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IARCは過体重と肥満に関連するさらに8つのがん部位を同定

IARC identifies eight additional cancer sites linked to overweight and obesity
25 August 2016
http://www.iarc.fr/en/media-centre/pr/2016/pdfs/pr247_E.pdf
IARCのがん予防ハンドブック計画の行った新しい評価が、過体重/肥満はこれまでわかっているより多くのがん部位のリスク要因であると結論した。要約を本日The New England Journal of Medicineに発表。
21人の国際的専門家が1000以上の研究を評価した。
専門家らは2002年に発表されたIARCハンドブック第6巻の結果を確認した:過剰な体脂肪がないことは、直腸、結腸、食道(腺がん)、腎臓(腎細胞がん)、閉経後女性の乳がん、子宮内膜のがんリスクを減らす。
さらに過剰な体脂肪がないことは、胃噴門、肝臓、胆嚢、膵臓、卵巣、甲状腺、髄膜腫、多発性骨髄腫のがんリスクを減らすという十分な根拠sufficient evidenceがある。また致死的前立腺がん、男性の乳がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のリスクを減らすという限定的根拠limited evidenceがある。
体脂肪の多さは主にBMIで評価され、成人では25以上が過体重、30以上が肥満と定義される。世界では2014年の肥満成人は6億4000万人で、推定年齢調整肥満率は男性10.8%女性14.9%である。2013年の世界中での450万人の死亡が肥満と過体重が原因だと推定されている。今回の新しい肥満関連がん部位は肥満が原因となる死亡者の数をさらに増やすだろう。

  • Body Fatness and Cancer — Viewpoint of the IARC Working Group

Béatrice Lauby-Secretan et al.,
N Engl J Med 2016; 375:794-798August 25, 2016
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsr1606602

  • Q & A

Questions and Answers on IARC Handbooks Volume 16: Body Fatness.
http://www.iarc.fr/en/media-centre/iarcnews/2016/handbook16_iarc2016.php