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運動、飲酒、死亡率の関連を調査した研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to study investigating the association between physical activity, alcohol drinking, and mortality
September 7, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-investigating-the-association-between-physical-activity-alcohol-drinking-and-mortality/
British Journal of Sports Medicineに発表された論文で運動がどのくらいアルコールの有害健康影響を緩和できるかを検討し、推奨どおりに運動している人ではアルコールと死亡リスクとの関連が減少すると報告された。
英国タバコとアルコール研究センターの一部であるリバプール大学心理学教授Matt Field教授
過剰飲酒と死亡率の増加の関係が運動している人(少なくとも週に7.5MET時間)では有意に弱くなるという明確な結論を出している研究である。従って運動すれば飲酒の有害影響が一部相殺できるように見える。しかしこの研究には弱点があることにも注意すべきである。最初にこれは横断研究で、別の説明ができる可能性がある。例えば既に病気の人は運動量が少ないかもしれない。著者らはいくつかの追加解析をして別の説明の可能性はなさそうだと示唆しているが明確にするにはさらなる研究が必要である。次に飲酒のパターンは調べていない。最後に40才以上の人しかみていないので若い人にあてはまるかどうかは不明である。
Open大学統計学名誉教授Kevin McConway教授
これは良い試験だが解釈には注意が必要である。広い意味ではこの研究はこれまでの研究を確認したものである。飲酒は死亡リスクを上げ、飲めば飲むほどリスクは大きい。この研究の新しいところはこのリスクの増加が運動量に影響されるかどうかを調べたことである。研究者らはガイドラインで推奨されているとおりに運動した人のリスクの増加は運動しない人よりゆっくりであることを発見した。これは運動すれば飲酒のことは心配しなくていいという意味だろうか?いや、そうではない。理由は長くなる。(略)
運動がリスクを変えるとしても、飲酒がリスクを上げることを忘れてはいけない。特に有害飲酒については。