食品安全情報blog過去記事

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ペンタクロロフェノールといくつかの関連化合物の発がん性

Carcinogenicity of pentachlorophenol and some related compounds
24 October 2016
http://www.iarc.fr/en/media-centre/iarcnews/pdf/Volume%20117_news%20item.pdf
Lancet Oncol, Published online 24 October 2016; http://dx.doi.org/10.1016/S1470-2045(16)30513-7
・ペンタクロロフェノール(PCP)  Group 1
ストックホルム条約で規制されている有機汚染物質。主に木材の保存料として使用されたが欧州や北米では1990年代に使用制限。ヒトでの非ホジキンリンパ腫を誘発する十分な根拠に基づきGroup 1
・2,4,6-トリクロロフェノール(TCP)  Group 2B
PCP関連化合物。実験動物での発がん性の根拠に基づきGroup 2B
・アルドリンとディルドリン Group 2A
過去に土壌昆虫管理のために使用されたが1970年代から多くの国で厳しい使用制限。アルドリンはディルドリンに代謝される。アルドリンについては実験動物で発がん性の十分な根拠があるが疫学データは不適切。しかしディルドリンが動物実験での十分な根拠とヒトでの乳がんの限定的根拠によりGroup 2Aとされたのでアルドリンについても同じく2A。
・3,3′,4,4′-テトラクロロアゾベンゼン(TCAB)  Group 2A
意図的に使用されるものではなくプロパニル、リヌロン、ジウロン、ネブロンなどの除草剤の製造時にできる汚染物質。動物実験での十分な根拠とAh受容体活性化のメカニズム考察によりGroup 2A