食品安全情報blog過去記事

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オランダの3-MCPDへの食事暴露の予備的評価

Preliminary assessment of dietary exposure to 3-MCPD in the Netherlands
2016-04-04
http://www.rivm.nl/en/Documents_and_publications/Scientific/Reports/2016/april/Preliminary_assessment_of_dietary_exposure_to_3_MCPD_in_the_Netherlands
精製油脂、特にパーム油の製造時に、3-MCPDと呼ばれる腎臓に害のある可能性のある製造副生成物が生じる。この化合物を多く含む可能性のある食品は、マーガリン、ソース、コーヒークリーム、ベーカリー製品である。RIVMは食品を介して3-MCPDをどれだけ摂取しているかを計算した。食品中の3-MCPD濃度についてのデータが必要であるが現時点では極めて限られたデータしかない。入手可能なデータをもとに計算した結果、2-6才の子どもの平均18%が3-MCPDの健康ガイドラインを越えて摂取している。体重あたりの摂取量が最も多いのは7才で、この年齢の子どもの35%がガイドライン値を越えている。その後摂取量は減って17才以降はガイドライン超過は5%以下になる。濃度に関するデータが限られるため、健康への有害影響が有るかどうかはわからない。
本文英語
もともと醤油で問題になった遊離の3-MCPDのみではなく、3- MCPDエステルも併せた摂取量。
TDI 2 μg/kg bwを使用
EFSAの2013年の評価時にはまだ分析法が開発途中で、分析中に生じた3- MCPDアーチファクトも含まれる可能性があった。今回の測定法は2015年のPetersらによる妥当性を検証された分析法であり、より現実的である。
オランダ人の暴露量に醤油はほとんど寄与しない
製造工程からチョコレートとココナツミルクに存在することは予想されなかったのに検出されたことからまだ多くの食品のデータが必要。