食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • プリンスの死因:ありそうなことと狂気を分離する

Possible causes of Prince's death: Separating the plausible from the crazy
By Jon CohenApr. 22, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/04/possible-causes-princes-death-separating-plausible-crazy
有名人が原因が明確でない状況で死亡すると推測が暴走する。ロックスタープリンスの死亡を伝えるニュースの多くがインフルエンザが原因ではと示唆している。57才という若さから陰謀論が出てきてインフルエンザの予防接種を示唆するものまである。
もちろんインフルエンザの可能性もある。しかし新しいデータがない以上、もともとの健康状態に問題がなければインフルエンザでは説明は難しい。答えは現在実施中とされる剖検でより明らかになるかもしれない。さらにBBCはどうして2016年にこんなに多くの有名人が死亡するのか、と報道しているが、その説明のひとつは、昔より有名人が多いこと、あるいはベビーブーム世代のロックスターが単純に年老いたから。

  • 植物油は冷蔵すべき?

Ask the Experts  Should Vegetable Oil Be Refrigerated?
by Berkeley Wellness | April 21, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/should-vegetable-oil-be-refrigerated
Q:植物油は蓋を開けたら冷蔵すべき?
A:通常冷蔵は必要ない。植物油に含まれる天然の抗酸化物質がダメになるのを防ぐが、全ての油は最終的にはダメになる、特に空気にさらされると臭いや味が悪くなる。通常の保管条件では1年以上もつ油もあるがナチュラルあるいは未精製油は4-6ヶ月しかもたない。冷蔵するともっと長く持つ。油を長持ちさせるには熱や光や空気を避けきっちり蓋をする。数ヶ月以内に使うこと。大きなサイズを買うなら冷蔵した方がいいかもしれない。亜麻仁油クルミ油、ごま油は賞味期限が短いので冷蔵のほうがいいかもしれない。味や臭いがおかしかったら捨てること。

  • 年をとった?アルコールについては何故少ない方がいいのか

SMH
Getting older? Why less is more when it comes to alcohol
April 25, 2016 - 10:24AM 130 reading now
Paula Goodyer
http://www.smh.com.au/lifestyle/diet-and-fitness/getting-older-why-less-is-more-when-it-comes-to-alcohol-20160425-goe2hf.html
高齢になるとアルコールの影響が出やすくなる、という新しい政府のファクトシートが発表された
アルコールと高齢オーストラリア人
Alcohol and Older Australians
http://www.dao.health.wa.gov.au/DesktopModules/Bring2mind/DMX/Download.aspx?Command=Core_Download&EntryId=1263&PortalId=0&TabId=211
身体の代謝機能の低下や体組成の変化、各種疾患のために医薬品を使用することが増えるなどの理由で若い頃よりリスクは高くなる。
さらに新しい科学的知見で飲酒のメリットは否定されていて、がんについてはどんな量でもリスクが上がることが示されている。
従って、もしあなたがこれまで飲んでいないのなら飲み始めないこと。飲むのなら医師や薬剤師に相談する。

Canadian police fight a Frankenstein in new W-18 street drug
Apr 24, 2016
http://www.cbc.ca/news/canada/edmonton/street-drug-w18-delay-1.3550642
より良い戦略のためには同定が必要
アルバータの警察はそれを「メス(メタンフェタミン)」だと思っていて対応が遅れた。

  • 何故遺伝子組換え昆虫はまだゴールデンタイムではないのか

Natureニュース
Why transgenic insects are still not ready for prime time
Reinaldo Jose Lopes 22 April 2016
http://www.nature.com/news/why-transgenic-insects-are-still-not-ready-for-prime-time-1.19804
ブラジルの健康規制機関はGM蚊の販売を認めるにはさらなる根拠が欲しい
英国のバイオテクノロジー企業Oxitecはブラジルのデング熱対策のためのGM蚊の販売認可を2年間待っているがさらに待たなければならない。4月12日にブラジルの健康規制機関AnvisaがGM蚊を新規医療技術と分類し規制すると発表した。市販のためには安全性だけではなく蚊の媒介するウイルスの伝達を減らすことを証明しなければならない。

ACSH
A Study is Rotten in the State of Denmark, and Here’s Why
April 22, 2016 by Josh Bloom
http://acsh.org/news/2016/04/22/a-new-bpa-study-from-denmark-really-stinks-ill-show-you-why/
デンマーク工科大学の発表した論文について
Andrologyに発表された論文はこれまで無数に発表されたBPA研究の欠陥を示すほぼ完璧な例である。
この論文のタイトルは「発達期のBPA暴露のラットの精子数と行動への低用量影響」で、探索研究である:(1)ラットにいろいろな量の化合物を与える;(2)たくさんのデータをとる;(3)意味があってもなくても何か有意差のつくものを探す;(4)論文を書く、そして誰もナンセンスであることがわかるほど注意深く見ないことを祈る。
これはナンセンスで何故そうなのかを見分けるのは難しくはない。まず何十ものパラメーターを測定する:春期発動、性周期、雌雄12の臓器の重さを3-4ヶ月、8ヶ月、14ヶ月で、精巣、前立腺精子数、二つの迷路での行動、運動、甘味の好み、子どもの体重。
検定対象はたくさんあり、多くの項目で影響はなかった。そしてポジティブな結果はなかったのか?これについては議論の余地がある。例えば彼らがポジティブな結果だとして提示したのがこれである−雄ラットの精子数である(グラフ。論文のグラフにいくつか注がいれてあるがもと論文が有料で見られなかった人はこれで理解できると思う)
これは本当にポジティブな知見なのか?数字自体は似たようなもので、4つの用量のうち一ヶ所に有意差がついた。これが最良のデータらしい。
次の図はさらにひどい。ラットは早く泳いでいるのか?遅くなったのか?私はどちらでもない方に賭ける。
最後に、著者はBPAが雌のラットの甘い水を飲む量を減らし、これが男性化を示唆すると信じているらしい???冗談だろう?(ここもグラフ)
再び、対照群とBPA処理群に少し差があったが傾向やパターンはない。
これがデンマークEPAからお金をもらって相当な時間を費やして6人の著者が行った研究である。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160421#p5の件
内分泌撹乱物質ってそれを研究するとヘンになってしまうという恐ろしいものなのではないかと思うくらい。)

  • ドクターNelson Kraucakとシークエンスドアミノ酸修飾療法についての懐疑的検討

Quackwatch
A Skeptical Look at Dr. Nelson Kraucak and Sequenced Amino Acid Modulation Therapy
Stephen Barrett, M.D. April 23, 2016.
http://www.quackwatch.org/06ResearchProjects/saam/overview.html
SAM または SAAMと呼ばれる、アミノ酸誘導体を舌下においていろいろな病気が治るという治療法について宣伝するパンフレットへの指摘

  • ナチュロパシー小児科は安全ではない

Naturopathic pediatrics is not safe
April 14, 2016 by Britt Hermes
http://www.naturopathicdiaries.com/naturopathic-pediatrics-is-not-safe/
もとナチュロパスのBritt Marie Hermesアルバータでの親が自然療法を信じて必要な医療を受けさせなかったために死亡したEzekiel Stephanの件について言及している
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150324#p9
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160309#p12
ナチュロパスドクターであるTracy Tannisとそのスタッフの証言は一貫していないので明確になっていない部分はあるが、彼女が髄膜炎の子どもにエキナセアを与えたことは確実である。これまで何度も書いてきたがナチュロパスドクターの教育内容は貧弱である。その証拠をBritt Hermes自身の経験やシラバスなどで提示し、ナチュロパスに子どもを診療させてはいけない、と主張。

  • 健康に関する話:熱狂対事実:ダイエットに関する板挟み

Health Bites: Fad vs. Fact: The Diet Quandary
ERIN NITSCHKE Apr 23, 2016
http://trib.com/special-section/health-med-fit/health-bites-fad-vs-fact-the-diet-quandary/article_a5f1c209-1f54-5745-8c29-f2f1d0c3ffbe.html
栄養に関する情報と間違った情報が不足することはない−そしてしばしば後者の方が多い。ネットや雑誌やテレビで。でもどうやってどれが本当でどれが嘘か知ることができる?さらにどうすれば効果的な実践につなげることができる?多分簡単な方法は「あれはダメ、これを食べるべき」ということに集中するのではなく常識的なライフスタイル変更アプローチであろう。
最初に、流行のダイエットには特有の性質がある。そこから離れて、断片をつなぎ合わせて常識と信頼できる情報源を用いて身体的精神的情動的健康を最適化するための日々の栄養上の決断のガイドにできる。いくつかの例を示す
(原始人ダイエット、アトキンス、サウスビーチ、ローフードなど。)
ダイエット法を評価する時にはいくつかの「赤信号」に注意するのが重要である。以下が警告信号である
・簡単に/速やかに痩せる
・運動しない/ライフスタイルを変えなくてもいい
・厳しいきまり
・特定の時間や特定の食品を食べる
・セレブやドクターが保証
・「独立した研究が証明」
この用語は危険である。真の、価値のある、信頼できる研究は単独で行われることはない。
・「部分痩せ」
部分痩せというのは神話である。特定の部位だけの体脂肪を減らすことはできない
食品は必要なものである。常識的アプローチをしよう。

Chiro faces backlash for cracking baby's back
Sunday, 24 April 2016
http://www.skynews.com.au/news/national/vic/2016/04/24/chiro-faces-backlash-for-cracking-baby-s-back.html
生後4日の赤ちゃんの背中をクラックしているところをソーシャルメディアに投稿したメルボルンのカイロプラクターが炎上
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160422#p8の件。)