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内分泌撹乱物質:ホルモン系に影響する物質の評価のための基本原則についての科学的議論

Endocrine disruptors: scientific discussion on the basic principles for the assessment of substances that influence the hormonal system
BfR Communication no. 007/2016 of 12 April 2016
http://www.bfr.bund.de/cm/349/endocrine-disruptors-scientific-discussion-on-the-basic-principles-for-the-assessment-of-substances-that-influence-the-hormonal-system.pdf
科学者グループの提案で、2016年4月11-12日にホルモン系に有害影響を与える物質に関して専門家会合が行われた。この会合はこの分野の科学的対話を建設的に促進するために、BfRがオーガナイズした。特定の製品の使用が消費者にとって健康リスクとなるかどうかを決めるための前提条件は、問題の製品に存在する可能性のある内分泌撹乱物質についてのしっかりした科学的評価が存在することである。現在この分野で研究している科学者の間には、ホルモン系に有害な物質の評価に用いる基本原則に関して異なる意見がある。生体にとって異物である物質は、それがホルモン系の機能を変えて生物の健康に害を与えるなら「内分泌撹乱物質」と呼ばれる。そのような物質は天然に植物にも存在し、医薬品として投与され、農薬やバイオサイドや食品添加物や化粧品のような化合物や製品に含まれることがある。この会合の知見はBfRのウェブサイトに発表され、さらに科学雑誌に発表される予定である。
欧州、米国、日本から25人の科学者がベルリンに来て議論した。二日間の専門家会議では以下の疑問について焦点を定めた
・規制のための健康評価という文脈で、内分泌撹乱物質はどのように定義されるべきか?
・毒性学的、薬理学的、内分泌学的観点から、内分泌影響の一般原則とは何か?
・どの不確実性が規制上の意志決定に影響するか?
・既存の研究方法で既に記述できるのはどのような有害影響か?
内分泌撹乱物質をより良く同定するためにはどのような科学的研究活動を始めるべきか?
(日本での環境ホルモン騒動からもう20年近く経ち、たくさんのお金が使われた、にもかかわらず未だ定義すらできていない。そして他の国より早く国をあげて大騒ぎしたのに、この分野で国際的に議論をリードしているわけでもない。)