食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 何故韓国は世界最大の研究投資をするのか

Natureニュース特集
Why South Korea is the world’s biggest investor in research
Mark Zastrow
01 June 2016 Corrected: 03 June 2016
http://www.nature.com/news/why-south-korea-is-the-world-s-biggest-investor-in-research-1.19997
ノーベル賞をとるために巨額の資金を投資しているが、目標達成のためにはお金以上のものが必要だろう
巨額のアクシオン検出プロジェクトを紹介。しかし誰もアクシオンが実在するのかどうか知らない。このハイリスクハイリターンプロジェクトが韓国の野望を象徴する。
(日本よりお金も特許も研究者の割合も多い。論文数も日本が低下なのに対して増加し続けている。日本への対抗心からニュートリノの次はアクシオン、らしいけど、そのノーベル賞へのこだわりがWoo Suk Hwangを生んだのに。優秀な人がアメリカに行って帰ってこないことや女性差別も指摘されている。)

Homeopathic treatments under attack from vet
Friday 3 June 2016 11:33
http://www.fwi.co.uk/news/homeopathic-treatments-under-attack-from-vet.htm
ウマの獣医Danny Chambersがchange.orgウェブサイトで王立獣医外科医師会Royal College of Veterinary Surgeons (RCVS)に獣医師がホメオパシーを動物に提供することを禁止する請願を始めた。しかしこのことがホメオパシー獣医から猛烈な攻撃を受けた
DEFRAによると英国には約500のホメオパシー農家と38のホメオパシー獣医がいる。一方ニュージーランドではフォンテラの酪農場の3000がホメオパシーを使っていると報告されている。英国獣医学会British Veterinary Associationはホメオパシーレメディの使用を認めることはできない。有効であることが証明されていない製品に治療効果を謳うことはできない。

Vitamin D: How Much Do You Know?
June 04, 2016
http://www.berkeleywellness.com/supplements/vitamins/lists/vitamin-d-how-much-do-you-know/slideid_3052
クイズ形式
最後は有料のパンフレットの紹介

 

  • 発芽穀物はより健康的?

専門家に聞こう
Are Sprouted Grains Healthier?
by Berkeley Wellness | June 03, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/are-sprouted-grains-healthier
Q:芽が出た穀物のほうが普通の全粒穀物より健康的なのか?
A:健康についての過剰宣伝はあるが、全くとは言わないがそれほど違いはない。小麦や大麦、オート麦、コメ、トウモロコシの発芽したものから作ったパンやシリアル、パスタ、チップス、ピザは急速に拡大しているビジネスである。
芽が出るのは種子の生長の最初の段階で、抗酸化物質の活性が高くなり貯蔵されていた栄養素が分解され生長に必要な化合物が合成される。種子にとって必要な量が少ないので、これらの変化は植物にとっては必須だがそれを食べるヒトにとっては意味のある栄養上のメリットにはならない。発芽にはデンプンの分解がおこるため、全粒穀物より甘い風味が加わることがある。
発芽穀物製品には二種類ある:発芽穀物を粉にしたものを一部または全部使ったものと、普通の全粒粉にすりつぶしたスプラウトをいろいろな量加えたもの。発芽粉も売っている。
発芽穀物に標準定義がなく発芽のプロセスも様々なため一般化して語るのは難しい。
発芽穀物のほうが優れているという宣伝の一部は精製穀物と比較したものである。発芽穀物と全粒穀物の健康影響を比較したヒト試験はほとんど無い。逸話はあっても臨床試験の根拠はない。
基本
発芽穀物でできたパン屋その他の食品は普通に健康的で栄養があるがしばしば高く、もっと安い全粒穀物製品より必ずしもあなたにとって良いわけではない。栄養成分表示を見ればほとんど差がないことがわかるだろう。

  • ホメオパシーから反ワクチンまで:何故人々は「インチキ科学」を信じるのか

From homeopathy to anti-vaccination: why people believe ‘quack science’
Trevor Treharne - Yahoo7 News on June 2, 2016,
https://au.news.yahoo.com/a/31745590/from-homeopathy-to-anti-vaccination-why-people-believe-quack-science/#page1
英国の医師で学者のBen Goldacre博士が9月に一連の講演をするためオーストラリアとニュージーランドに来る。Yahoo7がインタビューした。
何故人々がインチキレメディを信じるのかという質問は実際興味深いもので、理由は科学ではなく文化や政治や実用性だろう。ホメオパシーを使用する人はほとんど場合詐欺や嘘の犠牲者である。彼らがそうなるまでに長い道のりがある−その道は社会が作ったものである。
単純に普通の医薬品ではなく「オルタナティブ(別のもの)」を選ぶことに魅力がある。しばしば医学は権威であり、政府であり、親であり、それに反逆することが魅力である。
また主流の医学でほんとうに恐ろしい経験をしたことがあるのが理由の場合もある。
反ワクチンについてはもう2世紀も歴史がある。

  • 処方薬メトトレキセートの事故による過剰使用が懸念される増加

Worrying rise in accidental overdose of prescription drug methotrexate
June 6, 2016  Kate Aubusson
http://www.smh.com.au/national/health/worrying-rise-in-accidental-overdose-of-prescription-drug-methotrexate-20160606-gpcaz3.html
関節リューマチや乾癬、炎症性腸疾患などの治療に使用されるメトトレキセートに関連する避けられるはずだった死亡が増加している、と研究者が警告する。NSW中毒情報センターによる全国データの研究から、2000年以降のメトトレキセートに関連する22の死亡のうち8人は週に一回の薬を毎日飲んで死亡した。メトトレキセートはしばしば1年分の50錠入りで処方され、毎日の薬と間違われやすい。特にメトトレキセートと同時に処方されることがある葉酸やプレドニゾンと間違われる。
(1年分を裸でボトル入りでっていくらなんでもそれは手抜き過ぎでは)

Prince died of accidental overdose of opioid fentanyl, medical examiner says
By Ralph Ellis and Sara Sidner, CNN
Updated 0541 GMT (1341 HKT) June 3, 2016
http://edition.cnn.com/2016/06/02/health/prince-death-opioid-overdose/
フェンタニルは医師ががん治療のために処方することがあるが、違法な製品が出回っていて近年の米国での薬物過剰使用による死亡の急増の原因とされている物質である。
プリンスは4月21日に57才で死亡した。検視官の事務所から発表された報告書には(画像リンク有り)詳細は記されていない。自分で投与したと記述され「事故」のボックスにチェックが入っている。

  • 疑わしい監督者と疑わしい調査

Suspicious supervisors and suspect surveys
by Michael Spagat | Jun 1, 2016
http://www.stats.org/suspicious-supervisors-suspect-surveys/
豊かな国では世論調査が溢れている、特に選挙の時期には。そのような調査は少数のサンプルから立候補者の一般的支持率を推定する。理想的調査ではサンプリングは無作為であるべきで、これらの無作為に選ばれた少人数のサンプルは一般人と同じような特徴をもつ。実際には選ばれたサンプルは理想的な無作為からは相当かけはなれている。良い研究者はいろいろな問題を調整する。
もう一つの課題は、あまり公に議論されないが、調査を委託された人がデータを偽造することである。
以下統計学的手法により調査データの改ざんを発見した事例の紹介

Sense about science
Missing Evidence
2 June 2016
http://www.senseaboutscience.org/news.php/478/missing-evidence
政府の委託した研究の発表が遅れていることについての調査
昨年Sense about scienceが政府の行った研究のうちどのくらいが発表されていないのかについての調査をもと控訴院判事のStephen Sedley卿に依頼した。その報告「失われたエビデンスMissing Evidence」が本日発表されダウンロードできる。
Stephen卿の主な知見は、
・英国政府は年に約25億ポンドを政策のための研究に使っているが、そのうちどれがどのくらい発表されているのかを知らない。
・24の政府機関のうち委託した研究のデータベースをもっているのはたった4つ
・政府の公務員は自分の省の研究を追跡するのにGoogleを使わざるを得ない