食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 最近の欧州委員会のグリホサートについての行き詰まりについての専門家の反応

SMC
expert reaction to latest European Commission impasse on glyphosate
June 24, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-latest-european-commission-impasse-on-glyphosate/
ケンブリッジ大学NERC研究フェローLynn Dicks博士
グリホサートの将来についての決定は農業業界の大きな懸念であり、この規制を巡る不確実性は、確実に英国のEU離脱投票における農家の投票に影響を与えた。
この事例は最新の科学的根拠をもとに規制を行うことについての課題を明らかにする。科学はいつも必ず不確実で、その性質上新しい根拠に過敏である。政策と規制には確実さと長期的安定が必要である。政策がめまぐるしく変われば仕事や生活がリスクに晒される。
時に急速な政策変更が必要な場合もある。社会として、我々は政策がしっかりした信頼できるバイアスのない科学的根拠に基づくことを確保するために、事例毎に注意深く選択する必要がある。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160520#p6の追加
残留農薬の基準がEUと英国で違うものになるのだろうか??やっとEU統一基準になったのだが。グリホサートとネオニコチノイドは農家にとっては大きかったかもしれない)

Sense about science
Standing up for evidence and reason in Europe
24 June 2016
http://www.senseaboutscience.org/news.php/481/standing-up-for-evidence-and-reason-in-europe
最近のEU離脱を巡る議論の中で、真実ではない言い分をおおっぴらに皮肉を込めて受け容れ、専門性を無視するようになったと心配し、そのことで人々が望むこととは反対のことを成し遂げようと努力していると嘆くたくさんの人々から我々に連絡があった。
我々の部長Tracey BrownがTimesに専門家と根拠を無視することについて文書を書いた。
我々は知識と根拠と理由のある主張を尊重する活動をしてきて、この目標に向かって多くの団体が参加してきた。
(略)
来月Sense about Science EUを作りEuroScience Open Forumでイベントを行う。我々の人生に影響する決まりや規制がしっかりした根拠に基づき、意志決定者は人々に対して自分の言葉を説明でき、研究者や市民はそれぞれの役割を完遂できるようにすることを目指す。

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‘Sourness’ marks 2016 referendum campaign
http://www.thetimes.co.uk/edition/comment/how-this-referendum-compared-with-1975-g7rk9j2k8
(熱狂的短期集中型政治キャンペーンの中では冷静に根拠を見極めてというような声はかき消されるのだろうなぁ。こんなこと(お祭り騒ぎの国民投票)をしてはいけないとしか思えない)

  • 研究者らはEUを抜けるという英国の決定を嘆き悲しむ

Science
Researchers deplore U.K. decision to leave the European Union
By Daniel CleryJun. 24, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/06/researchers-deplore-uk-decision-leave-european-union

  • ショック、悲しい、怒り:科学者の#Brexitについてのツイート

Shock, sadness, anger: Here's what scientists are tweeting about #Brexit
By Martin EnserinkJun. 24, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/06/shock-sadness-anger-heres-what-scientists-are-tweeting-about-brexit
英国の科学者はほぼ全員一致で残留支持だった、そして結果にフラストレーションを投稿している

  • Brexit:科学にとって何を意味する?専門家の反応

SMC NZ
Brexit: what does it mean for science? Expert reaction
June 27th, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/06/27/brexit-what-does-it-mean-for-science-expert-reaction/
豪州と英国の科学者の意見
困ったことではあるが科学の世界での国際協力は推進していかなければならない、といったところが多いか

Anti-Intellectualism Is Biggest Threat to Modern Society
June 26, 2016
http://acsh.org/news/2016/06/26/anti-intellectualism-is-biggest-threat-to-modern-society/
ポーランドで生まれ育った私の妻は、ポーランドでの学校生活について話したことがある。ポーランドではクラスで最も人気のある生徒は頭の良い生徒だった。生徒達は知性と勤勉さを尊敬した。彼女が交換留学生として米国に来たとき、そこでは反対だった。賢い生徒はのけ者にされスポーツ選手やチアリーダーが人気者だった。彼女の逸話はアメリカではよくあることで、アメリカのより大きな真実を反映している。賢くないことがかっこよく、科学者や経済学者やジャーナリストの集合智を否定することが称賛される。「権威」を否定することが国民的娯楽になった。
この傾向は致死的である。インフルエンザの予防接種を薦める専門家の助言を無視し、進化論を否定し科学の代わりに訴訟が規制を決める。何が原因だろう?3つ考えられる。
最初はインターネットによる「情報の民主化」。誰もがあらゆる情報を得られ、自分にとって最も都合の良い情報を信じる。二つ目は全てのことが政治化した。気候変動もGMOも支持政党によって意見が分かれる。三つ目は批判する方が防衛するより簡単であること。
解決法は、まず頭を冷やして政治的レトリックから距離を置く。それから事実は強固でも政策としては合意できない部分はたくさんある。議論はそこに焦点をあてるべきである。

The MEND™ protocol for Alzheimer’s disease: Functional medicine on steroids? (revisited)
Posted by Orac on June 24, 2016
http://scienceblogs.com/insolence/2016/06/24/the-mend-protocol-for-alzheimers-disease-functional-medicine-on-steroids-revisited/
先週私は医学への疑似科学とファンタジーの侵入について書き、それをquackademic medicine(インチキ大学医学)と呼んだ。問題の機関はジョージワシントン大学で、疑わしい治療方法はMEND™プロトコールというものでMuses研究室がアルツハイマーの治療法として販売している。このプロトコールはある種の適切なコンピューターアルゴリズムを使っているように見える。Muses研究室によるとこの計算が「個別化」アルツハイマー治療計画を作り出す。コンピューターの計算式というのがあなたにとって十分な警戒信号にならないのなら、その計算結果が生み出す「統合医療」のリストは、異論のないものから根拠のないもの、極めて疑わしいもの(運動、夜8時間寝る、グルテンフリー食、低グリセミック指数食、無数のサプリメント)の混合物であることを指摘しよう。Muses研究室はMEND™プロトコールの根拠として、全く研究とは思えないDale E. Bresdenの研究を宣伝する。プレスリリースで誇大広告されている研究とその成果は、研究論文に必要な情報が大きく欠けている(内容略)。協力研究者はFDAから警告文書を送付されたことがある。MEND™プロトコールが完全に理解できる4日間の有料セミナーという金儲けも行われている。これが科学のカテゴリーではなくマーケティングのカテゴリーであることは明白である。

  • 英国のEU離脱投票に研究者は動揺

Natureニュース
Researchers reeling as UK votes to leave EU
24 June 2016
http://www.nature.com/news/researchers-reeling-as-uk-votes-to-leave-eu-1.20153
ほとんどの科学者が望まなかった結果になった

How scientists reacted to the Brexit
24 June 2016
http://www.nature.com/news/how-scientists-reacted-to-the-brexit-1.20158
何人かの意見。がっかりした、心配している、といった意見が多い

  • 息子の髄膜炎の死亡についてDavid Stephan懲役、Collet Stephanは自宅監禁

David Stephan gets jail time, Collet Stephan gets house arrest in son's meningitis death
Jun 24, 2016
http://www.cbc.ca/news/canada/calgary/lethbridge-meningitis-trial-sentence-parents-toddler-died-1.3650653
細菌性髄膜炎で死亡した19ヶ月の息子に必要な医療を受けさせなかったとして有罪とされた父親が4ヶ月の懲役刑、母親が3ヶ月の自宅監禁と判断された。判事は両親には子どもの命を危険に晒す意図はなかったとしたが、父親が医師に診せないという意図的判断をしたとした。

Does a journal of homeopathy belong in science?
By Ivan Oransky  June 17, 2016
https://www.statnews.com/2016/06/17/homeopathy-journal-thomson-reuters/
Thomson Reutersの有名でよく使われているが誤用も多い雑誌ランキングリストからホメオパシー雑誌が外された。理由は引用されているのがほぼ同一雑誌であるため。この雑誌を発行していたのは世界最大の出版社のひとつElsevierで、このことはElsevierのような合法的な世界企業ですらお金になるなら非科学的な何かを受け容れることを示す。