテイン、ビタミン、電解質など
(Whitby氏の入院中の写真、集団訴訟を起こされているDr Ozなど。事故は2014年のことらしい)

Paul Glasziou: Still no evidence for homeopathy
16 Feb, 16 | by BMJ
http://blogs.bmj.com/bmj/2016/02/16/paul-glasziou-still-no-evidence-for-homeopathy/
NHMRCが、「ホメオパシーが一連の病気を治療するのに有効だという信頼できるヒトでの研究による根拠はない」と結論したとき、普通の医療を行っている人たちはほとんど驚かなかったがホメオパシーコミュニティーは怒った。私はワーキンググループの座長だったので困難な仕事が終わって単純にほっとした。私はこの仕事に「自分は何も知らない」という態度で臨み、この治療法が効果があるのかどうか好奇心があった。しかし57の系統的レビューをみてプラセボより効果があることはないとわかって興味を失った。
もちろん176の試験があれば5%のp値で偶然有意差がつくものはある。176の1/20の9は「統計学的に有意」になるだろう。だからそのような偽陽性を避けるために再現性と系統的レビューを主に評価した。根拠のサイズや質は様々だったが質の高い研究からは有効性は見られなかった。
私にとって驚きだったのはいかにたくさんの病気にホメオパシーが使われているかであった。AIDSやマラリアなどの感染症にまでホメオパシーが宣伝されていることは私にとってはショックだった。効果的な治療法があるのにこのようなことをするのは怪しい行為である。
ホメオパシーを使ったり売ったりしている人たちから相当な抵抗を受けたことは驚かない。国際ホメオパシー協会が現在お金を集めている−より良い研究をするためではなくNHMRC文書を攻撃するために。私は18世紀のSamuel Hahnemannが瀉血や下剤より良いものを探したことは理解できる。しかしもし彼が現在のホメオパシーの革新的調査を忘れて効果のない行き詰まりに固執する態度を見たらがっかりするだろうと思う。

ホメオパシーレビュー
Homeopathy Review
http://www.nhmrc.gov.au/health-topics/complementary-medicines/homeopathy-review
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150311#p5

Homeopathy tested: works for 0 out of 68 illnesses
Siobhan Fenton | 22nd Feb 2016
http://www.themorningbulletin.com.au/news/homeopathy-works-0-out-68-illnesses/2938612/
Bond 大学のEBMの主導的研究者であるPaul Glasziou教授が国立健康医学研究評議会(NHMRC)によるワーキンググループの座長を務めてホメオパシーの効果を調べた176の試験のエビデンスをレビューした。68の病気に対する176の個別の試験を含む57の系統的レビューでは、ホメオパシープラセボより効果があることを示したものは一つもなかった。
(BMJのPaul Glasziou教授のblogに反応したニュースらしい)

  • 疑似科学があなたの学会に忍び込む?GMOとグリホサートの一例

science2.0
Pseudoscience Creeping Into Your Conference? A Case In GMOs And Glyphosate
By Kevin M. Folta | February 13th 2016
http://www.science20.com/kevin_folta/pseudoscience_creeping_into_your_conference_a_case_in_gmos_and_glyphosate-165733
学会の信用を乗っ取る
11月に私はAlison Van Eenennaam博士からメールを受け取った。私達は1月にSan Diegoで行われる植物-動物ゲノム学会に参加予定で、彼女はその学会の「ワンヘルスエピゲノミクス」というセッションを指摘していた。
(概要)
発表内容が奇妙な混合物であることがわかるだろう。セラリーニの共同研究者によるラットの餌に農薬が入っているという報告とエビの病気とである。混乱した進行であった。聴講者は学生が多く誤解する可能性がある。
学会での疑似科学セッションを誰が監視し修正すべきなのだろう?
創造論者や気候変動否定論者、反ワクチンなどの陰謀論の業界で同じようなことがおこっている。我々は問題を認識し修正する必要がある。しかしどうやって?
我々は間違った科学や活動家が正当であるかのように活動している時代にいる。学会での疑似科学の発表同様に、お金さえ出せば論文が出せる仕組みが権威を与えている。我々は学会のプログラムをよく見て気をつける必要がある。学会の品位を守るためにすべきことがある。
(学会あるある。)