食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 糖尿病患者がNHSに反抗する:数千人が炭水化物の少ない食事で糖尿病をコントロールすることでガイドラインに反抗

Diabetes patients defy the NHS: Thousands rebel against guidelines by controlling their condition with a diet low in carbohydrates
31 May 2016
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3617076/Diabetes-patients-defy-NHS-Thousands-rebel-against-guidelines-controlling-condition-diet-low-carbohydrates.html
diabetes.co.ukの主導する低炭水化物食計画に12万人以上が署名して、8万人以上が血糖が下がったという。
NHSとDiabetes UK(英国の主要糖尿病団体、diabetes.co.ukとは違う)は糖尿病の人には低脂肪食を薦めている。しかし炭水化物を減らすほうが簡単で体重が減りやすいことを報告している人が増えてこの助言へのフラストレーションが高まっている。
(なんか大騒動になっている)

Button battery dangers prompt calls for new safety measures
http://www.abc.net.au/news/2016-05-31/button-battery-dangers-prompt-call-for-new-safety-measures/7459676
ChoiceがKidsafe Queenslandと The Parenthoodと協力して連邦政府ボタン電池を含む全ての製品に対するより厳しい安全基準の導入を求めた。
署名を集めている
It’s time to make button batteries child-proof!
http://www.theparenthood.org.au/buttonbatteries

Why fentanyl and W-18 are here to stay
Nick Eagland | Vancouver Sun May 30, 2016
http://www.timescolonist.com/news/b-c/why-fentanyl-and-w-18-are-here-to-stay-1.2265782
ある晴れた5月の朝、バンクーバーダウンタウンイーストサイドでフェンタニルのディーラーを見つけるのには8分しかかからなかった。匿名を条件に話をしてくれた「アラン」は、彼には得意客がいるという。彼は30〜80ドルでTevaあるいは Ratioブランドのフェンタニルパッチを売る。それは普通は医師ががん患者の疼痛に処方するものだ。
あるいは40から60ドルで、すぐ注射できる1ポイント(0.1g)の粉末フェンタニルを売る。アランは自分の依存症のお金を稼ぐために薬物を売る−そして最近ストリートで販売されているほぼ全てのものにフェンタニルが入っている、という。
しかしアランや他のストリートディーラーはどうやってフェンタニルを入手しているのか?販売網をたどっていくと答えは簡単に見つかった:インターネットである。
RCMP(カナダ連邦警察)のE部門のSgt. Darin Sheppardは、彼の合成薬物捜査部で最初にフェンタニルの報告を受け取ったのは2014年だったという。「最初、その由来を探すことが任務だった」とSheppardは言う。カナダ警察はほぼ全てのフェンタニルが純品の粉末として中国から来ることを発見した。カナダに密輸されたら薄められ、小さくしてストリート用になる。残りは国内で秘密のラボで作られている。
「10-15年前には中国本土の生産地にこんな形でのアクセスはできなかった。」とSheppardは言う。「伝統的なヘロインの密輸ではカナダに密輸したい人は仲介者を必要とし輸出国に誰かが必要だった。しかし今は全てインターネットでできる」
偽名を使ったGメールアカウントで国際取引ウェブサイトにバンクーバーフェンタニルを送ってくれと頼んだところ、ある中国の業者が1kg 1800ドルで粉末フェンタニルを発送すると回答してきた。支払いはBitcoinで、荷物はPlayStationXboxの箱に入れて密封して送るという。他の業者も同様だった。
RCMPはブリティッシュコロンビアの3つの密造ラボを閉鎖したが、輸入の取り締まりは困難である。フェンタニルの毒性が非常に高いため、極微量で大量の製品ができる。コカインの密輸なら40や50キロだったところが計量カップ1杯分で十分になる。
フェンタニルはますますポピュラーになっている。
(略)
4月にはアルバータの法の執行部門がエドモントンでW-18を4kg押収した。これは違法薬物を数億錠作れる量である。そしてW-18にはオピオイド過剰使用の治療薬であるナロキソンが効かないと予想されている。そして5月13日、Kelowna RCMPがW-18錠剤を押収した。5月20日アルバータの医務主任が3月に薬物過剰使用で死亡した35才のカルガリーの男性はW-18とヘロインと3-メチルフェンタニルを使用していたと確認した。カナダでのW-18関連死報告はこれが初めてである。連邦政府はW-18を規制対象薬物に指定したがっているが、次にはW-15が来るだろう。あるいは他の研究用化合物が。
(長い記事)

  • 照射挽肉がやってくる。その意味

Irradiated ground beef may be on its way. Here’s what that means
LESLIE BECK Monday, May 30, 2016
http://www.theglobeandmail.com/life/health-and-fitness/health/irradiated-ground-beef-may-be-on-its-way-heres-what-that-means/article30215995/
食品の安全性を向上させるため、ヘルスカナダは小売店で照射挽肉を販売できるよう食品医薬品規制の改定を検討している。それが成立したとして、牛挽肉が初めての照射で保存性を高めた食品ではない。あなたは既に照射したジャガイモや照射したスパイスで調理した食品を食べている可能性が高い。以下に食品の照射について知っておくべきことを記す。
何故挽肉を照射するのか?
安全性を守るため。他の食品では昆虫やカビや細菌を殺したり熟成や発芽を抑制したりして日持ちを向上させる
カナダでは他に照射食品が販売されているか?
エス。現在タマネギ、ジャガイモ、小麦、小麦粉、スパイス、脱水調味料などが認可されている。しかしこれまでのところあまり広くは使われておらず、主にスパイスの照射に使われている。しかしこれから増える可能性はある。ヘルスカナダは照射マンゴー、家禽、エビ、小エビの科学レビューを完了している。
どうやって照射する?
照射では食品をコントロールされた量のガンマ線X線、電子線のイオン化放射線に暴露する。イオン化放射線は微生物のDNAを切断し生殖できないようにしたり殺したりする。
食品照射では熱が発生せず食品の物理的性質を変えない。使用する線量は食品と照射する理由による。例えば細菌は昆虫や寄生虫より多くの照射が必要になる。
照射で挽肉中の全ての有害細菌を殺すのか?
ノー。照射は細菌などの数を相当減らすが滅菌はしない。照射した食品であっても照射していない食品同様に安全確保のための取り扱いが必要である
カナダ人は照射食品を食べることに心配すべきか?
食品照射反対者は照射で食品の栄養素が減ってフリーラジカルなどの副産物ができると言う。ヘルスカナダやWHOを始め60余国が40年以上の研究に基づき照射食品の安全性を保証している。認められた量の照射で食品が放射化することはなく、栄養への大きな影響もない。チアミンを少し減らすが欠乏を引き起こすほどではない。
照射したかどうかわかる?
カナダでは明確な表示が求められる。

  • 携帯電話の放射線とラットのがん−専門家の反応

SMC NZ
Cell phone radiation and cancer in rats – Experts reaction
May 30th, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/05/30/cellphone-radiation-and-cancer-in-rats-experts-reaction/
携帯電話の放射線に暴露された雄のラットの腫瘍の増加の詳細報告が国際メディアで広く報道されている。我々の同僚、オーストラリアSMCが以下の専門家のコメントを集めた
Wollongong大学NHMRC研究拠点オーストラリア電磁場生体影響研究センター長Rodney Croft博士
NTPの研究はラットとマウスで一連の重要な健康関連エンドポイントを調べていて高周波放出と健康に関する議論に重要な貢献をする。残念ながら今回の報告には完全評価するための十分な詳細が無く、報告書の付記Gにあるようにレビューワーに多数の批判を受けている。特に気になるのはラジオ周波数暴露群のほうが対照群より長生きしていること、対照群に「全く」腫瘍がないこと(普通ではない)、明確な用量−反応相関がないことから、単なる「偽陽性」である可能性がある。
さらにこの結果はヒトで観察されているがんとは一致しないようであること、他の多くの研究とも一致しないこと、なども留意する価値があるだろう。
NTPの研究はさらに詳細データが入手可能になったら完全評価される必要があるだろう。現時点では現状の科学的コンセンサスを変える理由にはならない
UK SMCから
Royal Berkshire病院医療物理学部長Malcolm Sperrin教授
これは大変興味深い研究で、この結論は携帯電話の使用に類似したラジオ周波数電磁波への暴露はほんの少しの追加のリスクがあることを示唆する。携帯電話の使用者が多いためほんの僅かのリスクの増加でも測定可能な腫瘍の発生につながる可能性がある。しかしながらラットに与えた用量は高く、ラットは明らかにヒトではなく、暴露群のほうが対照群より少し長生きした。この報告はさらなる研究の兆候であるが非常に長い時間の暴露には注意が必要であることへの信頼性を与える。またラジオ周波数電磁波を「発がん性の可能性がある」と分類したことが正しいことも示唆する。留意すべきはがんの発生に関する仮説は日常の機器の使用と健康被害の関連を明らかにしたものではないことで、さらなる研究が必要だということである。
(日本ではそんなに話題になっていないような?)