食品安全情報blog過去記事

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ナノ粒子と乳児用ミルク

Nanoparticles and infant formula
May 2016
http://www.foodstandards.gov.au/consumer/foodtech/Pages/Nanoparticles-and-infant-formula.aspx
Friends of the Earth オーストラリアが海外で販売されている一部の乳児用ミルクにナノ粒子が存在する可能性について発表した声明は保護者に不必要な懸念を誘発するだろう。
報告書で同定された物質はオーストラリアとニュージーランドで乳児用ミルクに使用を認められた食品添加物やミネラルの形態ではない。また米国で調べられた製品はオーストラリアとニュージーランドでは販売されていない。
米国Friends of the Earthが委託した報告では、ナノスケールの二酸化チタン、二酸化ケイ素、ヒドロキシアパタイトが米国で販売されている乳児用ミルクからみつかったと主張する。FSANZは食品安全上の懸念については極めて重大に受け止め、これまで食品添加物中のナノスケールの二酸化チタンと二酸化ケイ素については対応している。
(Article on nanotechnology in Fairfax media
17 September 2015
http://www.foodstandards.gov.au/consumer/foodtech/nanotech/Pages/Sydney-Morning-Herald-nanotechnology-response.aspx
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150918#p4
ナノスケールの物質について
ナノスケールの物質は新しいものではない。食品は天然にナノスケールの糖類、アミノ酸、ペプチド、たんぱく質などが集まったものからできている。例えばたんぱく質はナノスケールの大きさでミルクはナノスケールの脂肪滴の懸濁液である。ヒトはこれらの食品中粒子を進化の全段階で食べてきてナノスケールであることに関連する有害健康影響の根拠はない。
規制
オーストラリアとニュージーランドで販売されている乳児用ミルクは食品基準に定められた厳しい基準を満たさなければならない。
安全上の懸念となるナノテクノロジーを使う新しい食品は科学的安全性評価を受けなければならないだろう。FSANZは国内や海外の研究や報告を監視し続けている

  • Friends of the Earth オーストラリアのプレスリリース

FSANZ fails us again: risky nanoparticles found in baby formula
Submitted by Cam Walker on Wed, 18/05/2016 - 11:53
Wednesday, 18th May 2016
http://www.foe.org.au/articles/2016-05-18/fsanz-fails-us-again-risky-nanoparticles-found-baby-formula

(SCCSの、練り歯磨きや化粧品へのナノスケールのハイドロキシアパタイトの評価文書を引用して、針のような形態のナノハイドロキシアパタイトは練り歯磨きやマウスウォッシュに使うべきではないと結論していると言っているのだが若干違う
OPINION ON Hydroxyapatite (nano)
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_191.pdf
SCCSは歯磨きについては最大10%までのハイドロキシアパタイトを含む製品の安全性は現在のデータからは結論できない、化粧品には懸念があるので使うべきではない、と言っている。これはアスベストの毒性が吸入の場合に特異的であるため。化粧品なら吸入の可能性は高い。飲料中にたまたま針状結晶ができていてもそれが口や胃で溶けたり肺に行かないなら問題はない。)